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最終話 ヘクセ・ヤクト・スノーホワイト

最終話になります。

 ――3月某日、関東圏、某国際空港にて。


 「んぁ~いよいよ出発かぁ!なんか寂しいよねぇ~佐行(サユキ)ィ~!」


 「そうだな……バーベナ。何だかんだでお前、結構日本国住まいだったもんな!逆に合衆国(ステイツ)の思い出……って、スマン!嫌な事を思い出させちまうか……」


 「いやいいよ、私その頃(・・・)の記憶がさぁ全く無いんだよね。不思議な位に!」


 【女児集団殺人事件】今から8年前の大事件。


  南米のとある空港で起きたテロ事件として当時の世界をメディアを騒がせた。魔女(ヘクセ)の再来とも一部では呼ばれ囃し立てられたが、世界政府の手により以降、語ることすら禁じる(タブー)とする事態になり終息をした。


 無いよう足るや悲惨きわまりなく、現場に居合わせた者に"生者(せいじゃ)"は居ない。

 否、実行犯とされる十代前半の少女五人を残して。


 その中に私は、"バーベナ・ジギタリス"は居たらしい……とまぁ聞いた話だけれども。


 それに私は日本国に来る以前の記憶が無い。気が付いたら今みたいに魔女を狩りながら課長や佐行達と共に日々を送っていた。


 「そろそろあの二人も来る頃だろうな。まさか隊長……いや吾妻(アガツマ)さん(・・)が俺達の仲間になるなんて信じられないけどなぁ」


 「そうだね。でも奥さん……鈴鹿さんの事が……」


 「あぁ~ん?鈴鹿が何だってぇんだよぉ!バーベナちゃぁぁん?まぁさぁかぁアイツに寝返ろうとか、考えてんじゃねぇよなぁぁオイッ!」


 両手をポケットに突っ込みながら私にメンチ(・・・)を切りながら喧嘩を売り付けてきたのは、元、ライバル?組織的な魔女専門の【元・捕獲部隊隊長】の吾妻 当麻(アガツマ トウマ)


 短い期間だけど私達が日本国を出国するまで私に戦闘のいろは、即ち規則を叩き込んだ先生でも在る。


 認めたくは無いけど……。


 「んもぉ!また奥さん(・・・)の事となると直ぐにムキになるんだから隊長(・・)はっ!」


 私は冗談混じりにからかう。数ヶ月前なら考えられないやり取り、そして関係。運命とは人生とは分からないモンだ。


 「テェメェ!プライベートな事は止めろってさぁんざん、言ったじゃねぇかよかぉ!ったく!成長しねぇ生徒(・・)だなぁぁぁオイッオイッ!」


 ニヤケながら悪態をつく隊長に私は微笑んだ(・・・・)



 「おはよっ!バーベナちゃん!今日もラブラブかい?いいねぇ~早く孫の顔(・・・)が見たいねぇっ!」


 そう言って現れたのは課長の義理の娘事、檜扇(ひおうぎ)コノハちゃん。私より少し年下のカッコ可愛い女の子。どんな経緯で親子になったのかは二人は絶対に語らない。


 まぁ人それぞれ、知らなくて良いことは世界中に溢れているのだから……。


 そんな彼女は今日も金髪のサイドポニーが似合って可愛らしい。私達の出会いは微妙だったけど、直ぐにお互いに打ち解けて、今は凄い仲良しだ。


 「おはようコノハちゃん!今日も可愛いね!」


 「バーベナちゃんだってぇ!その春物の薄手のコート可愛いじゃん!」


 今、この場には"ペイン"の姿は無い。隊長の奥さん事、"鈴鹿御前"との戦闘により重症を負い、一時期入院をしていた。


 でもその間に誰独りとして、会える者等居なかった。その後は、忽然として行方を姿を眩ませた。



 【極秘 人体錬成試験 被験体 第佰捌號(ヒャクハチゴウ)


 【胡蝶辺(コチョウベ)(ラン)



 隊長から唯一、教えて貰えたペインの素性。


 ただそれだけだった。それでも私は嬉しかった。ペイン自身、全く自分の事を語らない。何時も聞き手か、ちょっかいを出してくる、そんな年上の何を教えても成長しないダメな可愛いお姉さんだった。


 (私が生きて居れば何れまた何処かで……また笑って会えるよね)



 「オイッ!なぁんかぁ雪が降って来てないかぁ?」


 「本当だ。俺、薄着だぞ……ってまぁ室内だしいざとなれば特異特質(マイノリティ)で上着取り出せば良いしな!」


 「ふぁっ!本当ぉオメェの能力は便利だよなぁ~それだけで金持ちになれそなっ――――」




 ズガガガッ!ドゴゴォォォン!



 ドンッ!ドンッ!ズガァァァァン!



 ドゴォォォォォォン!



 耳をつんざく程の爆発の様な音が空港無いに響き渡る。


 爆弾?いや違う。なんか物理的(・・・)な衝撃により、建物が破壊された様だ。

 火の手、いや土煙が爆弾の火薬の色とは全然違う事は見て取れたから。


 それに加え人々の悲鳴、逃げ惑う人のから発せらた怒号。人が人を押し合い、引き合い、我が身が一番、我先にとまさに空港内(ここは)地獄絵図。


 幸い、まだ私達の居る場所は何事も無いがその先、300メートル先は既に瓦礫の山になっていた。


 「マジかよぉい!なぁんか見たことあるなぁこんな状況を……南米のヤツかぁ」


 「――ですね。似てますね……」



 ――――ジャリッ

 


 「お姫様(・・・)みぃぃつけたぁぁぁん!」


 無邪気な少女の声が私達の前方から聞こえた。


 「ねぇねぇ、あの子が二番目(・・・)のお姉ちゃんなの?」


 「そうよ!奪われた、奪われて洗脳(・・)された私の大切な大切な"妹"よっ!」


 「……姉さん……久しぶり……」



 眼前には……髪型、色は違えど、私そっくりな顔をした四人の少女が此方を見ながら何やら話をしている。



 「はぁぁん?なんだありゃ気持ちわりぃぃなぁぁ?!バーベナが四人?はぁ?なんだありゃりゃ?」


 「マジかよ……バーベナ……が四人、五人?理解が……」


 「ウッソ!ななな何でバーベナちゃんが……!?」


 みんな口々にパニックになりながら思いを口に出す。


 しかし皆、思う事は一つ。



 『バーベナが四人居る』



 私だって正直、理解しかねる。


 あの少女達が何者かなんて知るわけがない。



 「さぁ戻って来なさい【スノー・ホワイト】!私達、お伽噺の子供達メルヒェン・キンダーズの元にっ!」


 「はぁ?わけ分からん奴らだなぁぁオイッ!バーベナ、お前アイツら魔女だと思うか?」


 「いや……分からない。分からないけど私に似てる(・・・)以上、厄介な能力(チカラ)でも持ってるんじゃないの?知らないけど……」


 「かぁ~っ!折角の門出が台無しだぁなぁ!って、佐行ぃぃ~なぁんか武器貸せ(・・)ぇ!空港だ、オラァ何もねぇんだよっ!」


 「まぁそりゃそうか。何が良いです?新しい倉庫(・・)は以前とは比べ物になりませんよ!ガトリング、対物砲、ロケットランチャー各種、チェーンガンもありますよ!後は……地対空ミサイ……」


 「バカたれっ!ミサイルなんか使えるか!どうやって俺が打つんだっての!そもそもお前はそんなデカブツ出せねぇだろぉがよぉ!」


 「冗談、冗談ですよ!取り敢えずアサルト……渡しときますね!」


 「ほい、ありがぁとさぁん!じゃぁやるか!やってやるかぁよぉっ!」


 「"ワタシ"上手に出来るかな?"私"」


 各々が呟きながら身構える。


 私も皆に続き身構え、呟いた。




 「お先にどうぞ(・・・・・・)!」


 

 

ここまで閲覧、及びお付き合い頂きありがとうございました。

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