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壊されたひと
あなたの耳は、
小さな風穴。
様々に鳴りながら。
吹き抜けていく。
あなたの目は。
深い空洞。
明るい昼にも闇を見る。
夜にはさらに深くなる。
空が。
星が。
落ちてきても。
気づかない。
それほどの傷を負わされて。
それはあなたのせいではない。
あなたのちからの強弱に、
よるものではない。
壊されたひと。
どうして。
そう静かに、白く。
佇んでいるようでありますか。
ひとつも残さず、のせて。
迷わず、戻れ。
遠くに向けて。
鐘を打ち鳴らす。
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