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結婚の条件

「結婚?!」


「うん。」


「・・・してくれるの?」


肩が触れ合う距離のステラさんが真下から上目使いで見てくる。くっ、可愛い。


ステラ邸のリビング。今は夕食の後のまったりタイムだ。皆でソファーに座って飲み物を飲んでいる。もちろんオレはダージリン。


結婚の二文字を聞いて、アリエスやシルフィもグリンっとこっちを見て大注目している。幼女体型のブルーまでガン見している。


「オレは自らの意思で抱き、そしてこんなオレを愛してくれる女全てを幸せにしたいと思ってる。その過程で結婚が必要ならするつもりだ。だが、その前にこちらの世界での結婚についてよく知りたいと思うんだ。教えてくれないか?、ステラさん。」


「・・・わかったわ、それじゃあ、まずアキラさんのいた世界での結婚について教えて、それを聞いて相違点を指摘してみるわ。」


「ああ、オレのいた世界のオレのいた国では、愛し合う1:1の男女が役所に届けを出して、自分の信じる神様に一生苦楽を共に一緒に生きていく誓いをたて、知り合いに告知する披露宴をする。そして、一つの同じ家に住み、子供を作り、一緒に育てて生きていく。・・・って感じかな?、」


「神様に誓いをたてるって・・・なにか契約とかをするのかしら?、」


「いや、形だけの儀式だな。オレのいた世界には魔法とかは基本存在しないから。」


「それで、ちゃんと子供ができるの?、」


「ん?、セックスして、運が良ければできるぞ。こっちじゃ、そうじゃないのか?、」


「・・・なるほど、だいたい分かったわ。」


ステラさんは、紅茶を飲んで一息入れた。考えをまとめているみたいだ。


「まず、このコーカス王国とその周辺諸国では、1:1の男女でなければいけない縛りはないわ。力のある男は複数の女を妻とするし、逆に力のある女は複数の夫を持つこともある。あと、数は少ないけど複数対複数の夫婦もいるわ。まぁ、大多数の庶民は1:1の男女が夫婦になることが多いけどね。」


「うん、そのことはビルとかに聞いたことがある。」


「そして、結婚するにあたり、役所か所属ギルドに届けを出す。ここは同じね。そして、神様に誓いをたてるのも同じだけど・・・これは形だけのものじゃないの。ちゃんとした契約よ。」


「ちゃんとした契約?、」


「そう、神様の仲介で婚姻契約が魔法的に結ばれるの。そして婚姻契約が結ばれるとその男女間には子供ができやすくなる。逆にこれがないと、いっぱいセックスしてもめったに子供ができることがないの。」


「え?、そうなの?、」


「ええ、残念ながらね。そして、婚姻契約をしてできた子供はすごく安産なの。するんって出るんだって。逆に婚姻契約なして、奇跡的に子供ができても、その子を産むときに母親は地獄の苦しみを味わうらしいわ。」


「そうか、それでこんなにやりまくっても誰も妊娠しないのか・・・」


「ご主人様・・・私、ご主人様の赤ちゃん欲しいです・・・」「我も・・・」「あたいも・・・」「私も・・・」「ブルーも欲しいでしゅ・・・」「「私たちも欲しいです。」」


「勿論あたしもアキラさんの赤ちゃん欲しいわ・・・」


皆が指をくわえて上目づかいで顔を赤くしてオレを一斉に見上げてきた。ぐあ、なんだこの破壊力は・・・可愛すぎる、愛おしくてたまらない。


「わ、わかった。ステラさん。その婚姻契約の具体的な方法も教えてくれ。」





次の日の午前中、オレはイネルバの街のメインストリートを1人で歩いていた。


レイディスファッションクリスのある角を右に入り、しばらく進むと真ん丸で真っ白な建物があった。


この国のモニカ教の教会だ。女神モニカ様を信じる教会。


正面の扉は開け放たれていたので、そのまま中に入る。


中は広間になっており、正面にややふくよかな美人の女神モニカ様の像があり、左右に長椅子がズラっと並んでいた。礼拝堂だな。


椅子に人影はなく。女神像の前に男が1人だけいた。祈りをささげているようだ。


オレが近づくと、その男が振り返った。なんか神父っぽいカッコウをしている。


「ようこそ、モニカ教の教会へ。礼拝ですか?、」


「はい、それと婚姻契約数の確認と婚姻魔石をいただきに・・・」


「ほう、それは、それは・・・頑張ってくださいね。」


「はい、それで、礼拝の仕方を教えていただけますか?、」


「特に作法はありません。自分なりのやり方で女神モニカ様に祈りを捧げてください。」


「わかりました。」


オレは女神像に向かい、両手を握り合わせて目をつむった。


女神モニカ様、どうか、ステラさん、アリエス、シルフィ、トレイシー、ゴールド、ブルー、アイ、レイ、全員と結婚させてください。


「・・・お待たせしました。では、婚姻契約数の確認をお願いできますか?」


「では、こちらへどうぞ。」


神父さんは、礼拝堂の隅にある囲いの中へオレを導いた。


中には机の上にザブトンのようなものがおかれ、その上に拳大の水晶があった。


「この水晶に両手をあててモニカ様に結婚できる人数を教えてくださいって願ってください。」


「はい。」


確認しなくても1人とは誰でも婚姻契約はできるそうだが、複数の異性と婚姻契約をする場合、こういった確認が必要になる。平均的には4、5人だそうだ。力が強いと、10人以上と契約できる人もいるそうだ。オレはここまで、せっせとダンジョンでレベルアップしてきたので、多くの契約をできる・・・と思いたい。


オレは水晶に両手をあてた。


モニカ様、オレが結婚できる人数を教えてください。どうか、皆と結婚させてください。


ピカァ!


水晶は眩い光を発した。

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