表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回転  作者: たらば
61/61

61回転目

「おいおいおい、どういうことだよ。なんであのメイド(ピックル)がキャシーを連れて行くんだよ。意味わかんねぇ」


マルシが苦い顔して顔を逸らすが説明して貰わないと困る。


「理由は分からないけど患者を連れてここから去った。 で、さっきの通話で君だけここから東にある空き地へ来いだとさ。くそっ!」

「そこに行けばキャシーを返してもらえるのか?」

「……正直アイツ(ピックル)が何考えてるか分からないけど患者は必ず取り返す。 必ずだ」


何か決意してる所悪いけど、キャシーの事を他人に任せるつもりは無いからな。

ツレで、更に言えば恩人なんだ。


「む……、そうか。だが患者と材料を取り返したら此処へ連れて来てくれ。必ず治してみせる」

「了解、んじゃ、場所の正確な所を教えてくれ、そしたらキャシーを取り返しに行く」


マルシにピックルの指定した正確な位置を教えてもらってから直ぐに向かう。

こんな意味分からん時代に放り込まれた所を助けてもらったんだ、最悪の場合……あのメイドを切り刻んでも取り返す。

そんな物騒な覚悟をしながら指定場所に行くと、空き地の真ん中に木箱。そしてその上に重しを載せた手紙が一通。

中身に目を通して再度走り出す。マルシに場所を特定されない様に合流場所を別の場所にしたいという内容だった。

更に二度程同じ工程を繰り返し、辿り着いたのはボロボロの空き家。

手紙に書かれた通り、台所の床下収納の入り口を開くと梯子がかかっているのでソコを下りていく。

下りきった先は暗く、少し進んだ先の曲がり角から光が漏れている。


「キャシー!」


曲がり角の先に居たのはベッドに横たわるキャシーと、椅子に座りキャシーの世話をしているピックルだった。

キャシーへ近寄るとアレほど苦しそうにしていた表情は和らぎ、呼吸も安定している。

どういう事かとピックルへ質問を投げかけてみると、実は解毒薬は既に有り、俺が取りに行ったモノは別の薬に使う材料だと言う。


「確かにあの人が作ろうとしていたモノにも解毒作用はありますが、副作用で毒が効かなくなるというのが正確です」

「???」

「あの人が作ろうとしたのは『亜人化タブレット』の中でも毒への抵抗が高めの『クモモデル』です」

「つまりアイツはキャシーをクモに変えて『これで救われたぞ』と言うつもりだったのか?」

「そこまでは分かりません。しかしながら亜人化タブレットを作ろうとしていた事は事実です」

「うーん、良く分からんが結果としてキャシーの解毒は出来たのか?」


見た限り苦しんでる様には見えんが。


「解毒に関してはもう1日もすれば大丈夫かと、意識を取り戻したら後は胃に優しい食事で体力を戻せば問題ございません」


釈然としないが結果的にキャシーが救われたならどうでもいいか。 マルシが何しようとしてたか知らないが結果が全てだ。


「ではこのまま此処で翌日まで過ごして、キャシー様の意識が戻られましたらご自宅へ戻るのが宜しいでしょう」

「まあ、そうするか。 あんたは?」

「私は警邏隊に今回の件を報告します。 ハルキ様がご存知かは知りませんがこの町で亜人化タブレットを作るのは違法なのです」

「ふーん、まあこっちに被害が無いなら知った事じゃないさ」


興味が無いのでソコで会話を止めキャシーを見る。

何にせよ治ったのならソレで良い。マルシのあれやこれやなんざコノ町の人間が片付けろ。 俺は関係ないし関わる気が無い。




その後キャシーの意識が戻ってからホバーバイクを飛ばしてキャシーの家へ戻った。

1ヶ月程経ってからピックルが尋ねて来た。どうやらマルシは薬物法違反で捕まったそうだ。

一応初犯で未遂な為、1年もせずに釈放らしい。というか刑務所あるのね。

色々話を聞いてみたらピックルはマルシに本気で惚れていると、釈放されたら二人で別の土地へ移り住むつもりでいるらしい。

そこで俺はこの1ヶ月弄り続けたホバーバイクをくれてやった。

その事に対してキャシーが大分驚いていたけどその場の勢いでキャシーに告白した。キャシーが攫われた時に色々考えて、ここへ戻ってからも色々考えたと。

殆どプロポーズの様な事を言ったがOKを貰えたので良しとしよう。

そんな訳でソレからはキャシーと一緒に夫婦として暮らした。

何でキャシーがOKしてくれたか聞いたら「何となく」だとか「フィーリング」と言われたが何にせよ仲睦まじく過ごし、子供ももうけた。

元の時代から何世紀も後になって、目が覚めたら人外になり、更に妻が出来て子供もうけてって大分変な話だが今は満足してる。

これから後何年生きていられるか分からないけど……キャシーと一緒に過ごして笑って逝けたらそれでいいや。


この61回転目にて小説「回転」は終了になります。

話の流れとかもぶった切って終了で不完全燃焼ですが、下手に放置すると前の小説の二の舞になりそうだったのでここで終わりとさせていただきます。

今度は必要な要素を残しつつ要らない要素を差し引き、又付け加えてきちんと筋の通ったモノを書こうと思います。

拙い文章ですがお付き合いの程、ありがとうございました。

ご縁があれば、次回作も宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ