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07-05 夢裁

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


夢を裁く法律のできた国がある。

度重なる悪夢の増加に、

国が本腰を上げた形だ。

違法な夢は裁かれる。

夢が夢として正常であるために、

悪夢や、不健全な夢は取り締まる。

そうして、夢でない現実も、

健全な精神であるようにと。

そういった法律ができた。


国民からの反発は、思ったより少なかった。

この国の住民は、それほど、悪夢に参っていた。

自分の中にこんな部分があるのだと、

突きつけられるのに参っていた。

意識も無意識も自分なら、

このひどい夢を見ているのも自分、

どうにか心が健全になれないものか。

そうしてこの国の住民は、

夢をきちんと裁く法律に賛成した。

誰かどうにかしてくれるならば。

自分でどうしようもない部分を、

どうにかしてくれるならば。


国は、組織を作った。

夢を裁く組織で、

夢取り締まり委員とか何とか、

それらしい名前が上についているが、

動くのはそこに属するものだ。

通称、夢鬼ゆめおにと呼ばれる。


彼らは夢を監視して、

違法、不健全な夢を取り締まり、

裁く権利がある。

夢に関しては、彼らに逆らえるものはいない。

これは、その国の国民が了承した、鬼だ。


夢鬼は、夢に合わせて姿を変えるが、

共通していることがある。

それは、頭に角が生えていること。

夢鬼が来たというのをイメージしやすくするため、

これだけは一応共通としているらしい。


変なことを考えていると、夢を裁かれてしまうよ。

夢鬼がやってきて、夢を奪ってしまうよ。

その国では、そんな風に子どもをしつけるらしい。

夢鬼はどうしようもない無意識の掃除人であり、

理性の象徴とされている。


その国では、

夢まで裁かれる。

それができる国だから、

国民は安心して、眠りにつくことができる。

今は、まだ。


夢鬼は夢を裁きに今日もどこかの夢へ。

国民は、恐れつつも、今はそれを受け入れている。

あるべきかたちになるということは、それだけ魅力的なのだと、

そう、信じている。


そんな国のお話。

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