祝勝会
オレたちはミノタウロスが今にも襲い掛かってきそうな絵が描かれた看板を見上げている。
絵の横には[美食牛亭]と日本語で書かれている。
扉を開けて中に入る。
「いらっしゃいませ。ご予約のお客さまですか?」
「ああ、ビルの名で予約が入っているはずなんだが。」
「はい、ビルさまは先にこられています。こちらへどうぞ。」
店員が奥の個室に案内してくれた。
「お、アキラさん。いらっしゃい。ささ、そっちに座って、アリエスちゃんたちも。」
個室には、ビル、ジム、サムの三人に加えて、四人の見知らぬ女性たちがいた。
「アキラさん、先に紹介しておくな。今度新しく仲間になった、ケイト、サラ、ジェニー、クリスだ。」
「「「「よろしくおねがいします。」」」」
「ああ、オレはアキラ、こっちは、アリエス、シルフィ、トレイシーだ。よろしくな。」
「「「よろしくおねがいします。」」」
ケイト、サラ、ジェニーは三人とも亜麻色髪で引き締まった体をしている。クリスは金髪でやや柔らか味のある感じだ。なんか、皆、すごくカッコイイ。
人数分のエールが運ばれてきた。
ビルが乾杯の音頭をとる。
「では、オレたちと、アキラさんたちの銀ランク昇格を祝って、乾杯!」
「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
そう、ビルたちは、ケイトたちを仲間に加え、オレたちのすぐ後にキングオークを撃破して銀ランク昇格を果たしていた。
勿論、オレはオークダンジョンのボス部屋を開放してる。
それにしても、ビルたちめ、いつのまに、こんなカッコイイ女の子たちと仲良くなったんだ。オークたちにやられそうだったくせに・・・
「いやあ、実はシルバーオークの部屋で危ないところをケイトたちに助けられてな。それが縁でオレたち、仲間になったんだ。」
「なんか、この人たち危なっかしくて、ほっとけなかったの。」
って、またやられそうだったんかい、ビルたちは!、
「でも、一緒に戦うと、意外に頼りになるなって思ったわ、ね、サラ。」
「そうね、頼りにしてるわよ、ビル。」
左右からビルにケイトとサラがしなだれかかっている。
そして気がつけば、ジムはジェニーと、サムはクリスと仲良さそうにしている。
ぬぬぬぬ、う、羨ましくなんかないんだからね!
「ご主人様にはアリエスがいるよ?」
アリエスがオレの膝に乗って抱きついてきた。
「そうですよ、私もいますよ。」
右からはシルフィが・・・あ、オッパイが気持ちいい。
「勿論、あたいも、」
左からはトレイシーが抱きついてきた。
そうだよな、オレにはアリエスたちがいるもんな!
オレはアリエスたちをギューっと抱きしめた。
気がつくと、ビルたちがオレを羨ましそうに見ていた。
そして、ケイトたちにほっぺたをつねられている。
はは、まぁ、皆幸せそうでよかったってことで、
ミノタウロス料理が運ばれてきた。
ローストビーフ、チンジャオロース、ステーキに肉豆腐等々、
どれも美味しそうだ。
「なんか、臨時でミノタウロスの肉が大量に仕入れられたそうだぜ、おかげで安く飲み食いできる。」
・・・もしかして、オレが流したやつ?
「えー、家に露天風呂があるの?、いいなぁ、うらやましい。」
「すごく大きくて、皆で入れる。」
ケイトとアリエスがいつのまにか仲良くなって話している。
「勿論、ご主人様も一緒に入って、洗いっこをする。」
「え、アキラさんも一緒に?、」
あああ、またぁ、アリエスさん、それはいっちゃああ、あかんって!!
アリエスを止めようとオレが駆け寄ろうとすると、またもやサムに捕まった。
「アキラさん、クリスともっと仲良くなるにはどうすればいいですかねぇ?」
知るかよ、オレは今それどころじゃあ・・・・
いろいろアリエスに暴露されたオレは酔いもぶっとんだが、皆楽しそうだったから、ま、いっか。
夜遅くにステラ邸に戻ると寂しかったってステラさんが拗ねていたので、皆でたっぷり慰めてやった。




