死神の氷【グレイエルグ・キラー・アイス】
弥生「【破壊水エクスプラズマ】‼︎」
ミュウヤ「…なぜ使える?」
〔…!〕
〔あれは…〕
弥生とアシュラは、手を繋いでいた。
〔魔力を渡している…〕
ビュウッ‼︎
と、風が破壊水を抑える。
〔成る程、母の【即死効果】にかけたんだな〕
〔確かに、アシュラ拳とはまた違う破壊方法…通用しなかったからには、賭けたくなる気持ちはわかる〕
〔だが…〕
ミュウヤは笑顔になる。
ビュルルルルルル…
2人「‼︎」
ミュウヤ「残念だな…どうやら、根本的な問題だ」
ビュルルルルルル…
風が、破壊水を捕まえてゆく。
風は、破壊水を捕まえる。
弥生〔効かないのか…⁉︎〕
ミュウヤ「母よ…手加減しろなんて言ってないぞ」
弥生「‼︎…」
弥生は、膝から崩れ落ちた。
仕方がない。
アシュラ「…チッ」
「逃げるぞ弥生!」
「チェリィも!」
「キュウも!」
…返答はない。
キュウは、気を失っている。
チェリィは、出血し過ぎて動けない。
弥生は…
・・・
アシュラ「…はあ」
「結局…最悪だなぁ」
アシュラは、立ち塞がるように弥生の前に立つ。
ミュウヤ「貴方は…どうするんだ?」
「これから一緒に『死ぬか』?」
アシュラ「やっぱガキは嫌いだな」
「15歳ぐらいのくせしてよ…お前はあいつに負けてるよ」
ミュウヤ「…」
アシュラ「これが【皇帝】なんだな、結局最悪だなぁ」
「【赤式アシュラ拳】‼︎」
ミュウヤ「!」
〔目くらましか…!〕
〔…うまい!あの虎…なんだこの技術は‼︎〕
「風!」
ビュルルルルルル!
ビュルルルルルル…
〔…既に誰もいないか〕
〔なんて逃走技術なんだ…あの虎め…〕
〔アシュラ拳のことなら、なんでも知っている、か〕
〔より環境を破壊できる最高の角度まで…〕
〔やられたな〕
〔…まあ、そのまま逃げるわけじゃないだろう〕
〔街はほっとけないはずだ〕
〔ちょっと外に出て威嚇すれば…〕
ガラッ
ザク…ザク…
「うっとおしい花畑だ」
ザク…ザク…
「この街ごと…全部消し去ろうか…!」
〔さあ、どう出る…虎!〕
その時。
だんっ
…何か音がした。
〔なんだ…?〕
〔‼︎…あれは…‼︎〕
恐らくアシュラによって、
花畑に、キュウが捨ててあった。
ミュウヤ「なんのつもりだ…?」
そして。
だんっ
ミュウヤ「…!」
家の玄関…少し後ろの方で、音がした。
振り返ると、チェリィが捨ててあった。
「…まただ」
「なにがしたい」
「出てこい虎」
すると。
だんっ
もうわかる。
振り返ると…
弥生が、足元にいる。
ミュウヤ「さあ、来い!」
「どうした、怖気付いたか!」
その時‼︎
ギュオッ‼︎
〔…アシュラ拳の反応だ!〕
「そこだ!」
風が向かう!
「暗殺向きではない事も、知ってる筈なのに、」
「情けないなァ!!!!!!!虎ァ!!!!!!!!!」
風が…‼︎
アシュラ拳を潰す‼︎
…だがいない。
だが、アシュラはいない!
アシュラ「目の前だバーカ」
ミュウヤ「‼︎」
アシュラ「【天式】【アシュラナックル】‼︎」
ミュウヤ「…至近距離技だと⁉︎」
ドガアッ‼︎
頬に直撃する‼︎
アシュラの光る拳が‼︎
…だが!
ミュウヤが霧のように消える!
アシュラ「これは…【陶芸家】か‼︎」
「…はっ」
「本物はどこn」
グサッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…あがっ…は…」
「ミュウヤ…」
アシュラが気絶する寸前に呼んだ者、
そのミュウヤが、部屋の奥から出てくる。
「なんでアーティストが負けるんだ…⁉︎」
「こいつ一体何者だ⁉︎」
⁇「…仲間だよ」
ミュウヤ「…!」
弥生「仲間と一緒だから、強いんだよ‼︎」
ミュウヤ「…母‼︎」
アシュラ:気絶、再起不能。
チェリィ:気絶、多量出血。
キュウ:気絶、目を覚ます五分前…
ピクッと、一瞬だけキュウが動いた。
だが、意識はまだ、戻らないーーーー
ーメィプルside
メィプルは、イカロスが「GO」の前に呟いた一言を思い出しながら…広場へ入ってゆく。
その一言とは…
「ミカエルの逆で行く」
ミカエルの作戦、それは、
“もし援軍に入りたい場合は、わざとダイヤを攻撃しろ”
“ルシフェルに攻撃しても、君たちは意味をなさない”
“敵を錯乱させることだけを考えろ”
だった。
だが、イカロスは見抜いていた。
それは、【常套手段】だということを。
その意味は、『ポピュラーな戦法』。
イカロス〔オセロで角を取ったり、〕
〔将棋で飛車角を使ったりする様なことだ。〕
要するに、ルシフェルにはそれすらも通用しない。
当たり前だ。相手は神の半分の力を持っている。
自分がもしルシフェルなら、ルールなんて守らない。
自分だけに適応するルールを使って、殺す。
ミカエルがいっているのは、
・わざと角を取らせる
・わざと飛車角を取らせる
ルシフェルは恐らく、盤をひっくり返すだろう。
そうなれば、計画なんて関係ない。
俺たちがするべきことは、
・対戦中に「負けるかも」と言ってあげること
つまり、『勝ち試合』だと錯覚させる。
そうすれば、盤をひっくり返すのは、ダイヤだ。
メィプル「…て、そんなとこかな」
ダイヤ&ルシフェル「…」
「邪魔が来たか」
フェンリル「…」
「貴様にこの世が本当に救えるのか…」
「星1つ滅ぼす予定のルシフェルを本当に倒せるのか…見せてもらうぞ、ダイヤ!」
フェンリルがダイヤへ向かう!
が、しかし!
フェンリルは空中で何かにぶつかった。
だが数秒後、理解する。
ダイヤに跳ね返されたのだと。
ドッ‼︎
「…なぁ⁉︎」
「ぐあああああ!」
ドンッ‼︎
と、壁に激突する。めり込む。
「ぐはっ…何…だと…⁉︎」
ほ…ほんとうに成長している…!
『魔王を軽くあしらうレベルにまで』‼︎
わかったぞ…今の攻撃で…
ダイヤは…ダイヤは…
【堕天】すれば互角になる…!
「なるほど…『天才』を得た『努力家』か…」
「私の敵う相手じゃない…帰るか」
…
…彼らの邪魔にならないようにね…




