Return 後編
考えられるのは仲間が来て逃げる手助けをした可能性だ。
視覚処理された映像越しにだがドギーのいた場所では不意に女性と思わしき姿が1人あらわれた後移動し、アリーの場所には2人の女性と思わしきが姿が出てきた後に姿が消えたで、センサーによれば反応は消えていた。
細かい経緯はあるかもしれないが、言う通りにしてくれた可能性があるで、オレ山中は少し手間だったが自力で片付けられてよかったと思うほかなかった。
「―――本部、応答願う。状況終了。」
『こちら本部。反応消失確認した。持ち場に戻れ。』
「了解―――」
安心した時が一番危険だとか言うが、反応も消失しているで、持ち場と言うか、ここも持ち場だが、本来の位置に戻るべきで、オレはマスクを外して通信を入れると了承され、オレは戻ることにした。
『―――』
「? だれだ?」
『―――、――、―』
アリーとドギーの2人はこれからも関係してくる可能性があるなと言うか、厄介だなと思っている中で、不意にだれかが通信を入れてきたが、声が遠いで、呼びかけるが何を言っているかわからなかった。
『―――』
「桐野? 桐野か? どうした?」
通信に関して言うまでもない話だがだれが通信を入れてきたかは無線機を見ればわかるで、確認してみると桐野で、オレは呼びかけた。
『―――ぁ、ぁ―――たすけて―――』
「?!」
『―――試すって、なにするんですか!? 来ないで!』
声が遠いので音量を上げる中で、オレは確かに桐野が「たすけて」と口にするのを聞き、桐野が必死に何かを嫌がっているのを聞いた。
「おい!? 桐野? どうした? オレだ! 山中だ! 応答しろ!」
『や、山中さん!? お願い! 来て! たすけてくださ―――ひゃっ!?』
「―――っ!?」
異常が起きているのは明確で、オレは大丈夫かと聞く中で桐野はオレの答えに答えたが、最後にたすけてくださいと言い切る前に通信が途絶えたと言うよりも、明らかにだれかに何かをされた後に通信が切れた。
「―――桐野!」
間違いなく何かが起きているで、オレは走りだした。
「本部! 応答願う!」
『山中大佐? こちら本部。どうした?』
「異常発生! 桐野が何者かに襲われている可能性がある!」
面倒だが報告が必要で、相手側も一仕事終えたんだろうどうしたんだと言う反応の中でオレは長くは話さないと言うように返した。
「ラッセル!?」
『―――ぁ?』
「異常発生だ。桐野の身に何かが起きている。何か起きたか聞いてないか?!」
ラッセルにも報告を入れたが、なにも起きていないようでどうしたと言う反応だが、オレは即座に状況を説明した。
『―――いや、別に―――』
『大佐、こちら本部だ。桐野大尉の調査は君に任せる。ラッセル少佐は山中の持ち場へ移動願う。』
「―――なに!?」
ラッセルはオレの声を聞きそんなことはと言う反応の中で不意に通信で指示が出されたが、オレは言葉を疑った。
『繰り返す。山中大佐は桐野大尉に起きた異常を調査せよ。ラッセル少佐は山中大佐と持ち場を移動。』
「―――?」
間違いなく事実で異論は認めないぞ黙って仕事をしろと言うかのように繰り返すと返してきた。
『―――大佐? どうした? 応答せよ?』
「―――了解!」
理由はあると思うが説明はされないで、不本意な部分はあり、心の奥底から聞きたいことがあると言いたいが、優先されるべきは人命で、オレはすぐに向かうと返した。
問い詰めようが脅そうが、そしてこちらで徹底的に調べて真実を突き止めて追及しても答える可能性はなく、敵は内側にも数多くいると思うが、肝心なのは桐野の身に何が起きたかで、オレは急いだ。
前科と言えば言いすぐかもしれないが、オレは雷也を見殺しにしたと言うか、たすけられず、イザナギノタタカイに関係する以上、捨て置くことはできなかった。
分裂でもして増えるのかと言うほどの数のソーとオレリードは戦い続けている状態だったが、数が眼に見えて減り、時折巨大なリーも姿も見せるが、オレの戦力上大差もないで、残りは数十体と言う数だった。
数だったと表現したが、数えながらと言うか、戦いながらで数は減っていると言うよりも、残りの数を計測した後の数は実質的にゼロに変化している。
銃を撃ち、刃を振り回し、激しく動き回っていたが、眼に見える範囲ではもう姿が見えず、視覚を変化させると見えて反応もあるがオレの持ち場から離れているで、ここは終わりかと思う中で、後ろから拍手を思わしき音が聞こえた。
「―――?」
「―――見事だよ。」
「アーウェー?」
拍手が聞こえるのが不自然なのは当然の話で、だれだと思い後ろを向く中で拍手の主がお世辞ですよと言う反応でオレに伝える中でオレもだれか確認し、オレはその拍手の主の名前を口にした。
「―――」
「待て? 話を聞いてからでも遅くないだろう? 銃を下せ?」
「―――」
貴様どうしてここにと言うよりも早く手が動いて銃を向ける中で、アーウェーはと言えばそう急ぐなよと言う態度と手で制し、オレも一応は撃つのを待った。
「下せ。」
「断る。」
「まあいい。研究の進行も良好だ。お前の苦労も無意味だといずれ納得するだろう。」
撃つのは待ったが、下しはしなかったで、アーウェーが撃つなではなく、下せと言ったんだと伝えるが、オレはそれがどうしたと言う答えの中で、アーウェーはこれだからお前は困ると言う反応を返した。
「もっとも、死と同時かもしれないで、一生気付かないままかもしれないがな。」
「御託はそこまでだ。」
相変わらずの気に食わない態度で、これも付け足して言っておくべきだなと言う言葉を続ける中で、オレはそれ以上話されても進まないと思い発砲した。
「―――」
発砲して命中する位置にいるが、銃弾はと言えばアーウェーの身体をすり抜け、少し先の壁に命中した。
「オレの眼が節穴だとでも? 最初からわかっていた。幻覚だ。」
「理解していても撃つ。お前の頭の悪さが丸見えだな。満足か?」
「本物ではないから不満だ。」
幻覚だとオレは言ったが正確には立体映像の類で、見えた時から理解していたで、冗談と言うか、言った通りで御託に付き合う気はないが、話があるなら聞くと言うか、宣戦布告なら聞くと言う態度を見せたくて発砲した。
御託はそこまでだとか言ったが、アーウェーはと言えば、オレが銃を下す中で仲よくとまで言う気はないが、再会を祝して話そうと言う反応で、オレはと言えばそんな親近感を持たれる理由はないで、再び銃を向けた。
「君は結局オーグの飼い犬でしかない。」
「同じことを繰り返して言うな。若年性認知症か? 病院行って確かめてもらった方がよくないか?」
「あきらめの悪いお前が人のことを言えた義理か?」
アーウェーはと言えば余裕な反応だが、オレの返事通りに前から何度も言っているで、聞き飽きたぞと言うばかりにアーウェーもお互い様だと言う反応を返した。
「話が進まないが本題は何だ? 何の用だ? 漫談する気はないぞ?」
「余裕があるから君を見に来たんだよ。随分と苦労しているみたいだね。余計なお荷物まで増えたみたいだ。」
「この期に及んで人をバカにするか? いや、お前には勝算があるんだろうが大きな勘違いだと言わせてもらうぞ。」
話が遠まわしと言うか、本体がどこにあるかと正直に聞いても答えないで、用件は何だと言う聞き方をすると、アーウェーはと言えば要件が無いのが要件だと言う返しで、オレはと言えばいい加減にしろと言う返しをするしかなかった。
「―――」
「黙れ、どんな理由があるにしても機構が影で動いたのは事実だ。お前は機関からも歴史の闇に葬られる。未来は健在だ。後はお前を殺そうとする人間よりも早くお前を殺せば済む話だ。」
勘違いなど無いとか言いそうな口を黙らせ、オレは言葉を続けた。
「お前のそう言う考えこそ大きな勘違いだ。お前はわたしの計画の真髄を理解していないからそう言えるんだ。お前はわたしの考えを理解しないまま死を迎える未来が待っている。」
「お前の死と計画の阻止が先だ。」
「違うな。通常の概念では太刀打ちは不可能だ。お前は結局オーグの飼い犬と言うだけでなく常識にも捕らわれている。わたしには決して勝てないと言う答えを理解していないんだ。」
言葉を続けるが、同じことを繰り返すだけで、オレが何度も言うなと言う返しに対し、何度でも言うと返しをアーウェーは続けた中で、要領を得ないなと言うそぶりを見せた。
「あの男から多少何か学んだと思ったが、見当違いだったみたいだな?」
「どういう意味だ?」
「君のビジネスパートナーだよ。調べさせてもらったが、わたしから見てもすばらしい人材だ。わたしの理念のすばらしさを理解してくれて、協力するには十分な能力を持っている可能性もあるが、協力の姿勢を示す人格を持っていないのが少し問題だがね。」
見当違いだったと言う発言をしたが、あの男と言う意味不明な言い方し、意味が解らないのだがと言う返しをすると、アーウェーは察せないのかと言う反応で返した。
「―――山中のことか?」
「理解するのが遅いな。」
言われた中身と記憶を整理すれば、適合する人物は1人しかいないで、山中の名前を出す中でアーウェーは名前を出さないと理解しないのかと言う反応だった。
「彼は理解は早いが、根本が君と同じだから困る。わたしたちの側にいれば現状みたいな生き方をしなくて済んだのにな。」
「何が言いたい?」
「余興や前座だよ。本番まで時間があるから退屈していると思って楽しいんでほしくてな。」
要領を得ない言う表現をしたが、オレから見れば意味不明な発言が多すぎるで、明確な回答を出してほしいが、答えなら出していると言う返しをして来た。
「お前の嗜好に適合して楽しめるかは不明だが、退屈はしないと保証はするよ。」
「―――待て!?」
話していても腹がたつで、もう無視するかと少し考えた中で、アーウェーは話は一応これで終わりだと言う言い方でオレに背を向け、オレは思わず呼び止めたが、アーウェーは姿を消した。
「―――」
『ファイヤー大佐、応答せよ。こちら本部。』
「こちら本部。任務は問題なく進行中だ。予定よりも早く進んでいると思われる。」
逃げてばかりいないで出て来いと言っても通じないで、また逃げられたと思う中で本部が通信を入れて来たで、オレは返答した。
『山中大佐の管轄付近で問題が発生した。大きな問題ではないと言う判断をして、彼と周囲の人間で対処可能だと判断しているが、通信機器系統や環境の異常か連絡が少し取りづらくなっている。』
「―――」
『対処可能だと判断したが、状況を踏まえ、安全のために同部隊指揮官の君に報告をした。そちらで連絡もして対処不可能な事態だと判断可能な場合、救援の要請連絡、または任務を終えている場合は救援に向かえ。』
返答をする中で本部は用途を少し長めに伝えた。
「了解。」
『報告以上だ。』
報告内容は理解したで、通信を終えた。
「―――山中?」
『―――』
「山中? おい、山中?」
確認のために通信を入れたが山中からの反応がなかった。
『―――だれだ?』
「山中?」
『だれだ?』
反応がなかったが少しして応答したが、山中はオレだと理解していないみたいだった。
「オレだ。リードだ。問題が起きたと聞いた。通信状況が悪いとも聞いたが大丈夫か?」
『リードだな。問題ない。』
「本当か? お前何か変だぞ? 声が変な気がするが?」
通信状況が悪い影響だとしても、設定などでわかるはずだがとも思ったが、通信環境が悪くてオレだと断定できなかったと判断したが、受け答えが悪い気がするで、通信の影響だと思うが少し声が違う気がした。
『―――お前の声も変な気がする。お前の言った通り通信障害だろうな。問題も解決済みだ。』
「何が起きた?」
『桐野が無線機落として壊した。』
声が変だと言ったが人のこと言えるかと言うか、お前本当にリードかと言う聞き方で、山中にもオレの声が聞こえ方が違うみたいだった。
山中がそう言うならと言う反応をするしかないが、問題と言うのが気になって質問すると、山中は後にしてくれないかと言う反応だった。
「わかった。オレの仕事ももうすぐ終わる。終了後再度連絡する。」
『問題ない。黙れ!』
桐野が無線機を落としたと言い、あの男ならやりかねない失態で、修理可能か見ているのだと思ったで、深く心配する必要がないと思い、通信の終えようと思う中で山中が無線機越しにオレではないが、怒鳴った声がした。
「おい? 本当に大丈夫なのか?」
『桐野が落ち着かなくてな。何度も言うが問題はない。切るぞ。』
「―――」
怒鳴るにしても普段の山中らしくないと言えば変かもしれないが、こいつでもこんな怒り方するのかと言う怒鳴り方で、心配だと言う聞き方をしたら言った通りだと言う反応で、後にしろと言いたいのか通信を強引に切られた。
異様に苛立っている気がしてどうしたんだとも思ったが、深く言及するにも時間がないと言うか、敵はたおしたが最終確認の類もあるで、オレは仕事に戻った。
アーウェーが来たと言う報告を忘れていたが、後でもいいと言うか、急がなくても問題ないと言う判断もオレはした。
通信機越しに助けを求めた相手を見に行ったら、その相手が身に着けていたと思われる物品の類と言うか通信機の部品が落ちている上壊れていると言うのは、フィクションでよくある演出だが、現実に見ると笑えない冗談だとオレ山中は思った。
通信機と書き携帯電話の類と思っている人間もいるだろうが、警察や軍隊と言った組織と言うか公共機関用の品物で、大体は服に頑丈に固定されている場合が多いで、ナイフと言うか、刃物で切るかでもしない限りは外れないのが常識だ。
持ち主が死んでいても機械自体が無事の可能性もあるで、壊して地面に落ちているならば、死体として転がっている可能性が高いと言えた。
「桐野?! 返事をしろ!? いないのか? 生きているなら返事をしろ!? 大丈夫か?」
桐野の持ち場に到着してすぐに見つけたのが壊れた通信機で、オレは桐野を呼んだが返事がなく、携帯を取出し反応を確かめた。
「―――桐野!? どうしたんだ!? 生きているんだろう? 返事をしろ! 近くにだれかいると思うがだれだ?!」
反応はある上もう1人と言うか、1つ分見えるで、間違いなく生きているとわかるが、この後1つがなにかわからないで、オレは進みながら桐野を呼ぶが返事はなかった。
「―――本部。現場に到着。壊れた通信機を発見した。捜索中だが見つからず。」
『―――』
「―――? 本部、応答願う。こちらWarpの山中大佐だ。本部? 本部? 応答願う―――」
報告も欠かせない状況で、オレは通信を入れるが返事がなく、呼びかけ直すが返事がなかった。
「―――? 桐野? 桐野か?」
機械の不調か、電波が届きにくいか、どちらにしてもまずは死体でもいいから探すのが最善だと思い、前に進む中でオレの進む先と言うか、5、6m先で声が聞こえた上、よく見れば壁の端に腰が抜けたような姿の桐野が見えた。
「―――なにをしている?!」
見えた中で、もう1人の人影と言うよりも姿が見えたのだが、オレはそのもう1人が手に刃物を持ち、桐野に向かっているのが見え、銃口を向け、撃つぞと言うように警告した。
「―――ぁ? 山中さん?! たすけて!」
「桐野! 大丈夫か? お前は何者だ!? ここで何をしている? 武器を捨てて両手を上げて床に伏せ―――?!」
「山中さん!?」
桐野もオレに気付いた上表情はと言えば本当に必死にたすけを求める表情で、もう1人に対し銃を向けて警告する中で、その相手が勢い良く動き、桐野もまずいと言う表情で、オレもその危険性を察知した。
「―――っぐ!?」
距離にして5、6mは離れていたが、小数点の桁での測定が必要なほどの秒数でオレの眼の前に相手は移動した上持っていた刃物で攻撃まで仕掛け、銃で防いだ。
「―――――!?」
「―――」
「―――?!」
刃物と銃が衝突した衝撃の金属音が響き、間一髪と言う状況だが、落ち着いてもいられないで、オレはこの距離ならばと蹴ろうと足を勢いよく動かすが、相手は瞬時に後ろに下がり空振り、相手はと言えば再度攻撃のために突進して来た。
「―――!?」
「―――」
「っく―――?」
勢いよく向かってきたで、オレは銃に銃剣を装着していたで、これ幸いと思い、突き刺そうと動いたが、見事に回避し、オレはおどろきもしたが切ろうと銃を勢いよく振り回すも、これも回避された。
「―――!」
回避され離れるが、こちらは銃であり距離は関係なく、相手も明らかに殺意もあるで、オレはここまで来たら仕方ないと判断して発砲した。
「!?」
距離はと言えば3、4mほどで撃てば間違いなく命中する距離だが、命中しないと言うよりも回避され、高速で移動をはじめた。
「―――っぐ!?」
「―――」
「―――ぐ―――」
正確には最初の狙撃で後ろに下がって回避し、近づいてきたために再度発砲するがそれも回避され、回避した場所に狙いを撃つがこれも回避され命中しない中で再び間合いに入られ、オレの銃剣と相手の刃が衝突した。
鍔せりあいと言える状況で、相手の突き刺そうとした刃はオレの銃剣で止められているが、銃口は相手には向かない位置で抑えられていた。
「―――――」
「―――!?」
武器は銃だけではないで、オレは銃をそえていた片方の手を離し、腰のナイフに手を回し、勢い良く切ろうと出したが、その直前に気付かれ回避された。
「―――」
「―――動くな!」
「―――」
距離的に小銃では戦えば不利に感じられ、オレは小銃を放り投げると拳銃を取出し向け、動くなと言うが、相手は断ると言うように攻撃の構えを見せた。
「―――」
桐野はと言えば見ているしかできないと言う表情で、オレはと言えばこの相手が間違いなく、ある程度と言うか、人を殺せる類の戦闘訓練を受けていると判断したで、油断ならない状況だった。
「!」
銃口とナイフの刃両方を相手に向け、一見するとこちらが有利な状況だが、相手はと言えば決して不利ではないと判断したのか仕掛けたで、オレは発砲するが、先ほどと同様上手に移動して回避された。
「―――」
銃弾を回避するのは普通の人間には到底不可能に思われるだろうが、理論上と言うか、弾数や訓練、それに普通の身体能力などで一応は可能だ。
構えた相手がいつ引き金を引くか、立ち位置や距離、それに銃口の位置から命中する場所を予測し、銃弾が貫通しない壁などの安全な位置に移動するなど、技量は必要だが、一応は可能だ。
「―――――」
可能と言ったが6発撃ったが1発も命中しないのはまさに奇跡や普通の人間を通り越しているで、相手の身体能力は明らかに常人の領域ではないで、相手は再び眼の前に来ていた。
「―――」
「―――」
切ろうとナイフを振るが見事な間合いと言うか紙一重と言う回避をするで、オレもここまで回避されたらもうおどろかないで、銃撃をするがこれも無事に回避され、相手は下がった。
「―――!?」
銃弾は3発撃ち、先ほどで6発の計9発で、残弾は後1発だった。
正確には14発装填可能なのだが、弾奏内部のスプリングを弱めないために10発しか装填していないで、残り1発が命中する確証はないと思う中で、相手はナイフをしまうとオレに向かって何かと言うよりも投げナイフと思われる類いを投げて来た。
「山中さん!?」
桐野が危ないと言うようにオレの名を呼ぶ中で、オレはと言えばまさにこの時、全神経を張り巡らし集中したと言うか、アドレナリンが身体中に駆け巡った状況で、眼の前に飛んで来た刃物を見極めていた。
OMの恩恵もあると思うが正確に見えたと言うべきで、手に持っていたナイフを使い、最初の1本目を跳ね飛ばし、2本目は身体を横にして身体を反らす中で言葉通りに眼の前を通り過ぎていき、3本目は横を向いた勢いで一回りした後ナイフでたたき落とした。
「―――」
一歩間違えたら3本すべて身体に突き刺さって床に転がっていて、オレ自身奇跡だなと思っている中で、相手はもう1本をこれならどうだと言う構えで勢いよく投げて来た。
「―――!」
確認した時にはもう飛んでくる寸前でナイフを振るのも回避するのも間に合わない可能性も高いで、オレはOMを使い、盾を起動させた。
リードと訓練をしていた成果と言うべきで、飛んで来たナイフはオレの眼の前で静止した。
「―――?!」
「少しは休ませろよ。」
正確にはOMで形成された壁に邪魔されたで、衝突した瞬間にハチの巣の断面上の青い光が走り、突き刺さった金属音が響き亀裂が走ったが、貫通はせず、効果も保てないで、光りは消え、ナイフは地面に落ちた。
殺せた可能性が高いと思う相手には意味不明な状況と言うか、思いがけない状況だろうが、オレはと言えば随分とやってくれたなと言うように返した。
「―――――? これは?―――」
同じ手が何度も通用して、使えはしないが、相手は同じ手が来て攻撃が防がれる可能性がある以上不用意に動けない要因が用意されたで、オレはその隙を見て銃弾を再装填した中で、地面に落ちたナイフの1つを何気なく見たのだが、奇妙だった。
「―――?」
ナイフの中には無論用途上特殊な形状の種類が数多く存在するが、オレはそれよりもと言うか、そのナイフが日本人のオレにとってある意味で非常に見慣れているが、このアメリカと言う場には不似合いで、大変な骨董品だと言う点が気になった。
「―――クナイ?」
思わずひざをついてひろい確認し、これはと思い名称まで言ってしまったのだが、ナイフは間違いなくクナイだった。
クナイと言うのは苦無や、苦内と漢字で書き、日本人の中でも武器とかが好きな人間で知っている人間が多いと言うか、これは日本原産の武器で、主に忍者が使用したと言われている小型ナイフだ。
専門的な話になるが形状の特性上スコップとして使用可能など、高い多様性を持っていると言う長所は置いて、忍者が使用すると書いた点を踏まえて言うまでもないが、現在では使うのが普通ではない骨董品だ。
「―――お前は何者だ? 職業柄恨まれる覚えはあるが忍者に刃を向けられたのははじめてだぞ? 何者か答えろ。」
忍者自体が資料としての実在性が問われていると言うよりも、歴史上の戦闘時に一部でそう呼ばれた人間たちが存在して、以降の歴史で諜報員などが同等の能力などを身に着けそう呼称などがされたのが現在で定義される忍者の姿だ。
現在で言うスパイ映画の組織や主役同様で、実在したとしても、実在するにしても、人物や能力、それに秘密兵器などは後世の歴史などでも資料としても発見されない可能性が高いのが現実だ。
忍者のクナイも同様だと言えるが、オレが手に取ったこのクナイは金属としての十二分な重量と冷たい質感を持ち、非常に手入れされ錆の類が一切見られず、切れ味も鋭そうな逸品だった。
「―――さすがね。山中一輝。元自衛隊員で世界最強の傭兵の1人と言われるだけのことはある―――。」
「?」
模造品だとしても非常によい仕上がりで、美術的価値もありそうだと思ったが、状況を踏まえて鑑賞している場合ではないで、放り投げた中で相手は口を開き、顔を見せた。
顔を見せたと表現したが、顔と言うよりも、全身を覆い隠していたで、服装もオレ同様に武装していたようにも見え、どんな人間かわからない以前に、これを聞いてオレはその相手が女性だと気づき、声相応の女性の顔が見えた。
「―――名前を? それに世界最強の傭兵? どういう意味だ?」
「言葉の通りの意味よ。あなたは現在、いえ、あなたの時代ではあなたは現在少し有名人になっているのよ。」
「―――あなたの時代? お前は何者だ? オレのなにを知っている?」
女性だと言う点もおどろく部分だが、一番おどろいた点はオレの名前と言うよりも、オレからすれば不相応な言葉が返って来たで、質問するが女性はと言えばその言葉の通りの意味だと言うように返すが、そうだとしても知っているのは不自然な話だ。
「―――さすがに暫定勝利者ね。わたしたちとは関係ない以前に縁もゆかりも持っていない。何も知らない。」
「―――何の話だ?」
女性はと言えば、20代前後半ほどで、肩ほどの髪の長さに、男勝りと言う印象の顔の普通の女性と言う印象だが、言っている言葉の意味が解らないで、質問するが、知らないから困ると言う表情をしていた。
「―――それにしても、すでに1人を手中におさめていたとはね? 予想以上ね?」
「さっきから何の話をしている? なぜ桐野を狙った? 答えろ忍者!」
桐野に眼を向けるとこの男には困ったものだと言う反応で、オレは話が見えないで、あらためて銃を向けて脅した。
「―――イザナギノタタカイ、の参戦者の1人、と言ったらどう返す?」
「!?」
「―――その反応、やっぱりある程度の事情は知っているけど全部は教えられていないと言う表情ね?」
思いがけないが聞き覚えのある単語が出たで、おどろく中で女性はと言えばわかっているならたすかると言う表情を見せて返してきた。
「―――あっ!?」
「?」
「―――そうだ? この人見たことがある? 開会式にいた? ジャージ着てた!?」
桐野が不意にそう言えばと言うような反応を見せ、女性の方にそうですよねと言うように聞いた。
「―――オレの、いや、オレたちの関係者と言うことか? 意味不明な事態に巻き込まれた腹いせか? 状況を踏まえてお互い協力するのが妥当だと思うが―――?」
同じ境遇の人間ならば幸いだが、どうしてこんな真似をとか言いたく状況の中で、不意に女性は軽くと言うか、オレの言ったことを聞いて何の冗談だと言うかのように笑いはじめた。
「ルールを知らないってお気楽ね? あれほどの腕前を持ってここまで生き延びて協力なんて言葉を口にするなんて―――?」
「いい加減にしろ!? お前は何者だ? 何を知っている? 洗いざらい吐け!」
女性はと言えば笑いながら冗談よねと言う言い方で、先ほどの戦闘と言い不意に失礼で、オレはそんな言い方はないだろうと思い、わからないことが多いで、理由を話せと返した。
「―――強い男を決めるのよ。」
「?」
「根本のルールはそこ。いえ、法則と言うべきでしょうね。」
話さないなら1発ぶち込んで強引に吐かせるとも考えている中で、女性はと言えばいとも簡単にと言うように答えを返したが、オレはと言えばどういう意味だと言う反応の中で女性はもう1つ付け足すと言うように言った。
「法則?」
「イザナギノタタカイ、とか呼ばれているけど、実際は神話とは何の関係もない。共通点は一応あるけど、強い男を決め、女が選び、選ばれると言う話よ。」
「―――?」
話を聞くしかないで、どういう意味かと聞く中で女性は説明をはじめるが、余計にわからなかった。
「わたしたちの一族やその仲間の家系は巻き込まれ、研究し、そして管理をして来た。」
「管理? だと? それに研究!?」
「わたしはイザナギノタタカイの管理をする一族、神野家から分家し、守護を務める大谷家の一族次期当主で、名は楓、姓は大きな谷と書いて大谷で、大谷楓よ。」
理解できないなら教えると言うように続ける中で、管理と言う言葉を口にして、オレが偉い人間なのかと思う中で、女性は自分の立場と言うか、身分と言うべきか、やっととも言うべきだが名前も名のった。
「―――事情を細かく話してほしいんだが? 桐野を襲った理由はそのためか? 辞退は不可能なの―――」
名乗った部分はありがたいとは言え、楓はと言えば喧嘩腰で、オレは落ち着いて話さないかと言う途中で楓はナイフと言うか、再びクナイを取り出してオレに向けた。
「不可能よ。決して止められない。追従してわたしは管理者の一族として、参加者のあなたたちが参加者としての素質を持つか確認する責任がある。」
「物騒な確認法だな。武器を下せ。不毛な戦いをする気はない。」
有力な情報源から情報を手に入れることに成功したと言えるが、これもまた断片的な情報で、楓はその前にと言う言い方で、オレは落ち着けと言うように返したがその気はない構えだった。
「上にも報告する。」
「未来人、いえ、機構やワープもある程度は承認済みよ。余計な介入を防ぐために妨害電波も出しておいた。」
事情は微妙に理解したが、こんな時に戦っている場合ではないで、強引にでもと言う言い方の中で、無線に手を伸ばすと、来た時同様に反応がない中で、楓が聞きわけがない人だと言う反応をしたが、気になる単語も口にした。
「なに?!」
「そして――――」
「―――?」
機構も承認していると言うのが一番の問題だと言えるが、妨害電波とも言ったで、オレがお前が原因かと思う中で、楓は無線機を手に持っていた。
『本部。こちら山中。桐野が無線機を落として壊したみたいだ。それ以外は異常なしだ。無線は可能な限り修理してみる。手持ちの予備はない。予備を取りに行かせるべきか? 作戦時間を踏まえ、交代は手間も多い、近い距離で警護を続ける方が得策か? どうぞ。』
『作戦は円満に進んでいる。予定よりも早く終わりそうだ。気を抜かず警戒を怠っていない範囲だと思うならば君の判断に任せる。桐野少尉は無事か?』
『問題ありません。以上。』
声帯模写と言う言葉が存在するが、楓がオレの眼の前でしたのがまさにそれで、オレの声で話して、本部に偽の情報を知らせ、本部のオペレーターはそれを信じ、楓は話を終わらせた。
「あなたに、いえ、わたしたちと血縁や深い関係がないあなたにとっては不毛でしょうね。血縁を持っているとは言えそこの男も同様だけど―――」
「血縁? 関係? 男? 桐野? 関係?」
「―――そう言うことに巻き込まれた程度の認識しかないみたいね。」
楓はと言えば無線を切ると、すぐにでも再びクナイを投げそうな構えだった。
言いたいことがたくさんあると言うか、卑怯な手をと言う手間も与えられず、言っていることの真意もオレが読み取れない中で、同じような状況の桐野も同様だと言うが、余計に理解できないで、楓はそこまで知らないのねと言うように返した。
「―――イザナギノタタカイはいつどこでだれに起きたかわかっていない。わかっていないけど、科学的な研究で、生物の遺伝子に組み込まれた種の保存のための救済措置の1つだと言われている。」
「救済措置? 種の保存? 遺伝子?」
「人間も結局は生物。本能的に優良な遺伝子を持った相手との交配を望み、優良な遺伝子を持った子孫を生み出し残したい。絶滅を回避するための作用だと言われている。」
楓は説明をはじめるが異様に科学的な中身で、オレが単語を何とか整理して理解しようとする中で、聞けばわかる部分もあるでしょうと言う表情で楓は続けた。
「研究で数多くの事実が判明してる。歴史、言語、国家、宗教、そして文化などにも多様な影響を与えている。遺伝子に関係して、ヒトゲノムの解読などの関係性から仕組みを見つけ出し、防止まではいかないけど、発生の確認や参加者の確認までは成功した。」
「オレを、それに桐野を襲ったのはその資格があるか試すためか?」
「そうよ。強い男を決め、そして選び、選ばれる。弱い男に生きる価値が無く選ばれた意味がないとまでは言う気はないけど、選ばれた身として、その責務が果たせる技量を計らせてもらう。」
簡単な話ではないけどと言うように楓は続け、オレはそれが確かならと言うように質問すると、間違いないと言うように返した。
「―――興味ないな。」
「!?」
「興味がないと言ったんだ。選ばれたとしても深く踏み込む理由はない。お前とその関係する人間と関係を持たなければ済むだけの話だ。」
話を聞いてオレはやっと事情を理解できたとも思ったが、楓に言った通りで、興味がないで、交換条件でこれなら納得するだろうと言うように返した。
「桐野もこんな怖い女とはなかよくしたくないだろう?」
「―――――」
「見ての通りだ。仕事の、現状都合上仕方なくな部分はあるだろうが極力関係を持たない様注意する。本来の時代に戻っても同様だ。オレも仕事がある上海外勤務だ。問題はないと思うが?」
桐野も同意するよなと言うように聞くと、桐野は脅えた表情だったが、そうしますと返すように首を縦に勢いよく2度ふり、オレは楓に見ての通りでこれでいいだろうと続けて聞いた。
「残念だけどそれはムリよ。あなたが思う以上に、いえ、のろいと思う以上にわたしたちはこの超自然的な力に縛られ何が起きても調整もされる。暫定勝利者のあなたは特にね。」
「―――さっきもその言葉を口にしたな? なんだその暫定勝利者と言うのは? 答えろ?」
「―――――」
聞くも楓はそれだったらどんなに楽かと言う表情で、話が見えないと言うよりも、絶対にわたしの言った通りになると言う返し方の中で、同じ単語を再度口にしたで、それが何かと聞くが、楓はこれを言ったら困ることになると言う表情になった。
「―――研究の中で、わかっていることがあると言ったけど、勝者もわかるようになったのよ。あなたがその勝者に選ばれた。」
「暫定、と言うのは勝っているのが決まっているからか。」
黙っていた楓だったが、少しして知っていない方が返って厄介になると判断したのか答えを言い、オレはと言えばその答えを聞き、そうなのかと返すしかなかった。
「―――!?」
「?」
「雷也の言っていたのはこう言うことだったのか?」
言われた中でオレは不意に雷也の言っていたことを思い出し、楓もオレのそう言えばと言う反応に気が付いたが、オレはと言えばそんな事よりもと言う状況で、あの言葉に納得ができた。
「ライヤ?」
「望月雷也、参加者の1人だろう? 知らないとは言わせないぞ?」
「―――あの男ね?」
楓はと言えば何のことと言う反応だったが、オレは知らないわけがないと言うように返し、楓はああそう言えばと言う反応で返した。
「彼もすでに手駒にしているのね。さすがね?」
「雷也は仕事であったカメラマンで単なる知人だ。さっきもだが桐野を手中におさめたとか言ったがそう言った言い方はそれもイザナギノタタカイに関係しているのか?」
「その通りよ。」
楓はと言えば考えてみればと言う反応だが、オレから見て遠まわしな言動で、少し腹も立ってきたで、いい加減にしろとも思い聞くが、楓はと言えばここまで来て察していないわけではないでしょうと言うかのように返した。
「彼は元気?」
「死んだよ。」
「え?」
楓は少ししてそう言えばと言うように雷也はどうしているかと聞き、オレはと言えば正直に答えたが、楓はどう言う意味かと言う反応だった。
「死んだんだ。おそらくソーに殺された。オレの眼の前でな。」
「そう。」
「死んだのはイザナギノタタカイ上仕方ないのか?」
思い出したくないと言うか、口にはしたくなかったが、伝える必要があるで、もう一度言うぞと言うように伝える中で、楓は言った通りでそうなのと言う言い方で、オレはそれではすまないと言う言い方で返した。
「優秀な遺伝子を残すためにね。」
「弱肉強食だとでも?」
「人間も結局生物だと言ったでしょう。自然界では当然の話よ。逃げ切れない―――」
オレの言葉に対し、楓は言う通りで仕方ないと言う返し方で、オレがふざけるなと思いならが返すが、楓はと言え何度も言わせないでと言う言い方で返した中で、クナイを持ち変えるのが見えた。
「!」
「―――だけど、わたしにも受け入れられない部分もある!」
投げはしなかったが、戦う構えで、オレが来るのかと思う中で、楓は覚悟しろと言う言い方をした。
「参加者にさ―――、守りたい人がいる。わたしよりも弱い相手は認めないし渡さない! 殺してでも守る価値がある! 覚悟しなさい!」
「―――」
「次の一撃で決める!」
途中で言うのを止めて、だれかはわからないが、楓は確かに守りたい人がいると言った。
だれかはわからないと言う点は気になるが、わたしよりも弱い相手は認めないし渡さないとも言ったで、そのだれかを守りたいための行動だと言うのは理解できた。
理解できて、だれかを調べる必要があると言う課題は置いて、現時点での一番の問題は高い戦意の楓にどう対処するかだ。
銃を持っていると言う点ではオレには有利で、放り投げたが銃剣まで装着した小銃もある上、OMもあるが、楓の実力と言うか、戦闘能力にはオレにはない速さがあるで、対処が追い付かない可能性が存在する。
「―――」
「―――」
オレは戦闘経験があるが、白兵戦と言うか、近接戦闘は苦手分野で、先ほども一応対処ができたと言う状態に近いで、楓が本気で攻撃をした場合、死体として転がっているのは最悪オレの可能性が高く、よくても相打ちの可能性も存在した。
「!」
現実の忍者の能力と言うのはよくわからないが、先ほど見せたあの動きに勝つにはどうすればいいかと考えている中で楓が行動に移った。
「―――」
「―――っぐ!?」
「―――ッハ!」
口から出た言葉では意味が解らず、一瞬だったが、一言で言うならば対処ができたと言うべきで、地面にたおれていたのは楓で、立っていたのはオレだった。
一瞬だったので、オレも身体が反応したと言うのが正解と言うか、不意と言えば変かもしれないが、オレにはなぜか、楓の手の内が見えたと言うべきで、思う以上の先読み攻撃が成功したと言うのが正確だ。
時間にして3秒にも満たない時間で、この間に何が起きたかと言えば、最初に楓が攻撃をするためにこちらにむかってきたが、これは偽装で、瞬時に背後と言うか、オレの左ななめ後ろに回り込むのを理解した。
回り込むとは言うが、オレから見て時計回りに進んで、本来はいつの間に後ろにと言うか、振り返りきる前に立っていた場所でクナイとかを投げて終わったのだと思うが、オレの動きの方が早かった。
左ななめ後ろに移動したと瞬時に判断したオレは、ナイフのケースを、その方向に勢いよく放り投げ、それが楓の腹部に命中し、楓が衝撃を受けて隙が生じる中で、楓のいる場所に勢いよく移動し、時計回りの飛びまわし蹴りのかかとを楓のこめかみに入れた。
きわめて的確に命中したで、周囲には明らかに蹴られ、命中した鈍い音が周囲に響いた。
「―――う、ぐ―――」
楓は蹴られたこめかみを抑え、少しふらつきながらも立ち上がった。
「す、すごい―――」
「―――」
「こ、降参するんだ! 山中さんの勝ちだ! 参ったと言うんだ!」
見ていた桐野はそれ以外の言葉が出ないと言う表情で、オレが楓を見ている中で、桐野はと言えばそう言えばと言う反応で拳銃を取出し、震えた手で楓に向けた。
「よせ、桐野―――」
「山中さん―――?」
「オレもさすがにやりすぎた。」
オレの攻撃で弱ってはいるが、楓の戦意は喪失したとは言えないで、桐野の発言は楓の神経を逆なでする危険があるで、オレが手で待てと言うそぶりを見せながら止め、桐野がだけどと言う反応の中で、オレもこれはまずかったと言う返事をした。
「やりすぎたって―――?」
「事実だ。殺しあっている場合じゃない。必要なのは情報だ。」
桐野はそんな生やさしいものではないと言う言い方だが、オレは根本の目的を忘れるなと言う返し方をするしかないで、あらためて楓に眼を向けた。
「―――い、つ―――」
「仲よくしようとまで言う気はない。降伏も求めない。必要なのは情報だ。知っている情報を話してもらうぞ。妨害電波も切るんだ。」
楓が続ける可能性が存在して、先ほどの自分でも見事だと言うほかない先読み攻撃もまぐれだと言えるので危険が大きいが、オレの勝ちだと宣言するように伝えた。
「―――きのの、かまえ―――」
「?」
「―――マキノノカマエ―――」
楓がどういう反応をするかと言う中で、不意に楓は意味不明な言葉を言い、オレがなにかと言う反応の中で、楓は言葉を続けるが、意味が解らなかった。
「―――お前、どこでその構えを身に着けた!?」
「?」
マキノノカマエと聞こえ、なんだと思う中で、楓は信じられないと言う反応を見せた。
「その構え、マキノの流派の構えだ! だれに教わった?! 答えろ!?」
「―――?」
楓はと言えば意味の解らない言葉を続ける上、オレの攻撃を何かの流派の構えとか攻撃と勘違いをしているみたいだった。
「―――マキノ? 牧野? 牧野桔梗?」
「?!」
「なんだよ? もったいぶらずに話せ。話が進まない。」
職業柄武術の心得がまったくないとまでは言えないが、苦手分野で生半可な能力しかないが、対抗できる何かを持っていたのは間違いないと言えるで、楓が言った言葉を思い出す中で、オレの口からある名前が出てきた。
楓のマキノと言う言葉に関係して、AGSの部下と言うか、元上司と言うか、仲間の名前が出たで、これは関係ないかと思う中で、楓はなんだってと言う反応で、オレは反応した以上ほかに心当たりがないで、楓に逆に質問した。
「桔梗お姉ちゃんを、牧野桔梗を知っているの? いえ、知っているのか?!」
「知っているもなにも、オレの部下だ。AGSのな。」
「部下?!」
楓はと言えば再三聞くぞと言う聞き方で、オレは間違いないと返す中で、楓はまたも信じられないと言う反応を見せた。
聞き方も既知の間柄で少し素が出たと言う一面も感じられた。
「―――待てよ?」
「?」
「確か、代々忍者の家系とか言ってたな? でも、破門されたとか、家出したとか―――」
楓がおどろいている中で、オレはと言えば話してみればと言うか、遅いとか言われそうだが、桔梗との会話と言うか、彼女の境遇を思い出した。
「―――関係があるのか?」
「―――」
「おい?」
桔梗の家が忍者の家系だとか言った話の細かい話は置いて、それならと思いオレは聞く中で楓は顔を下に向け黙り込み、オレは答えろと楓を呼んだ。
「―――き野家は、神宮寺家を守護する家系で、神野家を守護するわたしたち、大谷家よりも、上忍の、家系―――」
「ジョウニン? 上忍か? 上の位と言う意味か?」
「―――」
楓は話したくはないが話さない限り進まないで、嫌そうには言って、オレが確認するかのように聞く中で、顔は下に向けたが、否定はしないと言う雰囲気だった。
「暫定勝利者だから、補正が、されたのね―――?」
「―――」
「よりにもよって、桔梗お姉ちゃんから直に教わったなんて―――」
楓は信じられないけど認めるしかないと言う表情で、オレはと言えば聞いても納得しかねる部分がある中で楓はと言えば分が悪すぎると言う表情に変わっていた。
「―――待てよ?」
「―――!?」
言われて見ればと言う状況で、オレはと言えば身体が動き、楓も身構えた。
「―――っぐ!?」
「―――これでも遅く弱い方だぞ? 手加減もした。オレは立場としては偉いが格闘戦は不得手だ。部隊でも下から2番か3番ほどだ。」
近接戦闘時の簡単な偽装攻撃を試したで、みぞおちに軽く打ち込み、楓が膝をつく中で、オレはそれほど厳しい攻撃ではないと言う伝え方で言い、少し後ろに下がった。
「牧野曹長はもっと強烈だぞ。打ち込み方も上手だった。オレがこれでお前たち大丈夫か?」
「―――が、は、あ―――」
「―――悪気はないんだが、弱すぎるぞ? オレは自分自身弱い方だと思うぞ? 牧野曹長が本気を出したら人が死ぬほどだ。オレよりも強く彼女ほどの人間がごまんといる。戦場ではこの程度では済まんぞ?」
手加減したとは言え、思う以上に攻撃が的確に命中したで楓が苦しんでいるが、オレはと言えば冷静に説明し、楓が何とか持ち直そうとしている中で説明を続ける中で。楓は痛みで腹部をかかえた中で顔を下に向けた。
「―――」
「―――」
怪我の功名と言えば意味が違うかもしれないが、先輩であり、元上司、そして部下であり同僚の牧野桔梗には訓練で鍛えられていたで、偶然に感謝すべきだが、楓の話を踏まえると、偶然の一致とは言えない状況だとも言えた。
「そう言えば、補正とも言ったな? どういう意味だ?」
「―――」
「―――答えろ?」
牧野桔梗に関しては言った通りで、忍者の家系とか、複雑な家庭事情をかかえているとは聞いてはいるが、明確には知らないで、現状は楓から聞くべき話があるで、あらためて質問したが、楓は答えず、オレは語気を強めた。
「―――?」
一言で言えばと言うか、ある意味では滑稽な表現かもしれないが、「様子がおかしい」と表現すべきで、楓は震えながら、なにか小声で言っているみたいだった。
「―――山中さん。暴れる前に縛っといた方がいいと思います。やけになって何をしでかすかわかったもんじゃないですよ?」
「―――」
念仏なんて唱えるわけがないで、不測の事態に言葉がでないと言うか、大声では言えない悪態でも吐いているのかと思う中で桐野が落ち着いて見ている場合ではないと伝え、オレは言われて見ればと思った。
「―――少し大人しくしてもらう―――」
「―――」
「?!―――」
結束バンドを取り出したオレは楓を拘束しようと近寄る中で楓が勢いよく顔を上げ、眼が光っていないかと思い中で、吹き飛ばされ、地面にたおれていた。
「な? なんだ―――?」
「―――」
「やめろ! 桐野! 撃つな!」
吹き飛ばされたと表現したが、正確に言えば眼が光っていないかと思う中で楓は叫ぶかのように口を大きく開けた後だった。
文章だけならば大声の迫力に負けてたおれただけに見えるが、楓の叫んでいると思われる声は聞こえないと言う点は置いて、楓の眼は光り、口が叫ぶかのように大きく開いている以上に、身体から異様な黒い煙と青い光が出ていた。
異常なのは間違いなく、不可思議な力で吹き飛ばされたのは明確で、桐野が銃を向けるがオレは様子を見る必要があると思ったで、桐野を止めたが、開いた口がふさがらず、すぐにでも撃った方が安全な異常事態なのは言うまでもない話だった。
「―――」
「―――これこそ、大谷流秘術の38番目―――」
「?―――」
危険だと考えなくても理解できるで、後ずさりをはじめる中で楓が口を開いた。
「―――さない―――」
「―――?」
「絶対にあなたに渡さない! サラお姉ちゃんをあなたには渡さない! わたしが守るんだ! ふるい落としなんかに負けない! 絶対に未来に帰るんだ!」
楓はと言えば言葉を続けるが、意味ができない発言なのは置いて、オレに近づいて来たで、本気で不味いと思いオレは起き上がり、後ろに下がりはじめ桐野に少し眼を向けた。
「―――う? っぐ!?」
「山中さん!?」
「―――ぅ、ぐ―――、おぉ―――」
桐野を見捨てられないで、肩車して逃げるかと考え、楓との距離を確認しようと顔を前に戻したのだが、楓が眼の前に立っていて、桐野も危ないと言う反応で、不味いと思う中で首をとられ、そのままもちあげられた。
「―――ぅ、ぐ、ご―――」
「ムダよ。車でも片手で持ち上げられる。暫定勝利者で牧野の構えを身に着けているとは言え、結局は普通の人間のあなたにこの奥義には勝てない。」
首をとられ、持ち上げられたと書いたが、片手な上、絞め殺すと言う以上に、首の骨をへし折りそうな締め方で、オレはと言えば離すために抵抗し、蹴るのだが、楓はと言えば平然としていた。
「―――!」
「っぐ!?」
「―――ぅ、ぐ―――」
普通の人間と言う単語を聞いて、オレも普通の人間ではない部分があると思いだし、OMを発動させ、オレの身体の周囲が青白く光った。
思った通りで、普通の人間の力ではないで、致命傷と言う威力には程遠いだろうが、隙と言うか、首を絞めている手の力が落ちたで、蹴ると言うよりも、足で押して強引に離せたで、オレは地面にたおれ、背が痛むのを耐えて、すぐに起き上がって逃げた。
「桐野! 大丈夫か?」
「はい! だけど―――?」
「ああ。ヤバいな?」
幸いとは言えないかもしれないが、放り投げた小銃とナイフのケースをひろえ、桐野の前に来て、安否を確認できたが、桐野の眼は楓に向いているで、オレもあらためて向き直り、危険な状況を再確認した。
「―――」
「ムダよ。銃なんて効かない―――」
銃を向け、これ以上動くと発砲するとか言う以前に楓に言ってもむだだと返し方をされた。
「―――」
「無駄だって言っているでしょう?」
「―――ガサツな女は熊よりも強いのか? かわいげがないな?」
言われても撃つか逃げるかの選択肢しかないで、狙いを定めてひたいを狙ったが、銃弾は跳弾し、楓はと言えば言ってもわからないのかと言う反応でオレはと言えば冗談で返すが、楓が答えるわけもない中で、楓が構えた。
「―――!」
「うわっ!?」
構えたと表現したが、正確に言えば何かを投げる構えで、桐野を肩車する途中だったのが、オレはと言えば不味いと判断して桐野を突き飛ばし、オレは反対方向に逃げる中で、何かがオレたちのたっていた場所を飛んで行った。
「―――エネルギーの、手裏剣?」
回避できた中で、壁に命中して静止した物体を見たのだが、言葉通りの、エネルギーの手裏剣と言うべきで、光っていると思い見ていると、姿を消した。
「―――」
光の手裏剣は放置して、太刀打ち不可能と言う言葉以外ないで、救援を求めるにしても無線が反応しないで、定時連絡が途絶えて仲間が確認に来る可能性はあるが、その前に殺される危険があるで、逃げても追いつかれる危険も存在した。
「山中さん?!」
「―――戦うしかないだろう? ほかに案があるか? 妨害電波の届かない範囲まで逃げるための時間稼ぎだ。有効範囲まで逃げるまでのつなぎだ。」
「―――だけど―――」
オレはと言えば覚悟を決めるしかないで、迫る楓に銃剣を向け、桐野が戦うのかと言う反応の中で一応と言う反応で返すと、桐野は勝ち目ないですよと言う反応だった。
「―――防御も無限ではあるまい!」
説得力と言う意味では欠けるが応戦するしかないで、桐野にお前も撃てと言うように伝える中で、銃の機構をバーストに切り替え、引き金を引いた。
「―――?」
言うまでもなく効果がないで、どの方向に逃げるのが最良かと考えた中で、楓の背後で何かが動いたのが見えた。
「!?」
光の加減で影が変な方向に向いたとか、一瞬だったので、気のせいで、深く考えている時間が本来ないが、そのすぐ後に、楓の背後にいたそのなにかは勢い良く動き、楓を殺した。
殺したと書いたが、正確に言えば、3つの刃を振り落として切り殺したと言うべきで、オレと桐野が見ている前で楓の身体と言うか、上半身は3つに分割された。
振り落とされた刃の方向が、オレたちから見て左上から右への斜め方向で、中央の刃で首を狙ったと思われ、中央から少し横だが楓の頭部に命中して、首を中央として、上半身までを切り開いていた。
3等分したと表現して、斜めに切りこんだとも書いたが、オレたちから見て右側は肩に命中したが、その前に頭があるのだが、それを切り落とし、左側は右側と似た位置だったが、角度の都合か、頭は切り落とされず、肩にそのまま振り落とされていた。
「―――――」
楓はと言えば、それが要因でたおれたと言うよりも即死で、死体となった身体は地面に勢いよくと言うよりも、支える力がなくなったが、なんとか壊れずに、崩れずに落ちたと言う表現に近い光景だった。
たおれる瞬間の表情も、自分の身に何が起きたからわからず、言葉にならないが、やられたのかと言う表情と言うか、虚ろな眼の動きが見えた。
「―――――」
「あ、あ、あ―――」
オレはと言えば言葉が出ないで、桐野は声が出たが言葉にならない中で、楓を殺した、3つの刃の持ち主がオレたちの前に歩み出てきた。
「―――バカな? そんなはずはない。どうしてお前が―――?」
「え? え?」
歩み出た姿を見た中で一番に反応したのはオレで、桐野はと言えば、知っているのかと言う反応でオレを見ていたが、オレはそれを無視して、少しだけ足をすすめた。
「―――お前、あの時の怪物か?」
質問をしてもはいそうですと答えるわけがないが、聞かずにはいられず、その相手はと言えば、オレの言葉を待つかのように、その赤く光る特異な眼でオレを見ていた中で、不意に足を進めはじめた。
人間よりも高い背に左右の手には細長い3つの鋭利な爪、そして、本来は黒が多いが、対象的な白い表皮は、一度見たらオレでなくても忘れられなかった。
白い以外は、DMのソーで、ニクサーと呼ばれる種類だ。
「―――たすけてくれた。と言うわけではないみたいだな?」
オレの言う通りで、たすけたのではなく、邪魔者を排除したと言うのが正確で、歩みははじめた足取りに迷いも感じられず、怪物なので表情は知れないが、間違いなく殺意に満ちているで、少しずつ走りはじめ、咆哮を上げた。
「や、山中さん!?」
「前の銃弾のお礼に来たみたいだな。」
桐野がまずいですよと言う反応の中で、オレはと言えば銃を向け発砲した。
「効かんな!」
効果がないのは以前の戦闘で理解しているで、撃って再確認した中でオレは覚悟を決めニクサーに向かい走った。
「―――ぐ!」
オレの言った銃弾のお礼と言うか、仕返しに来たかは不明だが、間違いなく狙いはオレで、走って近づく中でニクサーは腕と言うよりも、そのツメを勢いよく振り、オレはそれを回避した。
「―――っぐ!?」
長いツメを振り回している分隙が大きいと思ったのだが、回避した腕をすぐに振り上げてきたで、銃で防いだのだが、押し飛ばされた。
「―――」
押し飛ばされ、後ろに押し飛ばされる中で、ニクサーは反対の手のツメを振り上げたで、これの防御にも成功したが、ツメを振り回しだしたで、防戦の状態になってしまった。
「―――あ? う? ―――く―――」
「桐野! 止めろ! 下手に撃つな!」
桐野も見ているだけなのはダメだ判断したのか、ニクサーを狙おうとするのが見えたが、オレは桐野を止めた。
「ぅ? ぉわぁっ!?」
「山中さん!」
桐野を止めた中で集中力が途切れたと言うか、気が散って前がよく見えなかったで、ニクサーの攻撃の防御には成功したが勢いが強く、オレは勢いよく押し飛ばされてしまった。
「―――っぐ―――!」
OMの恩恵で身体と言うか、手や腕への負担が少なかったが、押し飛ばされた勢いは結構強く、少なく見ても4、5mは飛ばされたで、身体は持ちこたえられたが、慣性や速度には耐えられず、オレは後ろ側にたおれた。
「―――っぐ!?」
受け身を取る中で、オレは視界の少し上に何かと言うか、あのニクサーらしき姿が見えたと言うか、嫌な予見や気配の類がしたで、受け身を取った後すぐに左横に転がって移動した。
「―――」
1回転以上した時にオレのたおれていた場所に、何かが落ちた音と、地面に固い何かが命中した音が聞こえ、1回転半以上した時にたおれた場所に目が向けられたのだが、オレがたおれていた場所にはニクサーが立っていた。
正確に言えば膝をついたほどの姿勢だとか、細かい話は置いて、一番の問題点は右腕と言うか、そのツメで、地面に勢いよく突き刺さっている状態だった。
「―――――」
反応が後少し遅れたらあのツメはオレの身体に突き刺さっていたで、ニクサーはと言えば仕損じたと言う雰囲気で、ツメを引き抜こうとするが抜けないと言う状態で、オレはと言えば立ち上がり、後退する中で小銃をニクサーに向けた。
引き抜こうとする最中、一瞬とも言えるが、ニクサーの眼と言うか、瞳が微妙に動いたと言うか、不味いと言う表情に見えた気がした中で、オレはセレクターレバーをフルオートに切り変え、引き金を引いた。
「―――桐野! 撃て! 撃て! 撃てーっ!」
「―――は、はいぃ!?」
離れたとは言え至近距離ではあるで、解き放たれた弾丸の多くはニクサーの身体に命中し、オレは撃つ最中に桐野に指示を出し、桐野もあわせて撃ちだす中でオレの銃の弾丸が尽きたが、オレは高速で再装填して再び撃ち出した。
「たおれるまで撃て! 撃つんだ! 止めるな!」
使い切った弾倉を地面に捨てて予備の弾倉を再装填しているで、オレはと言えばこの時に3つめの弾倉に突入していた。
「―――」
「―――」
オレも桐野も言葉通り必死な中で、ニクサーの挙動と言うか、動きと言うか、身体が揺れているのが見えたかと思うと、不意に勢いよくたおれた。
「―――」
「―――」
たおれだした時と銃弾が切れたのがほぼ同時で、オレと桐野は銃撃を止めたと言うか、銃口は向けているが、動かないかを確認して、お互いにと言うか、オレが先に下し、桐野にももういいと手で合図して桐野は下した。
「―――」
「弾倉は交換して置け。あまり近づくな。オレが確認する。」
桐野はと言えば立ち上がり、こちらに近づきはじめたで、オレが止めると言うか、指示を出しながら弾倉を交換すると言うか、撃っている時に捨てていたからの弾倉もひろうと、オレは再び銃を構えてニクサーに近づいた。
「―――山中さ―――」
「静かにしろ。」
足音にも気をつけて進む中で桐野が呼んで来たが、オレはそれを止め、ニクサーの死体の眼に眼を向けた
「―――」
「山中さん?」
「死んでいる。問題ない。もう安心だ。」
ニクサーの眼はと言えば発光もなく、身体も動いていないで、間違いなく死んでいるで、オレは少し下がる中で勢いよく腰を落とし、桐野が大丈夫かと言う反応の中で、問題ないと言う返事を返した。
「―――」
「山中さん?」
「連絡する必要がある。妨害電波の発生装置はどこだ? それとも圏外まで歩く方が堅実か?」
気が抜けて、胸を撫で下ろせて、一安心だとも言えるが、肝心な問題が残っているで、オレは立ち上がった。
立ち上がるオレを見て桐野がどうしたと言う反応の中で、オレはと言えば少しだけだが忘れていたと言う雰囲気の返しをした。
「―――山中さん?」
説明した通りと言うか、現状無線通信ができないで、仲間と連絡するには妨害電波の圏外まで行くか、解除して通信可能にするかなのだが、オレはと言えば後者を選択して、楓の死体に向かった。
「―――ひどいありさまだ。」
遠目に見て大体理解していたが、眼の前で見れば余計に悲惨と言うか、切り裂かれて時間も経過して、地面に血液が流れ出し、身体からは脳や内臓が飛び出していた。
「―――山中さん!? なにしてるんですか?!」
「死んだかどうか確かめてるんだ!」
「絶対死んでますよ!?」
流れでた血液はと言えば地面に広がっていると言うか、例外なくオレの足元にも来ていると言うか、距離の都合上紛れもなく踏んでいると言う点は無視ができないが、それは置いて、オレは楓の死体に近づき、足蹴にひっくり返した。
桐野が信じられないと言うか、あなたは何をしているんですかと言う反応の中で、オレはと言えば楓の死体の頸動脈に触れながら冷静に理由を説明するが、桐野は必要ないと言う返事を返した。
「死んでいる。」
「当然でしょ!?」
「医学的な確認は必要だ。」
言うまでもないと言うか、外観でも判別可能だが、間違いなく死んでいる以上頸動脈は動いていないで、オレが確認して、桐野にダメだと言う報告をする中で、桐野は確認する必要がないと言う反応の中で、オレは冷静な解答を返した。
「―――職業病だな。人の死をここまで平然と見られる。人間としておしまいだな。」
「―――ぁ?」
「まあいい。妨害電波の発生装置の類が無いか探す。なかったら圏外まで行こう。」
桐野はと言えば少しと言うか、結構動転した表情の中で、オレはと言えば普通はそう言う反応だよなと言う返しをするしかないで、桐野が悪い言い方をしたかと言う反応を無視して、オレはあらためて楓の死体を調べはじめた。
「―――妨害電波の発生なんてブービートラップの類だ。無線機を適当に改造とかして、と、これか?」
妨害電波の発生装置とか書いて、楓が言っていたが、実際に製作するとしてもオレの言う通りで、電波や機械の原理を応用して故意に混線の類を引き起こさせるだけの機械で、電源さえ切れば普通に使えるで、極め付きに対策がされた機器も存在する。
原理の説明は置き、死体を改めると言うのにも抵抗がないと言えばうそになると言う点は置いて、調べる中で奇妙なリモコンと言うか、通信機に酷似した長方形の物体をオレは見つけた。
どこで見つけたのかと言う話は置いて、血まみれになっているが、電池の類で動いている機械なのは明確な外観な上、赤い光が点滅をしているのが見えた。
「―――確かめる方法は一つだな。」
電源を切る以外確認する方法が無いで、オレは電源を切り、無線を操作した。
『山中!? 聞こえるか!? 応答しろ!?』
「―――リード?」
『無事か!? 生きてるんだな?! 終了したから呼びかけているのにどうして返事をしない?!』
確証が持てないで、時間のムダだから最初から圏外まで進むのが堅実だったかもしれないと言うオレの心の中の声を唐突に無視して、リードが通信を入れてきた上、かなり心配した反応だった。
「妨害されていた。」
『なに!? どういう意味だ!? 妨害!?』
「落ち着け。オレは無事だ。桐野も一緒だ。」
一言や数分では簡単に説明不可能な状況で、最初に通信が不可能だった理由を話すが、次はと言えばどうして通信不可能だったかと言う理由を話す必要があるが、リードも異様に興奮しているで、オレはリードに落ち着くように返した。
『―――なにが起きた?』
「逆に聞くが、お前の方では何が起きた? お前らしくもない反応だが?」
『―――――』
リードはと言えば落ち着かないで、オレもお前変だぞと言う聞き方の中でリードはそれはと思ったのか、急に黙った。
『―――アーウェー。』
「?」
『やつがいた。いや、オレに会いに来た。言い忘れていた。』
黙っていたがリードはすぐに明瞭な解答を返したで、オレがお前何を言ったと言う反応の中でリードは言った通りだと言う返事をした。
『逃げられた。いや、それはいい。いつものことだ。だがお前の言った妨害とはどういう意味だ?』
「イザナギノタタカイ。」
『なに?!』
厄介なことが起きたが、それはもう過ぎた話みたいで、オレも逃げられたなら仕方ないと思うしかないが、リードはオレの言った妨害について説明しろと聞き、オレはと言えば正直に話すしかないで、リードは通信機越しでもわかるおどろいた反応だった。
『どういう意味だ?』
「オレも話せば長くなる。それと、事後処理が必要だ。死人が出た。ソーも出たで大変だった。」
『どういう意味だ?』
進展があったのかと言う反応で、オレはと言えばそうだが問題も増えたと返すしかないで、リードはと言えば細かく話してもらわないと困ると言う返しだった。
「―――」
『おい、山中?』
オレはと言えばどうするかと言う状況で、リードが呼びかけるのも少し無視して、楓の死体にあらためて眼を向けた。
「―――本部に連絡する。作戦終了まであとどれくらいだ? 予定だともう終わっていると思うが長引いているか?」
『終わっている。遅れている場所もあるらしいが予定の範疇だ。問題ない。』
「そうか。」
死体を改めてみると眼が開いたままで、オレはと言えば膝をつき、楓の眼を閉じる中でリードに返答を返し、リードが問題ないと言う返事をして、オレもそれならたすかると言う返事をした。
「問題と言うのは増えて欲しくないものだな。」
『同感だ。それにしても、進展があったんだよな?』
「解決とは言えない。」
楓がイザナギノタタカイに関して大きな情報を持っていたのは明確だが、明瞭な解答はもらっていない上に死人に口なしで、困ったと言う反応の中で、リードはうれしくないのかと言う聞き方をしたが、確実にそうと言えないと返すしかなかった。
「それと―――」
「山中さん!?」
「?」
ソーを見たとは言ったがニクサーと言うか、以前に見た種類を見たと言うか、同個体の可能性があるとか言う途中で、桐野がオレの名を叫んだ。
「なんだよ桐、野―――?」
『どうした?』
「そうだよな? 考えてみれば普通だったよな? 普段は不自然な消え方するから盲点だったな?」
突然の通信で桐野を放置していたのを思い出したが、そんなに慌てて呼ぶほどのことももう起きないだろうと思い呑気に振り返る中であわてて呼ぶ状況が眼の前に見えた。
リードはと言えばオレに何事だと言う風に聞くが、オレはと言えば自分の口にした言葉通りで、盲点が原因で危険な状況だった。
『おい? どうした? 状況を正確に知らせろ? 山中? 聞こえてるか?』
「聞こえてる。確認だ。前に話した色が違うニクサーの色は何色だったか覚えているか?」
『白だろ? それがどうした? 象でもあるまいし紫でも出たか?』
通信機越しのリードに説明する必要があるのだが、オレはと言えば忘れていたと言う反応と言うか、リードにその前にと言う言い方で前提の説明をするのだが、リードはと言えば何が言いたいと言う反応だった。
リードが紫の象でも見たかと言う聞き方をしたが、これは英語独自の言い回しの1つで、奇妙な色の動物を見たとか言う表現は、酒とかで酔った時とかに使われる言い回しだ。
「眼の前にいる。」
『なに!?』
「手が空いてたらたすけに来てくれ。」
結論とか言う以前に、それ以外言えないと言うか、殺したと思っていたニクサーは生きていて立ち上がっている上に傷もなくなり、眼も光を取り戻していたと言うか、普通なら溶解するで、それに気付けなかったと言うか、忘れていたのだ。
リードが本当かと聞く中でオレは通信機の設定を変更してほかの人間にも聞こえるように通知した後、ニクサーに銃を向けた。
『了解した。』
「―――」
リードの良好な返事が来たと言う期待をしている場合ではないで、生き物としてどのぐらいの知能かと言うか、何を考えているか不明だが、怒っているとかそう言う以上の問題で、ニクサーはオレが銃を向ける中で大きく咆哮を上げた。
「―――?!」
普通に攻撃してもまた復活する危険があるで、先ほど同様に銃弾を大量に叩き込んで気絶状態にしたいが耐性もできて効果がない可能性もあるで、どうするかと思う中で不意に異変が起きた。
異変と言う以外表現が存在しないが、具体的に言えば天井と言うか、空が光ったで何かと思い見上げると空に強い光が見えた上に、その光を確認したと同時に、光りから何かがすごい速度でオレとニクサーの中間に落ちて光も消えた。
「―――なんだ? 棒? いや、槍?」
落ちた物体はと言えば落下した瞬間に大きな音がしたで、オレが何かと思い眼を向けるとそこには光る細長い物体と言うか、槍と思わしき物体が突き刺さっていた。
「―――?! 待て!?」
普通な物体ではないのは明確だが、触れない限りとか相手をしない限りは問題ないと判断してニクサーにあらためて眼を向けたのだが、ニクサーは不意に槍に眼を向けたみたいな素振りを見せると後ろに下がった。
正確に言えば、これはまずいから一度退くと言うみたいなそぶりを見せて姿を消したで、オレもそう思ったのが気のせいではなく間違い逃げると判断して、槍を避けて逃げるニクサーを追った。
「―――」
逃がすとまた襲ってきそうで、動いたら逆に危険だとも後で思ったが身体が動いたで、オレはニクサーが立っていた場所に到達すると銃を構え、ニクサーの逃げた方向に向けた。
「―――いない。逃げられたか―――」
姿は見えないで、仕損じたと言えば滑稽だが、オレはそう思い銃を下し、桐野の方に顔を向けた。
確認と言うか、用心のために再度周囲を確認したが、そんな気配も姿もないで、逃げたのは間違いないと言えた。
「散々だな? お互い?」
「―――はい。」
逃げた理由があの槍かどうか不明だが、桐野と言いオレと言い、言葉が出ないと言うか、ほかに言葉が出ないで、桐野は胸をなでおろした表情を見せた。
「―――それにしてもこれなんだ?」
「知りませ―――」
「!?」
藪から棒にとか言っている場合ではなく、楓の死体の問題もあるが、オレは槍の方に眼を向け、桐野に質問するが、桐野も聞かれても困ると言う反応の最中、不意に地響きと思わしき音が聞こえた。
正確に言えば足元と言うか、あの槍が突き刺さった場所から聞こえるで、オレは勢いよく後ろに下がり、銃を向けながら後退をはじめる中で、槍が動いた。
「―――」
「えええ!?」
動いたと表現したが、言葉通りで、持っている人間と言うか、動かす道具の類も固定されていないが、地面から勢いよく引き抜けた上、空中と言うか、地面から3mほどの高さで静止していた。
魔法とかそう言った非科学的な力の類だと言うのは少し考えたらわかるが、オレも桐野もこの仕事に関与しなければそんなものとは無縁と言うか、理解していても言葉が出ないで、桐野もおどろいていた。
「―――!」
槍に見えるが実際は生物と言うか、意志を持っていて危害を加えてくるなら撃つと思いいつでも撃てると言う中で、オレは身体に異変を感じた。
「ぐ、う? ぅう? ぉ、ぁ―――」
緊張とか恐怖感とか、それに不慣れな環境で起きる可能性もあるが、身体が動かないのだ。
正確に言えば思う通りに動かせないと言うか、身体の一部分が固定されているとか、固くなっていて動かすのに力が普段以上に必要だと言うのが的確だった。
左手の引き金を動かす人差し指が動かないで、左眼もスコープから離せず、腕と言うか、腰から上は動く気がするがほとんど固定されている状態で、足はと言えば動くが走れず、大きく動けばたおれると言うか、震えていた。
「―――!」
桐野の方向にも眼も向けられないで、オレの身体の震えに気付いているかもわからない中で、槍が不意にゆっくり動くと言うか、刃先がオレに向いた。
「!」
「山中さん!?」
位置から見てこれがオレに飛んで来たら間違いなく心臓の当たりに直撃すると言う時に、槍はオレに向かって勢いよく飛んできて、逃げられないので無論突き刺さり、勢いでオレはたおれた。
「―――桐野! 逃げろ! 逃げるんだ! 振り返るな! いいから行け! オレはもうたすからない!」
「―――」
「命令だ! 行け! 生きろ! 生き残るんだ! 死ぬな!」
銃を落としたと言うか、身体の自由が戻ったが、それに感謝する時間もないと言うか、明らかに死が秒読みなのは言うまでもないと言うか、この槍がなにをするかわからないで、オレは桐野に向かって逃げろと叫んだ。
オレの身体と言うか、刺さった位置と見えた時の長さから見て間違いなく槍は貫通していると言うか、桐野は間違いなくそれと言うか、流れている血も見ている可能性もあるで、オレが思うよりも悲惨な光景を見ているのは間違いなかった。
叫んだ中で何とか後ろを見たのだが、桐野は完全に腰を抜かし、脅えた表情をしていた。
「―――?」
オレもこれで終わりかと思ったのだが、オレは不意に違和感に気付いた。
一番の違和感は痛みで、全然感じられないと言うか触れている感触程度で、冷静に考えてみれば普通は大量に出血が起きるはずだが、刺さっている場所からは血が出ていない以前に微塵にしみた形跡もないと言うか、服も破れていなかった。
脳内麻薬とかの過剰分泌で痛みを感じなくなると言うが、それ以上の状態にも感じられた。
「―――?!」
漫画とかの類で命を吸い取る武器とかがあるが、もしかしてその類いで、命がすわれている途中で、痛覚の類も感じない仕組みなのかと考えた点は置いて、思わず触れたのだが普通では絶対に起きない異変が起きた。
「うわわわわわーっ!?」
「どうなってる?」
異変と言うのは、どう見ても刺さっていると確定している場合不自然な方向に動いたと言うよりも移動したで、オレは確認のために手に持って左右、そのあと上下、そして極め付きに前後に動かしたのだが、痛みは感じなかった。
突き抜けた後ろ側にも見事に反映されているみたいで、桐野が悲鳴を上げたが、オレはと言えば痛みも感じなかったで、不自然だと言う反応をするしかなかった。
「―――――?」
医学的に症例が存在して、天文学的な可能性もあるが急所や痛覚を外れたのか言う可能性以上の問題だが、オレはと言えば刺さっている以外異常を感じなかった。
動けそうだと思い立ち上がった上銃を手に取り桐野に眼を向ける中で、強いと言うか、凄まじい勢いの風が起き、桐野も動転している中でそれがと言うか、元凶と思われる物体がオレの眼の前で止まった。
「―――リードか?」
『―――?!』
「逆にオレに説明してほしいんだが?」
膝をつきかけた人型に見える上、眼が青白く光っているで、リードが来てくれたと言うか、リードだったのだが、リードはと言えば周囲やオレの姿を見ておどろいたが、オレもそんな顔をしても困ると言う反応をするしかなかった。
『―――神器の一種みたいだな?』
「神器? 呪い槍の間違いだろ?」
リードはと言えばハイブリッダーとして速攻で分析したみたいで、オレに近づきながらこれはと言うせつめいをしたが、オレはと言えばそう言われても納得できるかと言う回答だった。
「命の危険があるか聞いてもいいか?」
『―――』
「言っとくがオレの責任ではないからな。」
一番肝心な質問だと言う聞き方をする中でリードは槍に触れたのだが、槍と言うか、触れた場所から電気と思わしき光が出てリードの身体全体を包んだ。
明らかに有害そうだと思い見ていたが、オレはと言えば何もしていない言う返しをするしかないと返す中でリードは手を離し、光も消えた。
『命の危険はない。貫いても大丈夫だ。』
「―――」
『信用しろ。』
質問に答える言う反応でリードは返したが、本当かと言う反応をするしかない中で、リードは何度も言わせるなと言う返しをした。
「―――」
言う通りに右手で抜いたと言うか、正確には横に移動させて身体から出したのだが、持っている手以外は無視するみたいな動きできれいに抜けた。
「―――?」
『大丈夫か?』
「あーあ、気絶してるよ?」
最初に見た時もだが、長さも最低3mはあるで、どうしてこんなものがと見ている中でリードは動いたと言うか、桐野に近づき、ほおを軽くたたきながら声をかけたが、眼を開いて、白目は向いていないが、完全に気絶していた。
正確に言えば、リードがほおを軽くたたく中でたおれたで、オレも苦笑いするしかなかった。
桐野の反応の方がある意味普通と言うか、オレも気絶していたらある意味楽だったかもしれないが、この槍の始末をどうするかと考える時間も必要で、迷う時間も長いかもしれないが、悩んだ分早く解決してほしいと祈るしかなかった。
問題が増えるのはもう当然の状況で、受け入れると言うか、半場諦めると言うか、真実の追求をあきらめてはいけないが、わたしアリーの目下の一番の疑問は、ドギーとアンの2人がどうやって無事に、それも気付かれずに帰ったかと言う話と言うか理由だ。
逃げる時にあの場所を探したが2人の姿は見受けられない上、山中の言った通りでわたしたちでも近づくと即死する危険のある場所も感覚上見受けられ、果てにはわたしの力でも進行不可能に近い非科学的で見えない隔壁が構成されている場所まで存在した。
山中の言葉に言質は取れたとも言えるが、それは後回しにすると言うか、形勢不利で引き返したのだが、アンとドギーの回収を忘れたと言うか、どうするかと思う中で、後ろにいたドギーがわたしを呼んだのだ。
「アリー、おい、アリー?」
「!?」
「アリーさん。」
山中から逃げ切れたとしてもあの場所にいれば殺される可能性がある上、たすけられるのはわたし1人だが、山中が使っていたあの銃弾を持っている敵が大量にいる可能性があるで、迷っている中でドギーはわたしを呼んだ。
わたしはと言えば考えていて呼ばれたことに気が付かなかったと言うか、ドギーが名前を再び読んだ時に反応して、ドギーかと思い勢いよく振り返るとドギーの姿が見えた上、アンも無事で、わたしの名を呼んだ。
「―――2人とも、無事だったのね?」
「ああ。アリー、お前もけがはないか?」
「わたしは大丈夫。撃たれたけどもう回復してる。」
2人はと言えば元気そうで、わたしが近づく中で2人も普通に近づいて来たで、わたしがよかったと言う反応の中でドギーは心配した物言いで、わたしはと言えば問題ないと返した。
「アン、あなたは?」
「大丈夫です。」
「ならよかった。」
アンはと言えばわたしとドギーを見て安心したと言う表情で、わたしはと言えばアンも心配で、大丈夫かと聞いたが、アンはと言えば問題ないと言う表情で返し、わたしも一息つけたと言う状況だった。
「それにしても、どうやって脱出したの?」
「あ、いや、それは?」
一安心したが、目下の一番の問題は解決していないで、ドギーに疑問をぶつけたのだが、ドギーはと言えばそれを聞かれたら困ると言う反応だった。
「?」
「あの、その、わからないんだ。」
普通にと言うか、状況を踏まえればドギーが何かをする以外ないで、速く話してと催促する気はないが、この状況で待たせるなと少し思う中で、ドギーは実はオレにも理解不能だと言う返事を返した。
「―――え?」
「本当だ。気づいたら、ここに戻ってた。いつの間にかだ。うそを言う気はない。本当だ。」
本人がわからないと言った以上、わたしが理解するのは不可能だが、どういう意味だと言う反応をするしかない中で、ドギーはうそを言う気はないと言う返答をした。
「アンも同様だ。アン? そうだよな?」
「―――」
「アン? おい? 頼む!?」
ドギーが返答に困っている中でアンに顔を向け、お前も同じだよなと言う表情で聞く中で、アンはどうしてかドギーからと言うか、わたしからも眼を反らしていた。
「―――?」
「―――頼む、アリー、信じてくれ? 本当なんだ。」
現状なにが起きても不自然ではないで、ドギーの話もうそではない可能性も高いで、アンもドギーと同じ状態で混乱しているのかと思ったが、わたしはアンの表情が、微妙にそれとは違う気がした。
ドギーが呼んでいるがそれを無視して見る中で、わたしはアンのその表情が、少し独特なのを理解した。
子供特有と言うか、結果としては最善の判断だったが、親の約束を破ったと言うか、実は悪いことをしていた部分があると言う表情だった。
わたしアンは脱出するためにテレポートを使った上、それを使ってドギーもたすけ、アリーと合流したと言うのが現状だが、わたしはと言えば、たすけたのは問題ないと考えているが、別の問題が眼の前で起きていると言えた。
2人に対して真実を話すべきかと言う問題で、わたしはこれまでの人生もあるで、迷って決められなかった。
予知もあるが不意に聞こえてきた声を聞いてたすけに来たと言うのも問題と言うか、本当にたすけが必要だった状況で、わたしも表には出していないと思うがかなり動転していた。
黙っていれば理由はわからないで、わたしの力を知られる危険はないが、あの声を信用して話すにしても、信用されるかと言うか、嫌悪されないかと言う危険性も存在した。
「―――アン、まさか、あなたなの? あなたがやったの?」
「へ?」
3人の会話が少しの時間止まった中で口を開いたのはアリーで、もしやと言う反応でわたしに核心を突いた質問をして、ドギーはと言えばまさかと言う反応をした。
「アリー、この子は? まさか?」
「いいえ? 普通の人間よ?」
ドギーが信じられないがと言うか、わたしの力を知っていると言うか、何かを知っていると言う聞き方だが、アリーはと言えば同様だがそれはないと言う返しをした。
「待って? そう言えば、ジョセフが、いえ、リードたちも言ってた―――?」
「あ?」
「アンジェラ、どういうことなの? あなた、まさか―――?」
アリーは否定したが、少ししてと言うか、瞬時に少し違うと言うか、思い出してみればと言う反応をした中でジョセフの名前を口にしたと言うか、わたしはバイトをしている店での会話を思い出した。
アリーもだと思うがあの時リードと山中が正体を口にした部分を思い出したで、不味いと思う中でアリーはもしかしてと言う表情で質問をしてきた。
「―――」
「―――ぁっ!? 待って!?」
アリーが足を進める中で、わたしはと言えば後ろに下がり、アリーが呼ぶ前に背を向けて走り出してしまった。
「わたしたちもある意味では仲間よ!」
「―――!?」
「まったく同じとは言い切れないと言うか、違うけど、現実には存在しないとか、信じられていない存在なのは事実よ。あなた以上にそう思われてもいるかもしれない。あなたに話しても信じてもらえないかもしれない。」
走りだし、見えなくなったらテレポートで逃げようと思う中で、アリーが放った言葉はわたしの足を止めて、その考えを止めさせた。
意味が解らないが、一連の流れと言うか、アリーの発言が事実だと言う断言は不可能だが、振り返ってみたアリーはと言えば心配しなくていいとか、逃げなくていいとか、脅えなくていいと言う表情をしていた。
確実に信じられるとはまだ言えないが、状況的には逆説的に言えば逆にうそだとも言い切れないで、わたしは逃げられず、そして事実も告げられない状況だった。
わたしイヴはいつの間にか眠っていたみたいだった。
運転手に起こされたので下りないと不味いと思い、跳ね起きて何とか降りたのだが、まだ眠いと思う中でバスは走り去った。
帰ったら眠ろうとしか考えられなかった。
アンに何か話す必要があると思うが、眠たいと思う気持ちが強いで、眠ってから考える方がいいと考え、わたしは歩き出したと言うか、眠いので無意識で時間や歩いた感覚がないのか、いつの間にか帰っていた。
夢かもしれないと言う考えも起きたが、眠気の方が強いで、それでもいいやと思いベッドに勢いよく倒れて眠った。




