32回転目
町にある程度近づいた所でキャシーの指示でバイクを止める。
「町まで直接行かないのか?」
「そうよ、ホバーバイクは流石に目立つのよ。持ってる人は持ってるけど出回ってる物じゃないし、今じゃパーツ作るだけでも大変だから」
なる程、余計な揉め事の種になりそうだな。
「けどどうするんだ?ここら辺に隠すとか?」
「まさか、こうするのよ」
そう言ってキャシーがバイクのキーを挿す場所の横に付いてるボタンを押すと、バイクが見る見る内に小さく折りたたまれ掌サイズのミニチュアの様になった。
俺が目を見開いて固まっているとキャシーは小さくなったバイクを拾って俺へと渡してくる。
「はい、じゃあコレ宜しく」
「お、おう……」
「一応私のデバイスに収納も出来るけど、今日はハルキが持ってて」
そう言うと笑いながら先に行ってしまった。
暫く掌に収まってしまったホバーバイクを眺めてからキャシーを追いかけて町へ向かう。
10分も歩くと町の入り口が見えてきた、因みにバイクはショルダーバッグに入れて歩いてる。
「なあキャシー、アソコってすんなり通れるのか?何か門番っぽいの居るけど」
「あー、私は何度も来てるし。それにアノ町じゃそれなりに有名だから良いけど、ハルキは多分登録しないと駄目ね」
「登録?」
「通行許可の為の登録ね、入る人は必ず登録する決まりなの」
ふーん、等と思いながら入り口に辿り着く。
そこに居たのは明らかに人じゃない門番だった。
2メートルを余裕で超える身体、頭の横から生えてる黒く巨大な角、足には蹄、そしてちょろりと見えてる細い尻尾。
想像上の生物、ミノタウロスがそこに居た。
いや、俺もドラゴニュートかトカゲ人間みたいな格好だけどさ。ちょっとテンション上がりました。
俺が驚いてるのを他所にキャシーはさっさと門番のミノタウロスに話しかけた。
「ガインさん、お久しぶり」
「お?キャシーじゃねえか。大体1年ぶりか?でかくなったじゃねーか。後ろのは?」
「後ろのはハルキ。最近ウチで暮らしてるの、登録お願いね」
ミノタウロス、じゃなくてガインは俺がキャシーと暮らしてるのを聞いて目と口をぽかんと開けて俺等を交互に見ている。
そんなに驚く事か?




