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プロローグ
新暦(統一暦)3年3月19日オレは死んだ。
「閣下!」「バクセン将軍!」「伯爵様!」兵士達が意識の無い男を庇うように戦いながら男に呼びかけている。
この意識の無い男こそがオレ、"ファーズ・バクセン"だ。
戦闘は終わった。我が軍の勝利だ。圧倒的な戦力の前に蜂起した民兵が勝てるはずが無いのだ。
この戦いでの我が軍の損害は戦死6戦傷523。反魔王派は約1000の遺棄死体を残して逃亡。圧勝だ。
傷を負った者は大抵の傷ならポーションでなんとかなるものだ。
しかし、死者は蘇らない。
死者6名は2度と立ち上がることは無い。
そのうちの1人はオレだ。
領内第1の都市である城塞都市パイントゥルへ運ばれたオレは領民に見送られ、最後は城館内の墓地へと埋葬された。
「魔本国バクセン伯爵領ディスザッツ大地にて反魔王派との武力衝突にて戦死」
「魔本統一に対し残した功績は大なるものであった」
墓碑にはそう記された。
死後に陞爵され、バクセン家は侯爵となった。




