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おっさんテイマーは、はばからない!〜ソロテイマーだったのに、気が付いたら最強組織を作ってました〜  作者: 琥宮 千孝(くみや ちたか)
第二章 (ランクアップ編)

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ウィンクルム始動!攻略【旧王都の廃墟】(3)

クエストを完了させたユート達は、一度キャンプが張ってある入り口に集合する。

 ユニオンメンバーがキャンプに集合した。


 今は、せっせとドーラが夕食の準備を整えている。


 集まったメンバー達は、流石に疲れたのかぐったりと座り込み各自で水分補給等をしている。


 俺は、受けたクエスト内容が達成状態なのを確認し、次の目的地を地図で眺めていた。

 次の目的地は当然に【旧王城】だ。

 【旧王城】は中に入れば、Sランクの敵がウヨウヨいる化け物の巣窟だ。


 だが、今の俺なら問題無く行けると思う。

 それにランク上げるにしても、それくらいの敵が相手じゃないと上がらないのだ。


 俺の最高スキルは当然『動物調教アニマルテイミング』…では無く、『動物知識アニマルロア』だ。

 どちらもスキルを使うと上がっていくが、『動物調教アニマルテイミング』が成功しないと上がらないのと違い、『動物知識アニマルロアは使うだけで上がっていく。

 もちろん必ず上がるわけではないが、上がる頻度がかなり違う。


 他の派生スキルを使っても上がるので、最初の頃から比べればかなりどちらもかなり上がりやすくなっている。

 例えば〈アニマブースト〉を使った場合は、自分と同格もしくは格上と戦わないとスキル上昇の判定が入らない…というのがLBOでは常識だったが、この世界でも同じようだった。


 なので、今回スキル上げしたいメンバーを全員戦わせているのだ。

 当然、ペット達もその制限を受けている。

 その為に、難易度が高い王城に連れて行かないといけないのだ。


 全員が一息ついた後に、夕食を食べてお腹を満たした。

 ついでに、全員に疲労回復スキルを発動する。


神聖術セイクリッド発動!〈祝光〉!!」


 きらきらと神聖な光が全員を包む。

 疲労を濃く出していたメンバーも、一気に顔色が良くなった。


「ユートさんてさ、ヒーラーやった方がいいんじゃない?」

 と回復職のアイナに言われてしまった。


 目的のために取ったとはいえ、効果は誰でも一緒なので言っている意味もわかる。

 まして、蘇生術リザレクションなんて持ってるので、教会で働いたほうが儲かる気もする。

 しかし、自分も根っからの冒険家なので、じっと同じ場所に居るだなんて耐えられそうに無かった。


「時と場合によるな。これからもっと回復職の2人が育ってくれれば、必要もなくなるだろ?」

 とニヤリとしながら、アイナを見て言った。

 

「うっ、精進します。」

 アイナは苦い顔をしてそう答えるのだった。


 アイナもザインも聖職者なので神聖術セイクリッドは持っている筈だ。

 なら、この〈祝光〉は覚えるくらいまでは上げておいて貰おう。

 まあMPが結構消費するから、MP回復効果のアーティファクトを持っている俺のようにポンポン使ったりは出来ないだろう。

 ただし、休憩時や普段の時にも使えるので覚えて損はない。

 というか、聖職者なのだから上げてないと職業何?って聞きたくなる。


「ちなみに今、『神聖術セイクリッド』の熟練度どのくらい?」

「私は…85ですね。」

「俺は…90ちょいですね。」

 アイナとザインが答えた。


 思った以上に低い。

 てか、何のスキルでランク上げたんだ?


「思った以上に低くないか?最高スキルは何だ?」

「私は、『治療術ヒーリング』です。ここまでの戦闘で120MAXになりました。」

「俺も、『治療術ヒーリング』ですね。今115くらいです。次が戦鎚術ハンマーアーツで110ですね。」


 なるほどな。

 『治療術ヒーリング』であれば、アイテム使う事でMP消費なしで回復することが出来る。

 そのアイテムは定番の”ポーション”と、”ヒーリングバンド”と言われるものだ。


 ”ヒーリングバンド”は、通称”包帯”と言われいるもので、見た目は殆ど包帯だが魔力の糸で作られていて、巻くとすうっと消えて巻いた部分の傷が癒える。

 更にHPも少量回復するアイテムだ。


 これはペット治療にも使えるのでテイマーの俺も持っている。

 お金が無い時よく使っていたが、HPが回復量がペットポーションの方が高いので、今はほとんどポーションしか使っていない。

 スキル上げの時は”包帯”で上げたりしているが。


 ”包帯”はペットポーションから比べると1/20くらいと低コストで、スキルが高ければ高いほど効果が上がる。

 ケガしてないと効果は無いが、ヒール魔法も併用するのが普通なので特に問題ないのだ。

 更に嵩張らないので、治療師の必需品とも言えるアイテムだ。


 因みに、『治療術ヒーリング』を持っていると、通常魔法の”ヒール”系の効果が人間(亜人種含む)の回復時に上昇する。

 反対に、ペット達の回復は上昇しない。

 そのため俺は、獣医学バラナリーを持っているのだ。このスキルはペットの回復行為すべてが対象になるので、ポーションだろうが通常魔法だろうが精霊魔法だろうが、すべて効果が上昇する。


 というわけで、餅は餅屋に任せるのが一番。


「じゃあ、『神聖術セイクリッド』をもっと上げた方がいいな。専門職の割に低すぎる。最低110までは上げておいてくれ。」

「「わかりました!」」

 

 この世界で妥協することは、イコール死を意味する。

 俺の蘇生術リザレクションも万能でないし、蘇生失敗する度に全スキルが下がるのでポンポン死なれても困る。


 そもそも、死なれること自体は嫌だしね。


「ん?アイナは『治療術ヒーリング』がカンストしたのか…、じゃあSなれるな…。」

「私がSランク!?」

「驚くことはないだろ?LBOの時と同じく条件クリアすればなる事が出来る。カイトも『剣術ソードマン』がカンストしたから、二人とも帰ったらクエスト受けに行こうか。」

「俺もついにSランク!」

 アイナが困惑するのを余所に、カイトが歓喜の声を上げる。


「まぁ、クエストクリアしないと駄目だからな。受けたら計画を練ろう。」

「そ、そうですね。俺の場合はSランクモンスターをソロ討伐ですよね。」

「ああ、テイマーの俺でも出来たんだ。しっかりサポートするから心配するな。」


 カイトはランクアップクエストの難易度を思い出したようで、上がりかかっていたテンションが下がっていく。

 まぁどっちにしろ、帰ってからの話だ。


 アイナは、戦闘職ではないので討伐では無いはずだ。

 実は俺も回復職のクエスト内容を聞いたことないので、どんなものかちょっと楽しみだったりする。


「さてと、今日の目的の一つであるここのボス攻略に行くぞ!」

「えええっ!?」


 気持ちを切り替えさせるため、本日の本当の目的を全員に告げた。

 しかし本当に行くと思っていなかったのか、ミラが驚いていた。


 攻略成功すれば報酬がある事は、成り行きだったが地獄の塔で確認済みだ。

 それならば、ユニオンの箔をつけるためにも攻略はするべきだと思う。

 

 相手はこの街の中心にある王城の5階にいる【ロードオブアビス】という悪魔だ。

 当然SSランクの悪魔である。


 エルダーデーモンよりも更に巨大で、かつ魔獣のような顔をした凶悪なボスモンスターで、魔法も直接攻撃もかなり強力だ。

 正直、偽の熾天使セラフのミカエルよりも強いと思う。


 過去にイベントに参加して一度だけ挑んだことがあるが、その際は()()()()()()()のパーティーだったため、正直かなり楽勝だった。

 俺自身も、ニケを壁にして戦っていたためにほとんどダメージも喰らわない代わりに、自分自身の攻撃も届かなかった。


 あの時よりも、自身のスキルもステータスも、そしてニケ達もかなり育っているので問題なく戦えると思っている。


「じゃあ、ボス参加メンバーを発表するぞ。参加者は…」


 ボス戦は俺とカイトのチーム全員、ニケとカルマと、ピューイだ。

 ルベルをリンに預けて、ピューイと乗り換えてもらう。


 Bランクメンバーでは一撃で吹き飛ぶ可能性が高いので、今回は道中までの参加と説明をした。

 外の戦闘指揮と、素材回収をガントに頼んだ。

 すっかり板に付いてきたようで、任せろっと言っていた。

 鍛冶屋の指揮官か…、なんかの物語の題材になりそうだな…。


「くそー、悔しいけど次回までお預けだね。ユートさん帰ってランク上がったらすぐスキル上げとステータス上げするから手伝ってよね!」

 とシュウが頼んできたので、勿論手伝うよと返答した。


 シュウはここに来てかなりの成長を見せてくれた。

 あのダメージ配分は狙っていたと思われるし、さすがゲーム大好きなだけあり、()()()()分かっている。

 

「じゃあ、私はパパ達が帰ってくるまで外でスキル上げするね。」

「ああ、『空中戦闘術エアリアル』は特に上げておくといい。『騎乗戦闘ライドバトル』とも相性がいいから、戦略が広がるからな。」

「分かったよパパ。でも戦略とか言われても良く分からないから、色々教えてね?」

「ああ、勿論だ。ただ、俺じゃ実演は出来ないから、そこら辺はカイトに実演して貰おうと思っているよ。」

「!はい、俺に出来ることなら協力惜しまないですよ。リンちゃんも気軽に言ってくれていいからね?」


 とイケメンスマイルでカイトも言ってくれた。

 笑顔でありがとうお兄ちゃんと言われて、カイトは轟沈していた。

 あの笑顔は、破壊力抜群だな。


「じゃ、準備出来次第に出発するぞ!各自最終確認してくれ。」

 そう言うと、全員装備やアイテムストレージを確認してから立ち上がった。


 俺は、予め()()()バフを掛けてから先頭に立って進む。

 決戦は旧王城なので、そこまでは余計な手間を掛けたくなかった。

 先頭の俺とニケとカルマが、新スキルの『闘気法』と『練気術オーラ』で敵をボコボコにしていく。


 "デーモン"すら瞬殺していく様子を見て、若干引いていた。

 殿に、カイト達を置いているので後方にも被害はなく目的地まで到着した。


「こんなに早いものなのか?!」

「ダン、ランクというのはそれだけの差が生まれるのだ。気にしてもしょうがないぞ。」

「ザイン…そうだな。自分が力をつけて追いつければいいだけよな!」

 二人はそう言いながらも、キッチリと横から来る雑魚を処理していた。


 ここで予定通りに二手に分かれた。

 ボス討伐チームが城の中に入っていくと同時に、城門前を残存チームで固めた。


「よし!全員気を引き締めろ!!ユート達が帰ってくるまでここが俺らの戦場だ!気を抜いて大怪我とかすんなよ!」


 ガントの号令と共にザザっと展開した。

 うん、あっちは大丈夫そうだ。

 頼んだぞ、ガント!


 ガント達に任せて俺らも中に入っていった。


 

 中は正に化け物の巣窟と化していた。

 デーモンが雑魚としてそこら辺をウロウロしてて、それを顎で使うかのごとく指揮している"アークデーモン"が複数いた。

 

 "アークデーモン"は、"エルダーデーモン"よりも肉弾戦に強い悪魔で、魔法の脅威はそれ程じゃないが『武技アーツ』によって強化した肉体でボコボコにしてくるのが特徴だ。


 スピードもあるし、油断は出来ない相手だ。

 いつもの通り、〈生物鑑定〉してみる。 


 上位悪魔アークデーモン ランクS 種族:上位悪魔 HP:4000/4000


 中々タフな感じだな。

 雑魚はカイト達に任せて、俺とペット達はアークデーモンを狙い定めた。


 既に全バフは掛けた状態なので、戦闘準備完了だ。

 さて攻撃を仕掛けようとしたら。


「貴様ら下っ端が我らの邪魔をするとは、身の程を知るがいい!!」

 とカルマが言ったと思うと、重力魔法"グラビディホール"を発現させて、目の前の悪魔達を吸い寄せた。


 グオオオオオオ!!?と悪魔達が焦るも時既に遅し。

 さらに上空へ駆けていき、そこから更に魔法を撃ち込んでいく。


「そのまま、潰れろ!そして主に平伏せ!!」

 その言葉と同時に、"アンチグラビティフィールド"と"ダークネスバースト"を撃ち込んでいく。


 圧倒的な攻撃により、相手は地面に這いつくばる状態になっていた。

 この時点でデーモン達は塵になって消えた。

 その中心から魂のようなものが溢れてカルマに吸い込まれていった。

 スキル〈吸魂〉が発動し、カルマの魔力が回復した。

 だがそこで終わりではない。

 

「ふん、まだ耐えるか。これに耐えたら我が眷属にしてやろう。〈ホラーナイト〉!」


 アークデーモン達の周りに恐ろしい形相の影がグルグル回りつつ、鋭い牙で喰らいついていく。


「ほぅ、耐えたか…。ならば合格だ!」


 なんとか起き上がろうとするアークデーモンに、止めとばかりにカルマが急降下して闘気を込めた前脚で踏み抜いた。


 グオオオオオオ!と断末魔をあげて塵になり、カルマに吸収されていった。


「凄い!圧倒的ですね。」


 カルマの一方的な攻撃による勝利に驚くカイト達。

 しかし、それだけでは終わらなかった。


「〈眷属召喚〉”アークデーモン”!」

 なんとカルマが今倒したばかりのアークデーモンを召喚した。


『ご命令を。』

「我らの前に立ち、歯向かうものを屠れ。」

『承知しました。』


 召喚された”アークデーモン”は、ユート達の前に立ち他のデーモン達を倒していく。


「こりゃあ、楽でいいな。どのくらい召喚しとけるんだ?」

「はい、倒した魂を与え続ければ、ここにいる間は大丈夫でしょう。」


 なるほど。

 カルマが吸収した魂を与え続ければ半永久に召喚したままに出来るわけだ。

 HPは元の”アークデーモン”よりも遥かに低いが、”デーモン”達は問題なく倒してくれそうだ。


「このまま一気に階を上がるぞ。カイト達も遅れるなよ?」

「「「はい!」」」


 1階にはそれ以外には出なかったので、そのまま近くの階段を上がっていく。

 途中に”デーモン”が数匹出てきたが、召喚された”アークデーモン”に瞬殺されていた。

 さすが武闘派デーモン、殴るだけでどんどん倒していく。


 2階に上がり、大きなフロアに出た。

 そこにもやはり、”アークデーモン”と”デーモン”がいる。

 流石にアークデーモン同士だと召喚した方が分が悪いので、カルマが相手をする。

 武闘派のアークデーモン相手に、魔法を使わずに闘気を纏った攻撃だけで相手を圧倒していた。


「ふむ、いいサンドバックだ。これならスキルの練習に丁度いいな。」

『カルマ、もう一匹は私にやらせなさい。私も丁度いい相手が欲しいと思っていたのです。』

 とカルマのみならず、ニケまで参戦し闘気だけのラッシュで”アークデーモン”を圧倒していた。


「よし、召喚悪魔だけに頼ってないで俺らも戦うぞ。スキル上げにいいのは間違いないからな。」

「了解です!さあ、俺らも行くぞ!」


 カイトは低空飛行をしたまま、デーモンに一騎打ちを挑んだ。

 グランは飛行に集中し、回避をうまくやっていた。


「おおおお!〈一閃〉!」

 剣技スキルを放ち、悪魔を一体、また一体と確実に仕留めていく。


「負けられないな。〈チャージ〉!」

「沈みなさい!〈スカルブレイク〉!」


 ダンとザインもカイトに負けじとスキルを使いつつ、相手を倒していった。


「よーし、私もユートさんにいいトコ見せないとなのです!”アイスクラッシュ”!!」

 ミラもMP効率のいい中級魔法でデーモン達をどんどん攻撃していく。

 怯んだ相手をカイトやダン達が透かさず止めを刺すという連携で難なく倒していった。


「いきます、…神聖魔法”アークレイ”!!」

 アイナが唱えると、聖なる光がデーモンの体を貫き、止めをさした。


「うん、順調だな。ピューイお前も今のうちに訓練しておこうな。」

 そういうとピューイと鳴いて応えた。

 少し前よりも大きいけど、可愛いやつだな。


 ピューイはウインドドラゴンなので、風系魔法とスキルが得意だ。

 風の大精霊でもあるニケの方が威力も精度も使える種類も多いので、霞んでしまうのだが歴としたドラゴンなのでかなり威力が強い。


 そのピューイがウインドブレスを吐き出した。

 広範囲に吐き出されたブレスは、風で相手を吹き飛ばすだけではなく、鋭い風の刃で相手を切り刻んでいった。

 弱った悪魔達に、俺が()()()()()()()弓矢を撃ち出した。

 一本一本がその額を射抜いて、相手は塵となって消滅した。


 それぞれが戦いに集中して倒していったので、すぐに階段まで到着した。

 王城の中は、広いと言ってもダンジョンのフロアほどは広くないので、基本目の前の敵だけ倒せば進めるのだが、ニケとカルマが奥迄いって上位悪魔を討伐しにいくため、結局はフロア内の敵を殲滅することになった。


 3階に上がると見た感じ、敵の数が減った。

 数にして…ひい、ふう、み、よ、いつ…うん5体だね。

 その5体全部が”アークデーモン”だった。

 これは、一気に難易度あがったなぁ。

 うん、これはいい機会だな。


「ニケ、カルマは1体づつ。俺とピューイで1体、カイトも1体。ダン、ザイン、アイナ、ミラで1体な。」


 そう言うと、すぐに行動に移った。

 4人の方は、ええええ~!と言ってたが、覚悟決めて来てるはずなので文句は言わせない。

 召喚悪魔の方は、待機ということにしていた。


 俺は弓矢を構えて神秘術ミスティックで聖と爆を付与して3本の矢を解き放った。

 ヒュンヒュンヒュン!!!と飛んでいくと、うち2本が命中して爆発。

 1本は足元に落ちて悪魔をノックバックさせた。

 その隙を見逃さずに、懐に飛びこんで双剣による〈錬気斬オーラスラッシュ〉で相手に大ダメージを与えることに成功した。

 怯んだ悪魔に追い打ちを掛けるように、ピューイが”トルネード”を撃った。

 巻き込まれた悪魔はどんどんHPを削られていった。


 ピューイが攻撃をしている間に、距離を取った俺は透かさず弓矢を構えて撃った。


「〈錬気撃オーラショット〉!!」


 神秘術で光と雷を付与した後に撃ち出した弓矢は、光速で飛んでいきアークデーモンの頭を貫通した。

 悪魔は断末魔を上げることなく、その場に倒れて塵となって消えていったのだった。



 ────数分前

 カイトも、アークデーモンと対峙していた。

 相手の攻撃は、当たれば即死するかもしれないほど強力だ。

 またちょっとやそっとじゃ倒れないほどタフな体を持ち、中級魔法がメインとは言え魔法もバンバン飛んでくる。


 そんな中を、相棒のグランと一緒に紙一重で回避しつつ何度も何度も攻撃していた。

 ”エルダーデーモン”の時は、ユートに支援されていたのもあり、今よりも楽な気がしていたが気のせいではなかったようだ。

 〈天啓〉によるバフは受けているので、条件はさほど変わらないはずだが、ソロで戦うとこんなにも大変なのかと思い知らされた。


「うりゃあ!剣技〈七星〉!!」

 スキルを発動し、輝く光が悪魔を降り注いでいく。

 追ってくるかのようにさらに剣閃が煌めいて切り裂いていった。


 ガアアアアアアアアアアアアア!!グルアアアアアアア!

 と怒りを込めて反撃してきた。

 剛腕がブウンッっと飛んできてくるも、うまく回避する。

 グランに上昇させて、距離を取ってから反撃する。


「剣技〈炎月〉!」

 炎を纏った剣閃を遠くから飛ばし命中させた。

 

 お返しとばかりに、悪魔が”業炎のブレス”をまき散らした。


「あちちっ、このおおおお!」

 グランごと焼かれて多少のダメージを食らうが、まだ大したことは無いと更に追撃する。


 旋回して、急降下させて翼を一閃し、通り抜けざまに脇腹にもう一撃喰らわせた。

 ザンッ、ズシャアッと切り裂いてダメージを与えるも、決定打には至らない。


「これならどうだ?剣技〈光輪〉!」

 光の輪が剣から次々と出されていく。


 ガガガガガッっと悪魔を光の輪が削っていった。

 怯んでいるように見えたが、今度は右手で魔法”ダークボール”を数発撃ってきた。

 さすが上位悪魔だけあって、その速度はかなりもので1発喰らってしまう。


「ぐっう。いい加減落ちろっ!」

 とここでグランから飛び降り、悪魔の頭に剣を突き刺した。

 そのまま下に剣を降ろし、縦一閃に切り裂いた。


 そこでついに、カイトはソロでアークデーモンを倒すことが出来たのだった。

 

「はぁはぁ、やったぞ!さすがSランクだな。しかしたった1体でかなりしんどいな。皆はどうだろう?終わったかな。」


 カイトは周りを見て、他のメンバーが倒せたか確認をする。

 丁度ミラが上位魔法”フレア”を命中させて倒し終わっているところだった。

 

 ────少し遡り

 4人とアークデーモンの戦闘も激戦だった。


 ダンが壁となり、直撃は避けて槍でいなしつつ隙を見て攻撃をしていた。

 アイナは回復をメインにしつつ、神聖術≪セイクリッド≫を駆使して聖属性魔法”アークレイ”で攻撃にも参加していた。


 ザインも回復するが、ダンを壁にしてメイスでの攻撃に加えて、同じく聖属性魔法”アークレイ”でHPを削っていた。

 ミラは、少し離れた位置からバンバン魔法を撃っている。


 一撃でも喰らえば致命傷になる事は明白なので、全員必死だった。

 ダンには、防御を上げる魔法を掛けているが、掠っただけでもゴリゴリとHPが減るので本人も周りも気が気でない状態だった。


「うおおお!槍技〈チャージ〉!」

「ふんぬ!棍技〈グランドスイング〉!」

 二人が何度目かのスキルによる攻撃を与える。


「巻き込まれないでね!…アークレイ!!」

「私も合わせるのです!…フレア!!」

 さらに、アイナとミラも追い打ちの高位魔法を撃った。


 グガガアアアアア!!

 と唯一断末魔を上げさせてやっと倒したのだった。

 

「「「やったぁっ!!」」」


 塵になったアークデーモンを見て、4人とも歓喜の声を上げた。



 ───これでこのフロアのアークデーモンは、全て倒した。


 …ちなみに、ニケとカルマは、例のごとくボコボコ殴り倒して瞬殺していたのは言うまでもない。



 4階にはエルダーデーモンと、アークデーモンがいた。

 3階よりも数が多かったので、だいぶ時間が掛かったが、ニケとカルマの強力なスキルで半分を一掃し、残りを俺とカイト達で倒した。


 このタイミングで、全員が得意スキルのカンストした事を確認した。

 やはり敵が強いと上がりが早い事を確認できたことはかなりの収獲だ。


 素材も結構高値で売れるし、()()()()()()()狩りが出来れば、いい収入源になりそうだな。


 

 ───ついにボス部屋に辿り着いた。


 ここは、5階の中央にある王の間。

 全員の回復を終えて、水分補給をした。

 中にはボスが待ち構えている。


 相手は悪魔系のモンスターの中では最強の一角である"デーモンロード"種の【ロードオブアビス】だ。

 SSランクのしかもステータスもほぼ最高値である。

 物理だろうが魔法だろうがダメージを半減する能力を持つ凶悪な敵である。


 ギギギ………


 扉を開ける。


 そして…そこには()()が待っていた。


「ふふふ、やーっときたー!」

「待ちくたびれて、眠くなってきたよぉ…」


 そこに待っていたのは、【ロードオブアビス】…ではなく、可愛らしい二人の女の子達だった。


いつも見てくださっている方、有難うございます!


また、ブックマークしていただいている方、評価していただいている方、とても励みになっています。


本当に有難うございます。


今回は、大幅に更新が遅れることになり大変申し訳ありませんでした。

次回はもっと頑張ります!!


さて、次回は謎の二人組が登場となります。

どこで出そうか悩んでいましたが、ここで出す事に決めました。


彼女達は、味方なのか敵なのか!?

お楽しみにお待ち下さい。



次回更新は、10/26 25:00頃までの予定です。


次回もよろしくお願いします!

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