黒木貸家の登校のヒトコマ
旧友を帝国の捕虜に取られた孝博は、勇者歩と共に魔王ドン・キホーテ(激安の電動)を撃つべく立ち上がる。
一方、そのころ町のbarで働いていたまゆは、お腹をくだして死にかぶっていた。
はたして、いなほの好きなラーメンの種類とは!?
まだまだ冒険は続く❗
ーー朝食後
各々が、支度を済ませてバタバタと登校の準備を行う。
「いなほ!鍵持ったか!?」
「もった!」
「歩!おまえその被ってる馬の覆面いらねえだろ!」
「メェェエエ」
「なんでヤギだよ」
「羊ですよ」
「やかましいわ!まゆ姉は早く着替えろよ!」
「今やってんじゃん!女の子は時間かかるんだよ!何回言えば分かるんだ!」
「じゃあ、早く起きろよ!」
「学校めんどくちゃい★」(テヘペロ)
「ぶっとばすぞ!」
そんな感じにバタバタと支度を済ませ、各々の愛車(自転車、まゆだけ原付)に乗ると最寄り駅までダッシュする。
「おっさきー♪」
まゆが原付でスタートダッシュすると後方からそれぞれが自転車をこぎだす。
「くっそ!一番最後に準備終わらせたくせに!毎回一番に行きやがる!」
孝博がぶーたれるといなほが宥める
「まあまあ、良いではないか、焦っても良いことはござらんぞ」
「そうですよ。アレの事気にしてたら堪忍袋がいくつあっても足りませんよ。」
そんな他愛ない会話をして駅に到着する。
すると、歩が
「喉乾きましたね」
「結構とばしたもんねぇ、後半」
「いなほ、今月余裕どのくらいある?」
「そうだねぇ、ちょっと待ってね」
そう言うといなほは、財布を覗きこんだ
「ジュースくらいなら買えるよ」
「お、本当か?なら電車まで時間あるし少し休むか」
そう言うと
「じゃあ、僕はリンゴジュースがいいです」
「あ、なら私買ってくるよ」
「そうか?悪いな、それなら俺はちょっとサッパリしたいし紅茶を頼もうかな」
「わかった!」
いなほは、少し離れた自販機へ向かった。
「ええーっと、、、歩がリンゴで、、
ガシャン!
【リンゴジュース】
孝博が、、、っと
ガシャン!
【おしるこ】
あ、、、。」
いなほは、二人の待つところへ戻った。
「はい、歩!リンゴジュース」
「ありがとうございます。買いにまでいってもらって」
「いいよいいよ、気にしないで!はい、孝博紅茶!」
「おお、サンキュ、、、」
差し出されたどうみても【おしるこ】と書かれた文字を受け取りまじまじと見る。
「いや、え?」
「あ、ウソウソ、こっちだよ」
いなほは、笑顔で紅茶を差し出した。
「なんだよ、ビックリした。サンキューな」
【いなほ】(カルピス飲みたかったけど、仕方ないよね、、。)
残ったおしるこを、いなほが鞄にしまおうとしたとき
先に行ったはずのまゆがやってきた。
それに気づいたいなほは、声をかける。
「あはは、まゆちゃん遅いよ」
「うるさいよ、ほら」
そう言うとまゆは持っていたカルピスをいなほに差し出した。
「え?」
「あれ?飲みたかったんじゃねえの?自販機の前で」
「え?ああ!見てたの?」
「うん、私は【おしるこ】好きだから。いなほが良ければそれ、譲ってくれないか?」
「あ、うん。ありがとう」
たまにはお姉ちゃんをする、そんなまゆであった。
く「おーい二人ともー電車きますよー」
二人は顔を見合わせて声を揃える
「「今行く!」」