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おっさんテイマーは、はばからない!〜ソロテイマーだったのに、気が付いたら最強組織を作ってました〜  作者: 琥宮 千孝(くみや ちたか)
第四章 (大陸放浪編)

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再訪、北の大地ノーセリア

ついに飛行艇ウラノスに乗り、北の大陸へ出発するユート達だった。

 今回連れて行くのは、Aランク以上のメンバー全員とサナティ、マイニャと俺の仲間ペット全員だ。

 メイド達は屋敷の管理もあるので、連れて行くのはメイアとアイとドーラの3人だ。


 これでもかなりの負担を掛ける事になるが、一応飛行艇ウラノスには乗組員や専用の清掃員や案内係等で複数の従業員を雇ってはいるので、基本は俺らの世話だけをしてもらう予定だ。


 居残り組は、ライとそのチームメンバーのミレオ、マッド、ベン、ケイル。

 カミオとチームメンバーのバーナー、デューク、レオナ、ミリンダ。

 あとは、パールとペルラは非戦闘員なので屋敷に常駐となった。


 彼、彼女らの面倒は基本は執事のゼフとライが見てくれる。

 

 今回の色々な件であちこちに走り回ってくれたので、ライはユニオン【ティンクルム】の副代表に就任して貰った。

 これはギルドに正式に申請をだしてある。

 これにより、ライはユニオンの口座の資金を下ろすことが出来る。


 なので実質の運用はライが中心に行う事にした。


 俺は資金の調達の為に各地に飛んで品物を仕入れして来る事と、王国やギルドからの大きな依頼をこなしていくのを中心にする事にした。


 王国とギルドから多額のお金が入ったとはいえ、これだけの人数になってくるとさすがに維持費が掛かるし、遊んで暮らすにはまだまだ稼がないとな!


 ちなみに、マリエルも飛行艇の整備師として一緒に来ている。

 王命による依頼が終わればサニアで二人は結婚すると決まったらしく、未来の旦那の為だからね!と快く引き受けてくれた。

 Sランクの技術者がついて来てくれるのはとても心強いのだ。


 なお、聖女アリアネル改め、冒険者アリアも連れてきている。

 白の女神が言うには連れて行かないといけないという事らしいし、嵐の神殿の時のように聖女のチカラが強化されることが見込まれるからだ。


 ───

 今向かっているのはヒョウの集落付近だ。

 あそこは氷原が広がっているので、飛行艇を着陸しやすい。


 あそこから1チームを編成して氷の神殿に向かう。

 大精霊イグニスも、俺らがあそこまで近づけば来たことが分かるだろう。


 ちなみに、今回主力メンバーで来ているのには訳がある。

 それはセツナがいた、グラムが率いる冒険者があの時現れた魔王に降ったからだ。


 あの氷山より北に、呪詛王カーズとその配下のロペがいる魔王の支配領域がある。

 あの事件の元凶であるヤツらが大人しくしてくれればいいが、楽観視出来る相手ではないので警戒しての布陣となる。


 何を狙ってそんな事をしたか、正直俺には想像もつかないが、支配領域を広げるにしろ、『覇王』を邪魔するのが目的だとしても、俺がこの地をもう一度踏み込むのはかなり都合が悪いと予想している。


 であれば、何かしらの妨害をして来るだろう。


 来なきゃいいなぁとは思うんだけどね。


 あとグラムがリベンジしに来る線もありうるし、厄介な奴が向こうに流れたもんだよ。

 このまま気が付かないでいただきたいところだ。


 まぁ、こんな目立つもので移動しているので期待は薄いけどね。


「さすが北大陸ですね。まだ海の上だと言うのにこんなに寒いなんて」


 事前に用意していた魔獣の毛皮で作ってもらったローブを羽織りながら、寒そうにしているサナティ。

 西大陸は比較的緩やかな気候なので、ここまで寒くなるのは本当の真冬くらいだ。


 今はまだ冬に入る前の季節らしいので、余計に寒く感じただろう。

 サナティは寒がりという程ではないらしいが、それでも寒いらしい。

 そのせいか、自然と肩を寄せてくるのでドキッとしてしまう。


 やはりいつ見ても美人な人である。


 そう言えば、出発前にミルバが爆弾を落としてきた。

 それは王命での依頼という事で、ギルドの職員も総出で見送りに来ていた時に話だ。


「ユートさんは、王命の報酬で更にお金持ちになるんだとか!しかも、領地を与えられると話を聞いていますよ~。そうしたら、ユートさん貴族様の仲間入りですね!私、ユートさんの側室を狙おうかなぁ~」


「おまっ、バカな事いってからかうんじゃない!俺みたいなおっさんじゃなくて、カッコいい若者と結婚を考えろよ…」


「え~、私モテないですからぁ。あ、そういえば気になっていたんですけど、ユートさんって今は独り身ですよね?登録上は奥さん居ないってなってますし」


「「!!!?」」


「奥さんは、もう亡くなられたとか…、あ、すいません立ち入った事を聞いてしまいましたね。どうぞ、ご武運を!」



 その後、なぜか女性陣の目線がこちらに集まったのは気のせいじゃないだろう。

 いやいや、お金が多少あるからって、俺とこっちで結婚して何のメリットがあるんだ?

 みんな本気で狩りとかすれば困らないくらい稼げるだろうに…。


 そんなわけで、あの後からみんなの様子が少し変わった気がするのだ。

 単なる自意識過剰であると笑いごとで済まされる事を祈りたいところだよ…。


 あと、領地とかマジでいらん。

 どうやって管理すればいいんだよ。


 あ、ゼフにまる投げ!は流石に無理か。

 もしそうなったら誰か補佐役を置いて貰うしかないかなぁ。



「なんか、ユートさんとサナティさんが良い雰囲気を出しているのです…!」


「しーっ、サナティさんは結構前からユートさんを狙っているという話らしいよ」


「へぇ~、そうなんですの。おじ様は意外とモテるのかしら?」


「レーナちゃんは、ユートさんをどう思っているの?」


「どうって、親戚のおじさんくらいかしら?」


「流石だね、レーナちゃん」


 なんか、俺らを見て井戸端会議している女子たちがいる気がするが気のせいだろう。

 

「お、ユート殿ここに居たか。おや、サナティ。寒いのなら中に入ったらどうだ?」


 そんな時にセツナが俺を探していたらしく、声を掛けてきた。

 寒そうにしているサナティを見て、そう言うと。


「いいえ、大丈夫です。ユートさんの隣なら暖かいですから」


「寒いものは寒いと思うんだがなぁ」


 と、ちょっと呆れた顔をしながら頭をポリポリ掻く。

 セツナさんの乱入ですわっ!とか聞こえた気がするが風が強くて聞こえない。そう、俺には聞こえない。


 どうしたんだと?とセツナに話を促した。


「この先にセリオンの元テリトリーがあるのだろう?セリオンが気にしていたので、近くに行ったら見に行ってもいいだろうか?」


 セリオンは元々この先にある大陸にある氷山の一角をテリトリーにしていた。

 その後に自分の群れがどうなっているのか気になるのだろう。


 セリオン自身は独自に進化したので、正確に言うと別種となったのだが、元長としては彼らがちゃんとやっていけているか確認したいのかもしれない。


「ああ、いいよ。ああ、ついでに氷山の周りに魔王軍がいないか確認してきてくれ」


「分かったわ。と、いっても私に見分けがつくのか分からないけどね」


「まぁ、軍隊がどこかを行軍していないかを確認するだけで十分だよ」


「うん、そういう事なら問題ないかな。分かったわ」


 そう言って立ち去る前に、『頑張りすぎて体調崩すんじゃないわよ?』と言いながらサナティの肩をぽんと叩いてから去っていった。


「セツナさんは、いつもサッパリしていますね」


「まぁ、そうじゃないとやっていけないのかもな。さて、セツナの言う通り風邪でも引いたら大変だし中で暖を取ろうか」


「はい、そうですね」


 そう言って、エスコートしつつ中に戻った。

 と、その前に…。


「お前たちも、風邪ひかない内に中に入るんだぞ?」


 ギクッっとした顔をしているけど、さっきから隠れるつもりなかっただろっと、心の中でツッコミを入れておく。

 まったく、女子というのはいつの時代もそういう話題が好きなようだな。


「あ、パパ。どんどん寒くなっていくね~。はい、これ暖かい蜂蜜入り紅茶だよ」


「お、気が利くな」


 俺とサナティに蜂蜜入りの紅茶を渡して、リンは自分用にもいれてあったのをふうふう言いながら飲んでいる。

 俺も渡されたのを飲むと、体の芯から温まる感じがした。


 こんな快適に旅が出来るのは飛行艇のお陰だ。

 ガントには本当に感謝だな。


 そのあと、皆も集まって来たので食堂で昼を取りつつ、現地についてからの割り振りを話し合った。


 氷の神殿および、水の神殿へ向かうのは俺のチームにセツナのチームになる。


 俺のチームは、俺とガント、リン、シュウ、アリア、サナティとなっている。

 回復系スキルを持っているのが6人中4人というかなり堅固なパーティだ。

 それにカルマとニケも来る。

 いまやリンの相棒となったピューイと、シュウの相棒であるシロも一緒に来る。


 シロはホワイトファングという種族で、元々寒い所に住んでいる魔獣であるため、今回連れてきた中で一番嬉しそうだ。

 逆に、フィアとニクスは、寒すぎるのか厩舎小屋でずっと丸まったまま動かないが…。


 フィアはともかく、ニクスよお前はフェニックス(不死鳥)なのにそれでいいのか?


 フィア含め、他のペット達は警護の方に回している。

 ヘカティアとディアナも今回はお留守番となっている。


「ええ~、私もいきたい~。ここでお留守番とかジッとしてたら凍えちゃうよ!」


「そうです、マスターの傍にいる事こそ私達の使命。決して、暇が嫌だからとかではないすよ?」


 と思いっきり二人に抗議されたけどね。

 そうはいっても、既に過剰戦力なのでどうせなら飛行艇を守って欲しい。


 セツナのチームは、セツナ、レーナ、アーヤ、ショウタ、ユウマ、ダイキとなっている。

 鬼教官であるセツナに扱かれていただけあり、すぐにでもランクアップクエストを受けれるくらいに成長しているのだ。


 全員がSランクになったら、このチームだけでドラゴン退治すら余裕になるだろう。

 これにセリオンがセツナの専属騎竜としてついて行く。


 カイト達には、飛空艇ウラノスの警護をしてもらう予定だ。


 流石にグラム達が来るとあっという間に殲滅されてしまう可能性があるので、離脱するまでの時間を稼ぐのが主な目的になる。


 カイトはランク以上の強さを発揮しているので、簡単にはやられないと思っている。

 何気にグランのランクも上がっていた時は、中々やるなと俺も思ったくらいだ。


 もちろん、マイニャの訓練師としての成果もあっての事だが。

 あの子は俺が思った以上に才能があるようだ。


 何気にランクが上がっているのにはびっくりしたが。

 俺の知らない間に、セツナやカイトがランクアップを手伝っていてBランクまで上がっていた。


 本人は戦闘には向いていないが、ペットを使っての戦闘なら危なげなくこなせるらしい。

 単なる厩舎の娘が随分と成長したもんだ。


 今度マイニャ専用の魔獣を見繕う予定だ。

 そうすれば、世話係だけでなく防衛する要員としても活躍してくれるだろう。


 今はとりあえずスキル上げの為に、捕まえまくった魔獣の中から気に入ったのを一匹譲ったのを手なづけている所だ。

 シルバースワロウという鳥型の魔獣で、銀色に光る羽毛を持っており、高速で飛ぶ事が出来るだけでなく、魔力を纏う事で体を金属並みに硬化出来る専用のスキルを保有している。

 生身の人間が突撃されれば、その体を貫かれてしまう恐ろしい魔鳥なのだが性格は比較的穏やかなので餌付けしやすいのも特徴だ。


 飛び道具代わりにはなるだろう。

 まぁ、見た目がツバメなので単純に見た目で選んだみたいけどね。



 出発から8時間ほどでやっとヒョウの村の近くに辿り着いた。

 普通に考えるとかなり高速で移動してきたことになるが、滅多に揺れることも無いので随分快適だったな。


 俺としては、ニケのもふもふな背中に乗って大空の風を感じながら移動する旅も大好きなのだけどね。

 大勢の移動には、この飛行艇に勝るものはないだろうな。


「さて、ここら辺にヒョウの村があるはずなんだが…」


 一先ずは、俺のチームだけで先行して村を探す。

 さすがにもう吹雪で辺りが見えないとかもなく、所々に土が見えている。


「あっ!おめーは!」


 かなり遠くから声が聞こえた。

 この声は…


「ユートー~~~~!」


 ダッシュで近づいて来て、そのまま俺に飛びついてきた。


「よう、ヒョウ。元気にしていたか?」


「ああ、俺もおっとう達も元気にしているだよ!」


 どうやら父親たちも無事に村に帰って来たんだな。

 前に来たのが随分昔に思える。


「近くに用事があったから、見に来たんだ」


「そうかそうか、おっ父もお前がまた来たら是非お礼がしたいと言ってただ。家に来てくれ!」


 そう言われて、ヒョウの案内で以前は人が全くいなかった集落へ案内された。


 そこは依然とうって変わって、雪女と雪男たちが多数住む本来の集落の形を取り戻していた。


「おお、人がいるなぁ」


「何当たり前の事をいってるだ。あの後、猛吹雪が止んだからって皆帰って来たんだ」


 こうして、ある意味では初めて雪人ゆきびと達の村を訪れるのだった。


「おお、あなた様方がこの村を救った英雄様ですね。お待ちしておりました、どうぞこちらへ」


 ヒョウとは似つかない白髪の大男が俺らを迎い入れるのだった。


「私は雪人族の長、ゴウセツといいます。ヒョウが教えてくれましたよ、あなた様がこの村を救ってくれたと」


 こうして、図らずも俺らは雪人ゆきびと族からの盛大な歓迎を受ける事になるのだった。




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