第31話:下剋上頂上決戦! 激突、二大エースの誇り
秋風が吹き抜けるベルーナドーム。超満員に膨れ上がったスタジアムは、異例の熱気と興奮に包まれていた。
プロ野球の頂点を決める待望の「日本シリーズ」が、ついに開幕する。
今大会はセ・パ両リーグともに3位からの怒濤の快進撃を見せたチーム同士が顔を合わせる、球史に残る奇跡の「下剋上決戦」――埼玉ジャガース対広島東邦カーズの激突となった。
注目を集める第1戦、ジャガースの先発マウンドに上がるのは、クライマックスシリーズで完全試合と大逆転劇を演じたエース・銭形豹馬! 対するカーズの先発も、160km/hに迫る直球と鋭利なカミソリシュートを誇る若き絶対的エース・平松陽星!
投打の「二刀流」と本格派右腕のライバル対決に、全国のプロ野球ファンの視線が注がれていた。
この日のテレビ実況中継は、超豪華な布陣で放送席が固められていた。メイン解説に松江嘉寿夫氏と松永大輔氏、さらに現役選手ゲストとして東北円天ゴールデンイーグルスの伊達鷲一郎、読報ジャイアンツの「弁慶」こと藤堂弁慶がスペシャルゲストとして顔をそろえていた。
「今回の日本シリーズは、セ・パ両リーグともに3位から勝ち上がってきたという、非常に珍しい『下剋上決戦』となりましたね」
アナウンサーの問いかけに、メイン解説の松江嘉寿夫が力強く頷く。
「そうですね。何と言っても銭形と平松は、高校時代から互いにライバルとして意識し合ってきた間柄です。初戦から相当に壮絶な投げ合いになることが予想されますよ」
続いて松永大輔も笑顔を交えて語る。
「僕も嘉寿夫さんの仰る通りだと思います。お互いに譲れないプライドがありますからね。この第1戦は目の離せない締まった投手戦になるでしょう」
ゲストとして招かれたライバルたちも、二人の対決に熱い視線を送っていた。
「銭形は新魔球を増やし、投手として格段に進化しています。ですが、平松のあのカミソリシュートもそう簡単には打てないでしょう。実にハイレベルな戦いになります」
伊達鷲一郎が鋭い洞察力で語れば、弁慶も豪快に笑みを浮かべる。
「銭形も平松も、お互いに意地とプライドをぶつけ合うはずだ! いやあ、観ているこっちまで血が騒いできたぞ! 面白くなってきた!」
実況席の熱気が高まる中、両チームの先発メンバーがアナウンスされた。
【先攻・広島東邦カーズ】
1番(中)大守稔
2番(二)勝部成
3番(左)ソンドロ・フェブアン
4番(一)エレフリス・モントラ
5番(指)秋川省吾
6番(三)佐々野泰
7番(捕)元丸大輝
8番(右)平山連
9番(遊)三俣翔一
先発投手:平松陽星
【後攻・埼玉ジャガース】
1番(遊)猿飛英恵
2番(二)滝川夏央
3番(指)銭形豹馬
4番(左)ロイ
5番(一)テーラー・ナビン
6番(中)長谷山信也
7番(右)アレックス・カネリア
8番(捕)香島太雅
9番(三)渡鍋聖弥
先発投手:銭形豹馬
両雄相まみえる運命のマウンド。
グラウンド中央に銭形豹馬がゆっくりと踏み出し、ロージンバッグを手に取って息を吐く。バックスクリーンのオーロラビジョンには「3番・指名打者」兼「先発投手」の文字が誇らしげに輝いていた。
「プレーボール!!」
審判の甲高いコールが響き渡り、ベルーナドームを揺るがす大歓声の渦の中、日本一をかけた頂上決戦の火蓋が、いま静かに切って落とされた!




