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07-06 鬼狩

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


その世界には鬼がいる。

人に似た姿で、角が生えている。

力は強く、長寿で、

その姿は美しく、

人をたぶらかすことがある、魔性の存在だ。


その世界には戦士がいる。

鬼を狩り、人を安心させるための戦士が、

職業として存在している。

武器は、おおむねが刀。

そろいの和装で、なおかつ軽装だ。

重い武具など、鬼の前では役に立たない。

一撃か、死か。

そうやって戦士たちの装備や技術は磨かれていった。


アキはそんな戦士の中の一人だ。

アキは少女だ。

大きな、背丈ほどの剣を使う、

戦士の中では異端の存在だ。

アキは、いわゆる戦士の血筋の生まれで、

小さい頃から、鬼を狩るべしと教えられて育った。

アキに恐れはない。

アキは少女でも、立派な戦士に育っていた。


剣の腕は確かに戦士だ。

それでもアキはまだ、恋も知らない少女だ。

鬼を狩ること。

鬼を狩れなかったら、アキは死ぬ。

鬼に殺される。

鬼とはどんなものだろう。

たぶらかされるとは、どういうことだろう。

アキはまだ見ぬ鬼に、想像をめぐらせる。

美しいと聞いている。

それは、どんなものだろうか。

アキには美しいということがよくわからない。

花も刀も季節の移ろいも、

みんな同じものに見える。

特別に美しいということ、それがアキにはわからない。


アキは大きな剣を振り回しながら、

鍛錬を重ね、

鬼のことを思う。

見知らぬ鬼。

人を惑わす鬼。

みんなのために、鬼を狩らなければいけない。

アキの身がどうなろうと。

否、負けるわけにはいかない。

鬼の、その首をはねなければいけない。


みんなのため、アキ自身のため。

鬼を狩らなければ。


鬼に会いたい。

アキは思う。

どれほど強いのか。どれほど美しいのか。

まだ見ぬ鬼に、

アキは、焦がれた。

じりじりと、おそらくは胸を焦がした。

そのことにアキはまだ、気がついていない。

そんな少女、アキのお話。

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