衆多院帰還、&後日談
前回の続きです。
ああ、長かった。
読むほうも疲れるよな・・・
衆多院「いや、実は寺の中には埋めてないんだ。お金がなくて・・・」
苑自「じゃあ、どこに埋めたんです?」
衆多院「えーと、寺の正面がこっちで・・・こうだから・・・あのはじから4つ目の家の辺りかな?」
苑自主任「あれ、あの家確か来たことが・・・あっ、培句社長の家だ。」
地獄
看取鬼28「また、戻って来ちゃったんですか?」
閻魔「ああ、14階から飛び降りた。」
看取鬼28番「勘弁してくださいよ、お盆の時期でもないのに、そんなに舟出せませんよ。」
閻魔「次は気をつけるから・・・行ってくるよ。」
茄茂泣町
閻魔「ふう、着いた。」
山本婆「うわあああ、爺さんの後ろにトラックがああ。」
閻魔「もおお、みんなもう少し気をつけろよおぉ、とうっ!」
山本婆「爺さん、助かって良かったねぇ。あれ?今、トラックの前に飛び込んで助けてくれた人は?」
地獄
看取鬼28番「もおおおお、気をつけろって言ったじゃああん。何回目だよおおぉ。」
閻魔「本当に申し訳ない。まさか、着いてそうそう爺さんがトラックに轢かれそうになってるとは、思わないじゃん。助けるじゃん、代わりに轢かれるじゃん、ここに戻って来るじゃん。」
看取鬼28番「じゃんじゃん、うるせえなああ。そんなことしないまでも、こっちのしたことはおジャンになっとるんじゃあああ。とっとと行って来おおい。」
閻魔「ひえええ。」
苑自主任「ごめんください、ごめんください。」
培句「はい?あっ、なんだ苑自か。珍しいな。」
苑自主任「あれ?今日、奥さんいないんですか?」
培句「ああ、仲良しの近所のカミさん連中と出かけたよ。もしかして、カミさんに用があったのか?」苑自主任「いえ、そういう訳じゃないんですけどね。あがってもいいですか?今日は1人ツレがいるんですけど。」
培句「えっ?別にいいけど・・・あっ、山本さんの爺さんか。まあ、あがってください。」
苑自主任「どの辺ですか?あっちの部屋の辺り?じゃあ、とりあえずドリルを貸しますから。使い方分かりますね?(小声)」
培句「なんだ?どうかしたか?」
苑自主任「いえ、なんでもないです。」
培句「悪いな、お茶でも出したいんだが、何分カミさんがいないと・・・爺さん何してんのおおお。」
苑自主任「大丈夫ですよ、ちゃんと元に戻る接着剤でくっつけますよ。」
培句「いや、そういう問題じゃないよ、なんで珍しく来た部下のツレの爺さんが社長の家の床掘り起こしてるんだよ。」
苑自主任「社長、もし目の前に苦しそうにうずくまったお婆さんがいたらどうします?」
培句「そりゃあ・・・まあ、助けるかな?」
苑自主任「同じ事ですよ。」
培句「どういうことだよおおお。」
衆多院「あっ、何か硬い物に当たった。よーし、パワーアップ!」
苑自「どれどれ?あっ、これ水道のパイプじゃないですか。」
ブシュー
衆多院「うわっ、チップが飛んじゃった。」
培句「えっ?あれ、爺さんじゃないの?」
苑自「まあ、色々あったんですよ。」
培句「それよりどうするんだよ。部屋の中びしょびしょじゃないかよ。」
苑自「大丈夫ですよ、パイプは接着剤でくっつけますよ。」
培句「いや、パイプは直っても、部屋はびしょびしょのままなんだよ。」
閻魔「ああ、まったくやってられねぇや。あの野郎、どこにいる・・・いた。やっと、見つけた。ごめんよ。」
培句「だっ、誰だあんた?」
閻魔「あなたには、用はないんだ、私はそこにいる男を捕まえに来たんだ。」
衆多院「しまった、ええぃ、ここまできてただ捕まってたまるか。ドリルを喰らえ。」
キュイイーン
閻魔「こざかしい、そんなもの叩き割ってくれるわ・・・」
苑自主任「いや、こんな水浸しのところで機械をつかったら・・・」
ビリビリビリビリ
皆「ぎゃあああ。」
苑自主任「感電するんだってえぇ、言うの遅かったけど。」
閻魔「ヴうう、ここで倒れたらまた怒られる・・・はあっ!はっはっは、ここに来るまでに三回も死ぬほどのケガをしてるんだ。これぐらいで、倒れてたまるか。」
衆多院「ヴうう、ふんっ!こんなところで自爆をするとは、よいしょ。」
閻魔「させるか、札を喰らえ!」
ペタッ ペタッ
衆多院「あっ、体が動かない。」
閻魔「はっはっは、動けないだろう、この札を貼ると、動けないのに加えて地獄から応援が来るようになってるんだ。あれっ?さっきペタッて音2つならなかった?」
苑自主任「それは私が、あなたの背中にあるものを貼ったからじゃないですか?」
閻魔「お前、なんだこれ?しかも、接着剤でつけやがったな。なんだこれ?」
苑自主任「自分の姿を鏡で見れば分かりますよ。」
閻魔「えっ?あれっ?なんでこの脱獄犯の姿になってるんだ?」
衆多院「ああ、そういえば、さっき私のチップも作ったんだっけ・・・(小声)」
ドンッ
看取鬼1番「うおおお、脱獄犯はどこじゃああ。」
閻魔「まっ、まずい。」
看取鬼1番「そこかああ。覚悟しろおおお。皆、かかれええ「」閻魔「ちっ、違う。私じゃなくて・・・うわあああ。」
苑自主任「行っちゃった。あれ、培句もビックリして気絶してる。」
衆多院「やれやれ、助かった。この札を剥がしてくれないか?」
苑自主任「よいしょ、あれ?剥がれませんよ。ふんっ!駄目だいくら引っ張っても剥がれない。」
衆多院「もしかして、普通の人間には剥がせないようになってるのかな?しかし、困ったなあ。このままだと、帰っても何もできない。」
苑自主任「どうします?とりあえず、掘り起こしますか?」
衆多院「うーん…いや、とりあえず今日は帰るか・・・。あれだけ、大騒ぎにしたらこっそり帰ったらバレないだろう。そのドリルだけ持ち帰っていい?」
苑自主任「構いませんよ。」
数日後 地獄
看取鬼達「待たんか、こらあああ。」
閻魔「どうした?また、奴か?」
看取鬼42番「あっ、大王。先日はどうも・・・」
閻魔「もういいよ、傷口もふさがってきたから、また、衆多院の奴が脱獄したのか?」
看取鬼42番「ええ。この前脱獄したときにドリルを隠して持って帰っていたらしくて、地下に蟻の巣みたいにトンネルを掘ってるんですよ。おかげで脱獄が増えてしょうがない。」
閻魔「なんでずっとみんな気づかなかったんだよ。」
看取鬼42番「実はあいつを罰として埋めてやろうとしたときに掘った穴を使ったらしくて・・・」
閻魔「じゃあ、お前たちが『墓穴を掘った』んだ。」
ええ、今回も無事書き終わりました。
なんだか、ゲゲゲの鬼太郎と古典落語が混ざったみたいになってきたな・・・
感想お願いします、作者が寂しがるのと、祟りが怖いので・・・