授賞式X
バイル・アクシアは、初めて人形と共存した人間。
その生活を、ぜひ知りたかった。
だから、情報の提供を求めた。
アクシアは、【弟子にしてくれたら】と、
言ってきた。
条件は成立した。
そして、授賞式。
参加者ではなかったが、フェンリルがやたらダイヤを気にしていたので、カメラを持って会場に来ていた。
そこで見たこと。
伝えられたこと。
ミカエル「【チェリシュ】を開始する…」
「ミカエルからダイヤへ!」
ギュイイオオイアアオオアアン!
ダイヤ「凄い!」
〔これが大天使の力…〕
〔だが…〕
ミカエル〔良し…あと1割…〕
その時。
バギンッ…と、音が聞こえた。
ミカエルは、その音の正体に気づく。
「おい…ダイヤ…」
ダイヤ「なんだ?」
ミカエル「『今何をした⁇』」
ダイヤ「なんのことだ?」
ミカエル「とぼけるな‼︎お前…今‼︎」
「チェリシュしたエネルギーを…破壊したな⁉︎」
ダイヤ「うん。」
ミカエル「なんてことを…‼︎」
「ダイヤ…貴様!ルシフェルの手下だったのか‼︎」
そう叫ぶと、ミカエルは想像した。
「その力が消えれば…」
「その力が消えれば…」
ルシフェルは止められない。
まず貿易を止めたあの星の住人を皆殺しにする。
神は死ぬ…世界に混沌が広がる。
結果的に、世界は崩壊する。
終わった。
まさかこんなところに伏兵がいたなんて…
ダイヤ「違う。手下なんかじゃない。」
「わたしは紛れもなくお前の味方だよ、ミカエル」
ミカエル「…え…?」
ダイヤ「うちの両親は、ヴァルハラの者だった。」
「見たことはないが、ミアズマのことなら知ってる」
「どうだ?『全人類分』の『死』を想像したお前からなら、大量のミアズマが出てるんじゃないのか?」
「残りの1割に、それを混ぜて渡してくれ。」
「それを使って、一年でお前を超える」
ミカエル「……え?」
あっけにとられていた。
多分、天国から見ていた神も、
ライブ中継で見ていたフェンリルも、
同じリアクションをしただろう。
正義とは程遠い力。
ミカエルの人生を犠牲にして、
自分の【才能】を強くした。いわば外道。
だが、次で説得される。
「それとも、借り物の力で、勝てるのか?」
ミカエル「…‼︎⁉︎‼︎」
「…わかった…」
「本当に成長するんだな⁉︎」
ダイヤ「ああ。」
ミカエル「…残り1割… 真の景品だ」
アクシア「…⁉︎」
「フェンリルさん…あれって…」
フェンリル〔ああ…あいつは…ダイヤは…〕
〔宿命の歯車の1つを…奪い取った⁉︎〕
「ダイヤがミカエルの想像通り成長したなら、」
「チェリシュしたより、強くなる。」
アクシア「大天使を超える『素質』を手に入れたのか…」
フェンリル「そして、歯車の一部の破壊…」
「じゃあ、ルシフェルが探している『神殺し』って…」
アクシア「ん?なんか言いました?」
フェンリル「いや、なんでもない。」
「そこは危険だ、今すぐ家に帰りたまえ」
アクシア「?…はい」
〜現在〜
イカロス「そんなことが…⁉︎」
レン「弟子…⁉︎」
フェンリル「おっと、もう時間だ」
「『観測者』として、2人の実力を試さなくては」
イカロス「待て!」
フェンリル「…ごめんね」
「待ってられないんだ」
「…アクシアはよく、君たちを褒めていたよ」
「じゃっね」
イカロス「…ま…」
「…」
レン「…」
イカロス「…ここでバイルを見ておいてくれ」
「俺はアシュラを持ってくる」
レン「!わかった」
イカロス「すぐ戻る」
レン「うん!」
……
イカロス「…お前」
メィプル「…」
イカロス「…聞いてたのか?」
メィプル「全部な」
イカロス「で、どうするんだ?」
メィプル「ルシフェルを殴りに行く…魔力無いから」
「努力なんて曖昧な力には、命を預けない」
「そう決めている」
イカロス「そうか。俺は止めないよ」
メィプル「お前は?」
イカロス「アシュラを回収する…その後考えるよ」
メィプル「そうか。…今の所は【互角】だ」
「でも、少し表情が良くなかった」
イカロス「わかってる…手助けにはこっちも行く」
メィプル「待ってるぞ」
イカロス「おい」
メィプル「?」
イカロス「死ぬなよ」
メィプル「さあ、どうだろうな」
その時だった‼︎
豪オオオオオオオオオオオオ‼︎
2人「え…?」
2人の横を、何かが通りぬけた。
黄色い影が…!
メィプル「…アシュラ!」
イカロス「動けたのか⁉︎」
ビュウアウエエエアエウウアウウウウウウ‼︎
そして、玄関から街へ向かう。
レン「…え⁉︎」
「今のは…アシュラさん⁉︎」
「アシュラさんは倒れていたはずだ。」
「なぜあんなスピードで進めるの…?」
ビュオオウオオオアオオオオオオウオア
キュウ「…?」
「なにか…くる?」
キュウは、バベルの塔と街の中間にいた。
その時。
がし。
何かに掴まれた。
捕まえられた。
キュウ「ええ?えええ?」
「私の首根っこを物理的に掴んでいるあなたは…?」
「ってうお⁉︎」
ビュオオウオオオアオイオオオアオオオアア
「は、速い⁉︎というか…飛んでる‼︎」
〔足の裏が反重力なんじゃないの⁉︎全然落ちない!〕
「あなたは一体…って、アシュラ!」
アシュラ「ーーーーーたいーーーーーー」
キュウ「な、なんて⁉︎」
「風で聞こえない!」
アシュラ「ーーーーーーーーまちーーーー」
キュウ「わかったもう喋らなくていい!」
街に向かっているのはわかる…
弥生ちゃんは無事か…?
アシュラ「ーーーーわーーーーーーーーをーー」
弥生「…無事でいてくれ」
チェリィ「…貴方の家はあの花畑の上だったね⁉︎」
弥生「うん!」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!
ガタッ!!!!!!!!!
弥生「みんな‼︎」
チェリィ「無事⁉︎」
……
静かだ。
一歳に満たないので、返事がないのは当たり前だが。
弥生「まさか…」
チェリィ「そんな…⁉︎」
〔細菌兵器とかだったのか⁉︎〕
……
すやすや…
弥生「…あ…」
チュウヤ「…おかーさん?」
弥生「チュウヤ‼︎」
チュウヤ「おかーさん」
弥生「チュウヤ…‼︎」
チェリィ「良かった…」
弥生「【チェリィやったぞ!】」
チェリィ「全員無事なの⁉︎」
弥生「いや、まだ全員は…確認できてないけど」
「家は破壊されてないし、寝息が聞こえる」
「良かった…ほんとうに…」
「チェリィありがとう‼︎あなたのおかg…」
チェリィ「…」
弥生「チェリィ?」
「どうしたの?」
チェリィ「弥生…」
弥生「?」「‼︎まさか…!」
チェリィ「いや、そうじゃない」
「怪我をしてる子供はいない」
弥生「な、なんだ…」
「びっくりさせないでよ」
チェリィ「ねえ」
弥生「ん?」
チェリィ「8人だったよね?」
弥生「うん…そうだけど」
チェリィ「9人じゃないよね…?」
弥生「うん…」
チェリィ「ゆりかごの数を数えて」
弥生「?…わかった。に、し、ろ、は、…」
「⁉︎」
チェリィ「……」
「増えてるんじゃない⁉︎」
弥生「離れて‼︎」
ザザッ‼︎
……
あるはずのないゆりかごが…1つ…
チェリィ「皇帝と関係あるのかな⁉︎」
弥生「わからない‼︎でも‼︎」
バッ
「チュウヤは無事だった」
チェリィ「…実は9個ありましたってえわけじゃ」
弥生「ないよ」
「生まれてから買ったもん」
チェリィ「…ひとつづつ確かめるしかないのか…」
弥生「屋根付きだからな…まず、2つ目」
バッ‼︎
「3つ目」
バッ‼︎
「4つ目」
ーーーーーーーーーーーーーー
「8つ目」
バッ‼︎
チェリィ「8つ目が終わった…」
弥生「…空か、なんだったんだ、これは…」
「破壊水‼︎」
ジュウ‼︎
チェリィ「残る1つにミュウヤがいればOKと」
ミュウヤ「おかーさん」
…え?
ビクウウウッ‼︎
弥生「え、なんで地べたにいるの⁉︎」
チェリィ「弥生、あれ…」
ガサガサ…
弥生「…⁉︎」
「ゆりかごが動いてる⁇」
チェリィ「8人なんだよね?」
弥生「ああ…」
そういうと、弥生は近づく。
緊張がほとばしる。
…………。
屋根を開け…る!
弥生「‼︎」
…何もない。
「…はあああああ。」
チェリィ「良かった…でも、さっきのは一体?」
弥生「さあ…とりあえず、子供を安全な場所へ…」
チェリィ「…」
弥生「なにしてんのよ?」
チェリィ「なあ弥生、この街には他にも住人がいるはずよね?なのに当たり前の様にここに来て…良かったのか?【皇帝石】はどこに落ちたんだ?」
「逃した私が悪いんだけどさ…」
弥生「大丈夫。いや、大丈夫じゃないけど」
「実は、街にはミカエル製のバリアを張ってある」
「バリアのどの部分が破損しているか、確かめるにはここの装置を使うしかない」
チェリィ「なるほど」
弥生「えっと…」
「ああ、ここだ。真上だ。あははは。」
チェリィ「へー。…ってええええええええ⁉︎」
「なに笑ってんだよ⁉︎やばいだろうがよ‼︎」
弥生「チェリィ」
チェリィ「ん?」
弥生「笑い事じゃないんだ」
チェリィ「いやお前が」
弥生「屋根のバリアが潰れてるんだよ」
チェリィ「なら、家の中に【皇帝】が⁉︎」
弥生「…ということになる」
チェリィ「チッ面倒だ」
ミュウヤ「ねーねーお姉ちゃん」
「さがしもの?」
チェリィ「あー…まあね」
「あなたはゆりかごで寝ときなさい」
ミュウヤ「はーい」
チェリィ「持ち上げるわよー」
弥生「!!!!!!」
「チェリィちょっと待って‼︎」
「その子から手を離して‼︎」
チェリィ「うおびっくりした!」
「なになに⁉︎だき方違った⁉︎」
弥生「それはミュウヤじゃない‼︎」
チェリィ「え?」
弥生「【破壊水】‼︎」
チェリィ「ちょっとなにを‼︎」
ジュウウウウウ…
ガー…ビー…『機能を停止します』…
「…ロボット?」
弥生「クソ!」
「ミュウヤ何処に!」
チェリィ「…慎重にいきましょう」
「邪宝石は、洗脳も出来ることをお忘れなく」
ーーーーーーーーーー
弥生「この先の部屋…倉庫だけど」
「『爆薬』とか『危険物』とかは置いてない…」
「でもそれよりよっぽど危険な【皇帝】があるっ‼︎」
「間違いないわ…」
チェリィ「どうする?」
弥生「チェリィは出口を見張って」
「なにかあったら、私を置いて閉めるのよ」
チェリィ「…わかった」
弥生「覚悟は…決まったわ‼︎」
「あなたは?」
チェリィ「わたしもよ」
弥生「良し…では、突入‼︎」
バッ‼︎!!!!!!!!!
…!
「穴!というよりこれは…」
チェリィ「クレーターだ‼︎」
弥生「でも、皇帝がない!どうなって…」
…グサリ。
チェリィ「…え?」
「嘘…?」
弥生「どうしたチェリィ…⁉︎」
⁇「ダメだな…背後には気をつけろ」
「‼︎⁉︎」
そこにいたのは…
ーーーー
アシュラ「ついた!」
キュウ「速いね…でもそれより、弥生たち!」
アシュラ「!ドアが開いてる!」
キュウ「…行こう!」
アシュラ「?…弥生の声だ」
キュウ「チェリィと話してるのかな?」
……
弥生「……ミュウヤ?」
2人「弥生!チェリィ!」
「…?」
弥生「ミュウヤなの⁉︎⁇⁈⁉︎‼︎」
2人「えっ」
…なぜ息子が?
チェリィを刺したの?
…なぜ一歳の息子が、
10代の姿なの⁉︎
でも…これだけはわかる。
あれは息子だ
あれは息子のミュウヤだ
アシュラ「どうなってるんだ…⁉︎」




