38話 商人との遭遇、3連続こんなこともある
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今日もゴブリン狩りを行いました。……結果は65体。前回よりも増えた。時間で増えたのか、場所で増えたのか解らんなあ。まあ、冒険が出来ればよし。
まだ森の中なので、遭遇戦ワンチャンあるかなーっと思っていたら森の出口です。街道沿いはそんなにゴブリンも見ないだろう。……ん?
「そこにいる奴、出てこい!」
あー。人がいるのか。はいはい。私は盗賊ではありませんよ。一応武器を倉庫に仕舞って両手をあげて出ていきましょう。これが正しいのかは知らん。けどまあ、武器を構えて行くのが正解じゃないだろう。
「お前、そこで何をしていた!」
「冒険者です。ゴブリン狩りをしてました」
「……武器はどうした?」
「収納系統のスキルに仕舞ってあります。もう帰る予定だったので」
「……どうします?」
「どうするって、先を歩かせるしか無いだろう? 後に置くのは怖いし、盗賊の先兵の可能性もある。ここは前を歩かせるのが上策だろう」
「そう言う訳だ。お前は馬車の前を走れ。着かず離れずだ。解ったな?」
「それに不服はありませんが、魔物と戦闘になった場合はどうしますか?」
「お前は戦わず駆け抜けろ。戦闘はするな。武器も持つんじゃないぞ」
「解りました。逃げに徹します」
そんな訳で、商人さんの前を着かず離れず走る羽目に。……歩くよりも微妙に速くて、走るよりも遅いんだもん。微妙な調整が必要なんだけど。
まあ、慣れるしかあるまい。信用第一冒険者。危険があるわけでも無いし。俺は盗賊では無いからな。……盗賊とエンカウントしたらどうするのが正解だろうか。逃げるのは間違いだよな。流石に。
かといって、信用ならん第3勢力がいてもなあって感じだよな。出会わないのが一番いいんだけどさ。こういう時に限ってエンカウントするもんじゃんね。主人公ならと括弧書きがつきますが。
まあ、俺は主人公属性持ってますし、転生者ですし、強職業ですし、エンカウント大歓迎なんですがね。盗賊さんの持っているスキルも貰えるわけですし、どんとこいですよ。……ここまでフラグを乱立させたら折れるだろう。
しっかし、ちゃんとした馬車なんだよなあ。幌馬車じゃない。荷物の上に布は掛けてあるが、幌馬車は警戒しろと言われたが、普通の馬車はどうしたらいいんだろうね?
都市までの距離的に30分は走らないといけない訳ですが、どうするんだろうなあ。体力は持つけど、休憩は入れたりするんだろうか。……聞くのは不味いよなあ。下手に警戒させるなとも言われているし。
向こうは冒険者かハンターかが6人組ですし、どうするんだろうなあ。盗賊とエンカウントしたら本当にどうしよう。俺は戦って倒したいんだが。スキルが欲しいし。
「前の奴! 止まれ! おい、お前ら何もんだ!」
「俺たちは冒険者だ。――――――」
ああ、同業者をまた捕まえたんですか。……いや、第4勢力が出来たのか。俺も判断が難しくなったぞ。どうするよ。とりあえず、間を詰めるのは間違いだろう。様子を見て居よう。
……俺の時はサクッと決まったのに何してんだろう。かれこれ10分くらい足止めしてるぞ? 不味いんじゃ無いかなあ。本物の賊なんじゃ無いかな。冒険者らしき人種は3人組だな。
ハーフリングと獣人2人だな。揉めるのは良くないよ。平和的に行こうよ。一応周囲の索敵は行っています。感知系統や索敵系統のスキルを使いつつね。スキルレベルは低いけど。
決まったようですね。こっちに歩いてきます。声を掛けた方がいいんだろうか。どうするのが正解だ?
「よう、同業者さんよ。お前さんもつかまってた所為で散々だったぞ」
「こっちに非を向けられても困りますがね。間が悪かったんでしょう」
「違いない。俺たちはお前の前を走るように言われたからな。後からバッサリはごめんだぜ?」
「善良な冒険者ですので、問題ないですよ。そちらこそ、これで足止めは完了ですか?」
「はっ言いよる。さっさと行こうぜ」
「よろしくな! 先に走るぜ」
「よろー。先に行くよ」
……さて、先行者が増えたんですが、これはどう判断したらいいんだ? どのくらいの距離を詰めるのが正解だ? 解らん。誰か解答をお願いします。
「お前ら! ペースが速い! 少し落とせ!」
後から指示が飛ぶ。復唱した方がいい感じですか?
「速度落としてくださーい」
「聞こえてるよ!」
ペースが落ちる。……これ、商人ごとにペースが違う感じか? マジで? 面倒なんだけど。また暫く走っていればいいか。
「おい、お前ら止まれ! そこにいる奴、何もんだ!」
はい。第5勢力の登場です。……めんどくせえ。先に帰っちゃ駄目なのか? 日が暮れるんだけど。早く帰りたいなあ。
「おう、今日の商人は良く釣り上げるな。これで3組目だ」
「見事な釣り士だな」
「めんどくさーい」
「……一応、パーティーは違う訳ですが、話していてもいいんですか?」
「情報収集は基本だぞ。何かをポロリとすることもあるんだからな」
「成る程、互いに信用ならん同士、友好を深めようと。そう言う訳ですか」
「そう言うこったな。もしこのまま帰れても互いを信用するなよ? おとりが冒険者に紛れているなんて事もあり得るからな」
「それはそうでしょうね。盗賊が冒険者に成れないなら違いますが、成れてしまいますからね」
「そう言うこったな。信用できるのはパーティーだけだ。……長く組んでいると注釈が付くがな」
「俺たちは5年の付き合いだからな」
「割と長いんですよー」
「こっちはソロですね。パーティーが性に合わなくて」
「そう言う奴もいるんだよなあ。まあ、効率どうこうじゃ無いんだよな」
「ですねー。こればっかりは仕方ないんですよ。……ところで、武器の手入れなんてやってます?」
「手入れか。まあ適度にはな。冒険者してると血糊で武器が使えなくなるからな。拭いたり砥ぎ直したりはしてるさ」
「俺は自前の爪を使うからな。体洗うのと一緒だ。獣人だからよ。そういう職業にも就いてるしな」
「同じくー。爪と牙、この2つがメイン。でも牙は普通は使わない」
「あー、ゴブリンを噛みたくない訳ですか」
「俺は噛むのは性に合わねえ」
「生肉を噛むとお腹壊す。職業はその辺の融通が利かない」
「お腹を壊さない耐性を貰わなかったんですか?」
「そんな選択肢無かったな」
「自由枠は他に使った。こんなことになるなんて思わなかった」
「迷宮の魔物はどうなんですか?」
「さあ、知らねえな」
「あっちのはお腹壊さない。だから噛み主体の獣人は探索者やってる」
「ハーフリングにはそんな職業出ないですよね?」
「あ? 知らねえな。出てないからな。研究者でも無いし。エルフには出たのか?」
「いえ、出てないですね。……お? 今度は早いとこ纏まったようですね」
「そのようだな。順当に行けば俺らの前だろ」
「3組目だから早いー」
「……成る程、2組目が一番時間がかかると」
「そうだろうなあ。2組目をどうするのかを決めたら3組目からは一緒の対応すればいいわけだからな」
歩いてこっちに来たな。4人パーティーですか。
「俺たちが一番前だ。他は付いてきな」
「この馬車は他よりも遅いぞ。その辺気を付けろ」
「あ? マジかよ。遅えのか。面倒くせえなあ」
頭を掻きながら前に出ていった。……第5勢力はどうだろう。問題ないといいけどな。しかし、列になって走るのは面白いな。笑えて来るな。一応警戒せにゃならんのですが。
しかもちらっと情報を拾えましたね。この馬車は遅いのか。成る程な。……まあ、この時間に走っているところを考えるとさもありなん。速いのはもっと先に着いてるか。
その後は何事もなく、無事に門まで着いた。……護衛依頼が来れば報酬が発生したのかもしれないが、発生しなかったからな。今回の商人に付いた冒険者かハンターの人が戦うなと言ったもんな。
報酬が減るからとかの理由なのかな? なんでなんだろう。緊急護衛依頼が来ると思っていたんだけどなあ。まあ、無事に帰れたのでいいけどね。
さっさと精算して帰りましょうね。明日も頑張らないとな。……その前に手入れがあったか。今回も血糊がたっぷりだからな。面倒だなあ。でもやらない訳にはいかんしな。はあ。




