表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/101

職人確保

オレたちはリタンブールの商業区の一角に来ていた。3階建ての建物には[キリク工務店]と看板があった。


開け放たれた入口を入るとカウンターがあり、髭をはやした屈強そうだが背の低い男が暇そうにしていた。


「こんにちは、キリクさん。」


「おっ、いらっしゃい、ライラックさん待ってたぜ。」


「キリクさん、こちら黒ランク冒険者のアキラさんです。」


「アキラです、よろしくお願いします。」


「あんたが、あの黄金のドラゴンのマスターのアキラさんかい。オレはキリク、見ての通りドワーフで土木工事、建物の設計、建築なんかを請け負ってる。よろしくな。」


オレたちはがっちりと握手をした。





「本当によろしいのですか?」


オレたちは応接室に通されて、話をしていた。ゴールドと子供たちは外で遊ばせている。


「ああこのまま、リタンブールにいてもたまに解体の仕事があるぐらいだ。オレは壊すんじゃなくて造る仕事がしたいんだ。それにあんたなら、オレたちを建物ごと運んでくれるんだろう?」


「はい、それじゃあ、早速行きましょうか?」


「おぅ、たのむぜ。」


「じゃあ、建物の中に人が居ると収納できませんので、皆を一旦外に出してください。」


「分かった。」





キリク工務店の前にはオレたちの他に屈強なドワーフの男たちが10人並んでいる。キリクさんの隣には背の高さがキリクさんよりやや低い可愛らしい女性がいた。


「オレの女房のアキエだ。」


「アキエです。よろしくお願いします。」


アキエさんがペコリとお辞儀をする。


「アキラです。こちらこそよろしくお願いします。」


オレもペコリとお辞儀をした。


「よし、じゃあこの建物と隣の資材倉庫を持って行きたいからたのむわ。」


キリクさんは隣の学校の体育館みたいな建物を指差して言った。


「わかりました。」


オレはアイテムウィンドウを展開し、ドラッグしてキリク工務店の建物の壁に接触させた。


フッと建物が消え、土の地面だけが残る。ウィンドウには[キリク工務店]と表示が追加された。


そのままオレは資材倉庫の所まで歩き、アイテムウィンドウを倉庫の壁に接触させた。倉庫もフッと消えてウィンドウに[キリク工務店資材倉庫]と表示が追加された。


「本当に建物ごと収納できるんだな。」


キリクさんたちが目を見開いて驚いている。


「はい、あんまり人に言わないでくださいよ。」


「あ、ああ…」


「じゃあ、ライトガルドに向かいましょう。」





空き家に居た孤児たちとキリク工務店の人たちを連れてオレたちはリタンブールの西門前のドラゴンポートに来た。


「おぬしたち、離れておれ。」


「分かりました親分。」


最初に見つけた男の子が答えていた。確か名前はトムだったかな?


ゴールドが光の粒子に包まれ、どんどん大きくなっていく。光が収まるとそこには黄金色に輝く500メートルくらいの巨大なドラゴンがいた。


「親分すげぇ!」


トムたちがゴールドのその姿を見て大はしゃぎだ。


『ほれ、トムたちはこの手に乗れ。』


ゴールドがトムたち子供に手を差し伸べてその上に乗るように指示し、そこから首筋に運ぶ。


オレたち大人は尻尾の方から勝手によじ登った。


『皆乗ったか?、』


「ああ、大丈夫だ。たのむ。」


『では、行くぞ。』


ゴールドはゆっくりと羽ばたき、フワリと浮かび上がった。


南西にあるライトガルドに向けて飛行する。


海上に出て雲海を抜けると幻想的な風景が広がった。


「これは…素晴らしい景色ですな。」


ライラックさんが思わず呟いていた。





ライトガルドの湖畔に描かれた巨大な円の中にDの文字、ドラゴンポートに黄金色のドラゴンが着地した。


オレがひらりと着地すると走り寄ってくる小さな影があった。


「ごしゅじんたまぁ!、」


ブルーがオレに抱きついてきた。


「ブルー、ただいま。いい子にしてたか?」


「あい、ブルー、いい子にしてまちた。」


しゅたっと片手をあげてブルーが答える。


人々を降ろしたゴールドが光の粒子につつまれ、幼女の姿にもどった。


「ゴールドおねいしゃん!、」


ブルーがゴールドに抱きつく。


「おぅ、ブルー、ただいまなのじゃ。」


「親分、その子は?」


トムたちがブルーを見てゴールドに問いかける。


「うむ、この子はブルー、我の妹みたいなものじゃ。仲良くしてくれ。」


「わかりました。」


「…くちゃい。」


「え?!」


トムがブルーに近づこうとしたところで、ブルーが顔を歪めて後ずさった。その姿を見てトムはショックを受けている。


とりあえず、トムたちを綺麗にしないとな。


「ゴールド、トムたちを川に連れていって、綺麗にしてやってくれ。」


「わかったのじゃ、ほれ、おまえたち、こっちじゃ。」


ライトガルドの中心部には湖があり、その水はこんこんと湧き続けている。そこから流れ出る水が川となり外縁部から下界に流れ落ちているのだ。その川へゴールドはトムたちを引き連れて行った。


「このあたりですか?」


「ああ、資材運搬のことを考えるとな。」


キリクさんがドラゴンポートの近くを指し示す。


オレはアイテムウィンドウを展開し、[キリク工務店]をクリックした。すると目の前にリタンブールで収納したキリク工務店の建物が現れる。


少し移動し、[キリク工務店資材倉庫]をクリックした。キリク工務店のとなりに資材倉庫が出現した。


よし、ではライトガルトの町を造りますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ