表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/101

あるギルド職員の憂鬱

思いついて、面白そうだと思ったので書きましたが、順番としては、リングの話の直後にあった方がいいかもしれません。

「半額って、そりゃあねぇだろ。デイジーちゃんよぉ!」


「そう言われましても、このオークタン、かなり痛んでますから・・・」


あたしはデイジー、イネルバの冒険者ギルドの受付嬢だ。冒険者は荒くれ者が多い・・・と思われがちだが、殆どは紳士的な人だ。ただ、やっぱり、この手の人もいる。今、目の前にいるモヒカンヘッドの人。


「おぅおぅ、オレを誰だと思ってんだ。あーん?」


あたしが困っていると、割り込んでくる人影があった。


「銅ランクになったばっかりの冒険者のジャキさんですね。」


「あ、え?、ス、ステラさん?」


「困りますねぇ。ジャキさん、うちの子をいじめないでください。おいたが過ぎると冒険者資格を剥奪しなきゃいけませんよ?」


「あーん、ステラさあん。」


あたしは、ここぞとばかりにステラさんの胸に飛び込んだ。ああ、このオッパイ気持ちいいのよ。大きいだけのメアリーさんとは訳が違う。


「あ、お、おい。デイジーちゃん。」


「ジャキさん、デイジーに謝ってください。」


「・・・すみませんでした。」


ステラさんは、あたしの憧れの先輩だ。金髪碧眼で、スラっとしてて、メガネがとっても知的で黒いスーツもカッコイイ。そして、このオッパイ、もう、ずっと顔を埋めていたい。気持ちいいの、とっても。でもあたしはステラさん自身の手によって、引き剥がされた。ああ、もうちょっとだけ・・


「さあ、デイジーももう大丈夫だから。がんばってね。」


「はい、ありがとうございました。」





「あ・・・あん・・・」


二階を掃除していて、ある個室を通りかかった時、変な声が聞こえた気がして、扉の隙間から中を伺った。


そこでは、ステラさんがある冒険者に組み敷かれていた。


「な?!」


あたしは、飛び込もうとしたが、その時ステラさんと目が合い。ステラさんが口に手をあてて、内緒にして欲しいジェスチャーをしてきた。冒険者はあたしに背を向けて、夢中でステラさんの体を貪っていて気がついていない。





その日の夕方、あたしはステラさんに話を聞いた。


「いま、このギルドでは、慢性的にポーションが不足しているのは分かっているわよね?」


「はい。」


「彼はダンジョン産の劣化しないポーションを大量に持っているのよ。」


「だからって、ステラさんがあんなこと・・・・」


「いいのよ・・・・それに彼、ケッコウ好みだし・・・」


ステラさんの後半の呟きは良く聞こえなかったけど、ポーションの供給をたてにあの冒険者、アキラといったか、あいつがステラさんを食い物にしているのが分かった。おのれ、アキラめぇ・・





その後、ステラさんは、ダンジョン産のポーションを大量に仕入れることができた実績によって、ギルドマスターに大抜擢された。


さすが、あたしのステラさん。でも、あたしは知っている。その影でステラさんがアキラに食い物にされて泣いていることを・・・





ある日、ギルドに激震が走った。


なんと、伝説と言われた体の欠損すら直すハイポーションが納入されたのだ。あのアキラの手によって。その日、あたしはギルドマスターの執務室に呼び出された。


「デイジー、これをあなたのお父さんに渡して。」


「こ、これは、ハイポーション?、いいんですか?」


あたしの父は冒険者だったが、ダンジョン内で片腕をモンスターに潰され、引退していた。


「ええ、あなたのお父さんは、冒険者時代、もしもの時に備えて、ギルドの保険に入っていたの。大怪我をして引退に追い込まれたら、ハイポーションを回してもらえるってね。ただ、ハイポーションは貴重で今までここのギルドでは手にはいらなかったのだけれど・・・」


「アキラ・・さんが納入してくれたんですね?」


「ええ。だから、これを渡して、怪我を治してもらって、そしてできたら、冒険者に復帰してもらって欲しいの。金ランクの冒険者は、貴重な戦力だから。」


「はい、わかりました。ありがとうございます。」


あたしはステラさんからハイポーションを受け取った。これを父に渡したら、喜ぶだろうな。大怪我が原因で引退を余儀なくされて毎日ふさぎこんでいたから・・・・


アキラ・・・ちょっとだけ、見直してあげる。でも、ステラさんを食い物にしていることはやっぱり許さない。





ある朝、ステラさんは、左手の薬指に緑色に輝く魔石がついた指輪をしていた。それを愛おしそうに見ている。


「マ、マスター、それは、鉄壁リングじゃないですか?!」


「あ、デイジー、おはよう。」


「おはようございます。マスター、それより、それぇ!」


「うん、アキラさんにもらったの、いいでしょう?」


「え?、えぇ・・」


鉄壁リングは男性が女性に送る場合、その女性を生涯愛しつづけるといった重要な意味を持つ。値段も金貨5枚で決して安くはない。


なに?、アキラはステラさんをもてあそんでいたんじゃなかったの?、本気でステラさんを愛しているっていうの?


いやいや、アキラは女性の奴隷を三人もはべらせている・・・でも、彼女たちも皆幸せそう?


ああ、もう、分からなくなったわ。


ただ、今のステラさん、とっても幸せそう・・・悔しいけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ