表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

最後のラブレター

○月×日、日本から一人の男が消えた。


◆◆◆


 愛理へ


 急にびっくしたかな?びっくりしたよな。俺は消える。真菜のために消える。このままじゃ真菜は死んでしまう。もうこれしかないないんだ。他に方法が見つからないんだ。愛理ごめんな。二人で他の方法を考えようって、真菜と三人で生きていこうと約束したのに。本当俺は嘘つきだ。結婚する前にもしてからも嘘つきって何度も怒られたな。怒ってくれていい、恨んでくれていい。いや本当最低だな、俺は。

 最後にこれだけはいっておきたい。ありがとう。こんな最低な俺と結婚してくれて、そして、真菜を産んでくれてありがとう。君と真菜といる時間は本当に幸せだった。君と真菜と暮らした時間は僕の大切な宝物だ。本当に幸せだった。ありがとう。本当にありがとう。俺の人生は君と真菜のお陰で素晴らしいものだった。


 真菜へ


 真菜、小学校卒業おめでとう。来年からは中学生になるんだな。ごめんな。始業式に出れなくて。お願いがある。これからはお母さんを助けてあげてほしい。しっかりしているようで弱いところがあるから、真菜が支えてあげてほしい。お父さんはずっと真菜を見守ってるいるよ。大好きだよ。真菜。


◆◆◆


「あ、あれ?どうして涙なんか?別に悲しいことなんてないのに。真菜?」

「お、お母さん、胸が苦しいの。なんでなのかわからないけど胸が苦しいの。」

二人はそれから長い間、リビングで抱き合っていた。まるで大切な思い出を忘れてしまわないように。まるで大切な誰かを忘れてしまわないように。ずっと。

その傍で手紙が空気に溶けて消えた。


消えた手紙の最後にはこう書き記されていた。

愛理と真菜の記憶から、私こと三上一の記憶は消える。そして、二人の幸せをただ願っていると。

読んで頂き、ありがとうございました。

これでひとまず完結とさせて頂きます。

少しでも何かを感じてもらえたのであれば幸いです。

あなたのこれからの人生に幸多いことをお祈りしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ