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リアルガチ  作者: 漫才大島
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登下校

僕は気がつくと小走りで下校していた。

学校から家は約500メートル。近くて登下校が楽だから入った高校である。

いつもはその500メートルをゆっくりゆっくり歩き、時の流れを1秒1秒感じ楽しんでいたのだが(本当は楽しくないが……)、今日ばかりは足が踊る。その気はないのに走ってしまう。

少しでも早く公園へ。だってあのたかしが待っているのだから。

「ただいまー」

僕は家に着くといつもより1トーン弾んだ声でただいまを言ってから急いで制服を脱ぎ、持っている数少ない私服の1枚を取りだし着用。消臭スプレーを身体中にふりかけ、歯を磨き、高校入学前にいつか使うだろうとYouTubeで学んでいたワックスの付け方を思い出しながらたっぷり付け準備完了。

鏡で自分の顔を見ると、若干口元が緩んでいる。

それもそのはず、今日たかしの株を上げれば自分も明日から上位グループに入れるかもしれない。

今まで発揮する場がなかっただけの僕の面白さを、卓球部にもこんな奴がいるんだぞという事を見せつけてやる。

まぁ、その面白さを見抜いたたかしは後々僕の親友になるのかもな~……。

「今日はどーしたのー?」

鏡を見て不自然にニヤついている僕の姿を見てそう聞いてきたのは母である。

いつもと大分違う自分に驚いているのだろう。声が少し裏返っている。

「友達と遊んでくる」

とだけ答え急いで玄関に向かい外に出た。

母は少し泣いているようだった。

久しぶりに生き生きとしている僕、生きている僕を見た嬉し涙なのだろう。

こんなことで?

とも思ったが最近の僕の目は相当死んでいたのだろう。

心配かけてごめんな、くそババァ。

僕の母は、僕がまだ幼い頃父を亡くしてから女手1つで僕を支え育ててくれた、まぁ、出来る女だ。can womanだ。

昔は元気で活発。笑顔が美しく町内でもなかなか人気の女性だった。

だが、僕がこの世に病み始めた中2頃? よく覚えてないがその頃から僕とほぼ同ペースで暗くなっていった。

母さんのあのくしゃっとした笑顔、もう何年も見てないなぁ……。

笑えよ、くそビッチ……。

そんなことを考えながら歩いていると、大坪公園についた。

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