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十四杯目 絶対零度

前回のあらすじ


森の中で紅茶を飲んだりしてたら熊さんに出会いました

エイプリルは熊くらいで、マイペースは揺るがない

夜もすがら、アリシアの警備をする静かな足音が

魔王城の廊下にコツコツと聞こえる――


ギギィーと、寝室の扉が開き

アリシアが、城内の者達の安否を確認し、次の部屋へと巡回する


▽▽▽


アリシアは、ゾーラの部屋にも確認に訪れた

『……頭の蛇に……毒無しと……毒有りが……うへへ……

臭いと……ピット器官の……ハイブリッド……』


寝言を話すゾーラにタオルケットを着せた


ビクッと、ゾーラが瞼を開き

起きると同時に無意識に石化の能力を使用


「ゾーラ様?

如何なされました?」


『あっ……アリシア大丈夫ですか?

すみません……私は時々誰かの臭いや温度を感知して起きるんです……』


「いえ、私に恐怖心を媒介にした石化は効果がございませんので

お気に病む必要はございません……」


『私……怖くないでしょうか……?』


「ゾーラ様は素敵な御方だと認識しておりますので……」


『ふえっ!?

す……素敵だなんて……そんな事無いですよ!!

アリシアの方が凄いですから……』


「いえ、ゾーラ様は魅力的ですよ

非常に感情豊かで、私にはする事の叶わない表情の出来る素敵な御方です」


『アリシアの……笑ったところも怒ったところも

見たこと無いですからね……』


「……起こしてしまい誠に申し訳ごさいませんでした

私は巡回を続けますのでよい夢を……」


アリシアが手をゾーラの顔に翳すと強烈な眠気が襲う

『待ってください……アリ……シア……

わ……たし……ト……イレに……』


ゾーラは眠った


アリシアは、ゾーラの部屋から

空間を裂き、退出した


▽▽▽


空間が割け、魔王の寝室にアリシアが出現する


「……魔王様失礼いたします」

魔王は、明日の予定を立てていた

グリーンドラゴン大国は、基本的に魔王の関係者を含め

自由に出入りが可能だが、魔王を倒す火の武器の正体は不明のままであり

シルキーズのメイド達も、魔王殺しの武器を狙っているため

旅行気分で出かけては、ゾーラやアリシアを危険に曝してしまうため

珍しくグルメ旅行以外で予定を組み夜更かししていた

「まだ、お休みになっていないのですか?」


『む……アリシアか……

我を倒す武器が炎か火の武器らしいが……

さっぱりわからん……どんな武器かも対抗手段も……』


「陰陽五行説を考え直せば答えは

おそらく、魔王様が名付けた濡れ鏡の盾ではないかと」


『成る程……つまり、濡れ鏡の盾を持てば倒される事がないのだな!?』


「今から、回収して参りましょうか?」


『待て、我も行く』


アリシアは、空間を裂き

夜の森に空間を繋げた


『ふむ……夜の森は迷いそうだな

濡れ鏡の盾はこっちだアリシア』


魔王が、ゾーラと魔王しか知らないルートを通りアリシアを案内する


「魔王様、足元にお気をつけくださいませ……」


『フハハハ!

我は虎だぞ!!

ネコ科は夜行性で夜目が利くのだ!!

フハハハ!』


魔王は高笑いをして、足下に有る木の根に足を取られ転んだ


『見るな……アリシア……』


「畏まりました、眼を潰しますので少々お時間をば……」


『待て!

止めろ!!

我が悪かった!!

自傷行為は止めるのだ!!』


「畏まりました」


『まったく……アリシアは己の身を大切にする事を覚えるべきだぞ?』


「御意に……」


暗い森を歩くと、光輝く場所が在った


『どうだアリシア

驚いたであろう?

光る苔が岩に生えていて発光するのだ

前代の魔王にもゾーラにも、我に夜は危ないから一人で出歩くなと言われて

我も実際目にするのは99年ぶりなのだ』


魔王は、基本的に子供扱いされている


「魔王様、お楽しみのところ申し訳ありませんが

あの木は?」


『ん?

ああ、トレント……もとい、エントだな

大丈夫だエントは森を荒らさぬ限り安全な樹木の巨人の番人だ』

魔王が、トレントに近付きアリシアに紹介する

だが、動く根が魔王の足下から魔王を縛り上げた


『な……しまった!!

フオルンであったか!!

アリシアよ逃げるのだ!!

フオルンはエントに酷似しているが

性格は凶暴なのだ!!

水分や養分の補給に生き物の血肉を狙う事も有る

魔獣化した樹木だ!!』


「命令違反をお許しくださいませ魔王様、私には仕えるご主人様を置き逃げ失せる様な事は致しません」


『駄目だ!!

逃げろアリシア!!

我は魔力溜まりから復活が出来る!!

案ずるな!

ん?

……そういえば……魔獣は人や魔物も含めた魔力を吸収する故に、魔族も魔力も魔神すらも復活せずに餌と成ると書物に……

アリシアよ、次の魔王はゾーラに任せる

さらばだ……』


アリシアは、魔王を捕らえているフオルンの木の根をアダマス製のナイフで切断した


『ンギョエーッ!!』

フオルンが、奇声を発して苦しむ

「魔王様、ご無事ですか?」


『ああ……我は無事だがフオルンは切ろうが再生するぞ……

あの声で仲間も呼んだようだ……』


木々が、ざわつき

移動して近付いて来る


「放火致しましょう」


『駄目だアリシア!!

燃え広がるぞ!!』


「ですが、このままでは埒が明きません

一時撤退を致しましょう

私が足止めを行えば魔王様だけなら直ぐにでも城内へ転移が行えます」


『駄目だ!!

それではアリシアが捕まってしまう!!

フオルンは獲物を取り込むまで離さん!

アリシアの再生力では永遠に囚われるぞ!!』


「それでは、このまま

鏡の盾の有るところまで道を切り開き走り

鏡を回収後すぐさま空間を裂き、退避というのはいかがでしょうか?」


『ああ!

ならば、こっちの道だ!!』

魔王が走ろうとした方向へ、アリシアは魔王を瞬時に担ぎ上げ

駆け足で移動した


『アリシア!!

前だ!!

フオルンだ!!』


アリシアは魔王の言葉が終わりきる前に

片腕の拳で、軽々と大木レベルのフオルンを無言のまま打ち砕いた


『アリシア!!

腕は大丈夫か!?』


「私は戦闘時や護衛時、回復力や身体能力全てが

通常時よりも向上します」


『なるほど、それは心強い……

アリシア!

フオルンが再生を始めたぞ!!

左だ急げ!!』


アリシアは左の上空へ飛翔した

木々を足場に、縦横無尽に移動する

地面にはフオルンの根が蠢いていた


「魔王様、体調はいかがですか?」


『酔う……

だが、見事だ……根の罠を見抜くとは……グブッ!』

「いえ、無意味な行動が功を奏しただけでございます」

『アリシアでも無意味な行動をする事が有るのだな!

我は安心したぞ!

むっ……見えたぞ、あそこだ!』


辺りが水で満たされた湖の中心に、台座が在り

上に鏡の盾と側に水上に立つ、人影が在った


『おい!!

危ないぞ!!

フオルンが押し寄せて来るぞ!!』

アリシアの上から、魔王が降り水上に立つ人影へ駆け寄る

「魔王様、いけません」

アリシアが止めに入るが、枝が足に絡み付き足止めを受け魔王が入水した

『グボァ!?

この湖!?

深い……ぞ!!

以前よりも水位がま……増して!

おるぶぁ!!

がばがば!!』


「草生えますね

大草原不可避です。」


月明かりに照らされ、赤いメイド服と冷淡そうな印象を受ける雰囲気のする

エイプリルが水上に氷を作り立って魔王を見下ろしていた


『た……助けてくれ!!』


「メディーッッック!!!」

表情一つ変えないで、大声を出すエイプリルに再浮上した魔王が言葉を続ける


『アリシアをッ!!

……助けてくれ!!』


「私はかまわないので、魔王様を最優先で救出してください」


アリシアが逆さ吊りで、無数の枝に捕らわれている状態で平然とエイプリルに言った


「だが断るです。」


『ぐぼば!?』


「エイプリルは昔から融通無碍ですね」


アリシアが枝を折り脱出を試みるが、次々と枝が絡み付き

折った枝が再び絡み付くせいもあり、抜け出せない

枝を通してアリシアの体液が吸い取られる


「私はperversityですので、私は私のやりたい事をやります。」


水中の魔王を、エイプリルは何処からか取り出した

トイレの詰まりを解消するラバーカップを魔王の頭に押し付け吸着

そのまま引き上げ、巨大なお風呂に浮かべるアヒルの玩具を出して魔王を乗せた

頭にラバーカップの着いたままの白虎の魔王がアヒルの玩具に跨がるという滑稽な光景が、そこには在った

「はい、チーズです。」


ポラロイドカメラで、エイプリルは魔王の写真を撮影してから、アリシアの方向へ

スピードスケートの様に素早く移動


「アリシア

はい、チーズです。」


エイプリルは、アリシアを撮影した


「…………」


「見てくださいアリシア

the・worldが、the・Hanged Manになってますよ

SNSにupしましょう

いいねとエロい

やドロワーズ万歳やガーターとパンツが良かったのに等のreplyがきて拡散されますね。」


「御好きにどうぞ」


「からかい甲斐の無い性格ですね、アリシアは

冷たいですが我慢してください。」


エイプリルが、フオルンの枝を宙返りで

靴の底がスケート靴の様に刃が出る仕掛けを使い切断した


「やはり、怒りますね。」

怒ったフオルン達がアリシアとエイプリルを纏めて絡め取ろうと姿を表して

枝を周囲から伸ばして囲い混む


「エイプリル

何か策はありますか?」


「無いです。」


枝が絡み付き

無数の根がアリシアの体に突き刺さり、血を吸収する

エイプリルはコサックダンスやブレイクダンス等や様々なダンスを躍りながら

伸びた蔓や枝を見事な足捌きで、切っていく


ふざけているエイプリルを止めることは出来ない

にんまりした表情を浮かべている時のエイプリルは最強だからだ

「dance partyはここですか?

It's PARTY TIMEです。」

フオルンが、激昂して

アリシアに突き刺した根も引き抜き

全ての根がエイプリルへ襲いかかる

穴だらけのアリシアの目の前でエイプリルは、自分の身体に刺さる前に

「absolute zero」

という言葉と同時に、フオルンを凍らせた


アリシアも流れる鮮血と共に凍った、周囲の運動量が停止した


『何だ!?

急に温度が下がったぞ!?』

「今ですよ、アリシア

凍ってる間に破壊してください。」


凍ったアリシアが砕け散り、辺りに分散した

「oops……」


『アリシアーーーッ!!』


魔王の咆哮の振動が、凍ったフオルンを粉砕して飛び散った


『なんということだ!!

アリシアが殺されてしまった!!』

「この人でなし。」


エイプリルが、扇子を取りだし

勝利の舞いを踊る


『アリシア……

我はもう……

ゾーラに顔向けが出来ぬ……』


「何がですか?」


『部下が話しておったのが耳に入ったのだ……

ゾーラがアリシアを好きらしく……想いを寄せているという噂を……』


「プッフ〜

nice jokeですね、座布団1枚あげます。」


『冗談ではない!!

魔王として配下を犬死にさせたとあっては!!

魔王として……魔王としての名折れだ!!』


「犬死に?

座布団全部取り上げますね。」

『我は何か間違った事を言ったか!?』


「masterの為に、身をsacrificeにする程の忠誠心の高いアリシアを犬死にと言いましたが

ここでquiz timeです。」

エイプリルは巨大なマジックハンドを出して魔王の乗ったアヒルを引き寄せた


『クイズだと!?

アリシアが死んだというのに何をふざけている!!』


「犬死にというのは無駄死にという意味です、では

アリシアは無駄死にしましたでしょうか?

YES or NO?

3分間待ってやるです。」


『アリシアは』

3分間にも充たずエイプリルは言った


「時間切れです、答えはNOです

アリシアは自分の身よりも優先した毛玉を守ることができました。」


『毛玉とは我の事か!?』


「他にいますか?

アリシアが、言っていましたでしょ

私はかまわないので魔王様を最優先で救出してください……と」


『我はアリシアを助けてくれと言ったぞ!!』


「私はやれと言われても、enemyやfriend関係無くやりたい様にやります

それが私です。」


『アリシアが死んで悲しくは無いのか!!

死者を追悼する心すらも……持つことが許されていないと言うのか!!』


「no problemです、教会でリスポーンします。」


『教会で蘇るのは我の配下が死なぬ様に気絶させて

教会へ転移させておるからだ!!

教会へ転移させず葬る

我の配下ではない魔獣や魔族や魔物も存在するのだぞ!!』


「意外な事実です。」


『アリシアの為に墓を建てよう……

アリシアの破片を埋めるのだ……』


「氷が溶けてきてますよ。」


『早くかき集めるのだ!!

手伝ってくれ!!

濡れ鏡の盾を器代わりに運ぶぞ!!』


「濡れ鏡の盾?

台座には、水鏡の盾と表記されていますよ

平仮名の日本語で。」

『日本語!?

平仮名!?

何だそれは!

そんな事よりアリシアが先決だ!!』


「そんなにかっかしないでください、Aliciaのflesh meat食べます?

冷静になれそうですよ。」

『我は基本的にベジタリアンだ!!

死者を冒涜する事は許さんぞ!!』

涙ながらに魔王は訴えるとエイプリルは若干動揺をした

「泣かせるつもりはないんですけど……

ほらほら〜いないいないバァンです。」


顔を腕で隠しエイプリルが、亀の様に身体に頭をめり込ませる


『うわあああうわあああうわあああうわあああ!!』

あまりの恐怖に魔王は号泣した

「oops……逆効果です。」

「魔王様を泣かせるのはお止めください」


森の中から、ドリアードの様な植物の姿をした女性が現れた

その声は、アリシアの声でした


『ア……アリシアか!?』


「御意……遅延をお許しください、内部からの支配に時間を要しましてしまいました」


「この野郎、生きていたのか。」


『良かった……帰るぞアリシア!

濡れ鏡の盾を持ってな!』

「hiragana水鏡の盾と表記されていますよ」


『わかったわかった!

水鏡の盾だな!!

まったく日本語やら平仮名やら訳がわからん!!』


「魔王様の愛読書である、子猫図鑑も日本語で書かれておりますよ」


『何だと!?

アリシアはあの文章が解読出来るのか!?』


「私も読めますよ、良い子でちゅね〜絵本読んであげまちょうか。」

エイプリルが魔王を撫でた

『……帰るぞアリシア

だが……砕けたアリシアの破片はどうするか……』


「あれ 無視かミ」


「直に再生します、ご心配なく」


樹木のアリシアが枝を指した

かき集めた肉片が、膨張をして再生していく

「マオウサマー」

「ワタシハジッシツフジミデスノデ

ゴシンパイナクー」


肉片ひとつひとつが、小さなアリシアとして自我を持ち蠢いている


「一匹いくらで売れますでしょうかね、100cashくらいが相場てすかね。」


『人身売買は止めるのだ!!』


「ところでどうして、ハムスターみたいな語尾なんですか

ひまわりのタネが大好きなんですか。」


『アリシア!

このエイプリルという奴は一体何を言っているというのだ!?』


「エイプリルは、極めて相手を選ばず気儘な性格故に

シルキーズのメイド達の中でも不明瞭な事が多く、制作者である千枝博士にも

未知数な点が多い存在でございます」


アリシアは、枝を伸ばして魔王を手繰り寄せた


「帰宅致しましょう

ゾーラ様がご心配致します」

アリシアは、小さなアリシア達と水鏡の盾を持った

魔王を連れて空間に穴を開け帰って行った


エイプリルの性格を予測が出来るのは制作者の千枝博士とアイリスくらいだが

能力や性能面に関しては謎が多いが

完璧なメイドのアリシアの対になる最強なメイドをコンセプトに造られたようである

0度や絶対零度にまで冷したり等の能力が現時点でリーパーとアリシアと魔王に知られている

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