↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第2章:学院三年生
54/124

作戦決行

sideレイア


会談(笑)を続ける事三回目、遂に伯爵側に動きがあった。

ちなみに会話の内容は伯爵にとって不利になるように進めているため、こちらに気がつかれる事はなさそうだ。


「ーっ!きたな。【念話】、アティさん、伯爵側が動き始めました。

建物を囲むように十三人、俺の方に二人です。伯爵もそちらに向かっています。

すぐに行くので耐えて下さい」


『わかりました。貴族ですから、変な演説でもする気でしょう。

時間はそこそこある筈なので焦らないでくださいね』


「了解」


まあ、確かにこっちに二人来てるけど、【鷹の目】のお陰で位置は掴めている。

態々戦ってやる必要もない。と、言うわけで、俺はこっそり馬車から抜け出す。

従者用の服をそれっぽく仕立てて一見従者がいるように見せてあるから時間稼ぎになる筈だ。

俺は思いっきりジャンプし、上でタイミングを見計らっている騎士に合流する。


「気づいてるでしょうが、外に二人、ここを囲んでるのが十三人です。

アティさんから合図が来たら突入してください」


「了解した。外にいる二人はどうする?」


「暫く外にいる筈ですが、中に来たら容赦してやる必要はありませんよ。

殺さないでくださいね」


「わかってるよ。レイアは人殺しが何より嫌いだからな」


「そうそう、副団長と仲良いだけの事はあるよな」


「訓練のたびに副団長デレデレしてさぁ、最近来ないからつまんねぇんだよ。

たまには来いよ?」


「考えておきますが、俺は一応学院の三年生ですからね。簡単には時間を作れません」


「公爵家次期当主が何言ってんだよ。就職先なんて決まってるじゃねえか」


「あー、でもレイアにこんな軽口たたけんのは今年で最後かもしれんぞ?」


「レイア様〜ってか?うわっ!サブイボが立ってきた」


「なんでこんな貶されてんの⁉︎俺、冒険者志望!

わかる⁉︎冒険者!公爵家はまだ継がねぇよ⁉︎

それにあんた達に敬語使われたって俺も鳥肌立つわ!」


「じゃあ敬語だな」


「よろしくなレイア様〜」


「頑張れレイア様〜」


「みんなの英雄レイア様〜」


「だぁぁぁ‼︎うるせぇ‼︎」


「レイア様のがうるさいですよ?」


こいつら、そこそこ長い付き合いだからってからかいやがって・・・‼︎

ふざけあっているとアティさんから合図が来た。


「合図が来た、全員四方から入れ、俺は上から入って注意を集めておく」


「「「「わー、この目立ちたがり屋〜」」」」


「あ、おい待て‼︎」


無駄に鍛えられた騎士達はあっという間に持ち場に着いた、と言うか逃げた。


「はぁ、アティさんに報告しとくか。

さて、俺も行くかな」


俺は大体三階位の高さから一階のアリシア達の部屋まで飛び降りた









sideアリシア


「〜〜〜です。なのであの伯爵を許すわけにはいかないんです。

教会を建て直して欲しいとまでは言いません。せめて伯爵を捕らえ、子供達の安全を保障してください」


「わかりました。最近伯爵の行動を簡単にですが、監視させていました。

その結果、何度かシーラーズ商会への出入りが確認されました。

その際護衛をつけてはいましたが、妙に警戒していました。

よって我々は貴女の証言を信じることにします。

数日以内に証拠を押さえ、連行し、然るべき罰を与えます。

教会は伯爵の私財で建てますのでご安心ください」


これは何の茶番なの?

偉そうのしている王女様キャラ演じて、完全に上から目線で話して、私はこんなんじゃないわよ‼︎

はぁ、レイアはこの話聞いてるのよね。

レイア私のこと嫌ったりしないわよね?

そうなったら私生きていけないわよ⁉︎


『失礼しますアリシア様。レイア様より連絡が入りました。

今やってる茶番を中止し、戦闘態勢を取るようにとの事です。

既にこちらに伯爵が向かっているようです』


『わかったわ』


なんで背後に立ってる護衛と【念話】で話さないといけないのよ。

溜まりに溜まったストレスを処理していると奥の部屋から数人の男達が現れた。


「どうも、ご無沙汰しておりますアリシア王女」


「あら、この様な廃墟になんの御用でしょうか、クローク伯?」


「いえいえ、ただ、私の管轄区域で火災事件を起こす様な輩を放って置くわけにはいかないのでね、

そこのシスターマリーを私の元で下働きとして働かせ、生きる事の大切さを学んでもらうのですよ」


この狸が、下働きのルビは奴隷の二文字なんでしょうね。

私は頬を軽く引きつってしまったが、なんとか対応する。


「へぇ、孤児達はどうするおつもりですか?

流石に捨てるだのそんなものは知らないなどの返答が来る様でしたらお引き取りいただきますわよ?」


「勿論、子供達は私の管轄区域で商売をしていると大きめの商会の元で引き取ってもらい、働いてもらいますよ。

勿論最初は知識を学んでいただきますし給金も払いますよ」


ものは言いようね。こういう貴族を見ているとつくづくそう思い知らされるわ。

この国は比較的ましな方なのですけど・・・

幼馴染がレイアで本当に良かった・・・

私が軽く現実逃避している内に事態はどんどん進展していく。


「クローク伯爵!貴方のした事、しようとした事は決して許されるものではありません!

ですが幸い死者は出ていません。これを機に自らの罪を懺悔し、然るべき罰を受け入れてください!

そうすれば、きっと主も貴方をお許しになるでしょう・・・・」


私は思わず天を仰いでしまう。

マリーさん、お願いだから、自尊心の強い貴族相手に刺激的な事言わないで・・・・

もう少し、もう少ししたらレイアと他の騎士達が来て伯爵達を拘束してくれるから・・・・

これ以上面倒な事になりませんようにと願う。

なのに世の中残酷ね、私のストレスばかり溜まっていくわ・・・・


「フッ、はっはっはっはっはっは‼︎」


「な、何が可笑しいのですか⁉︎」


「可笑しいも何も、私は罪を犯していない。だから罰を受ける必要もないのだよ。

わかるかね?人を告訴するには、然るべき罰を与えるには証拠がいるのだよ。

君にはそれだけの証拠が出せるのかね?どうせ君の用意できる証拠など、君一人の推測にすぎないものだろう?」


「ーっ⁉︎だ、だとしても、十分な証拠になりえます!」


「君のいた神聖国ではそうなのだろうな。

何と言っても神の教えのみを受けた国、周りも綺麗事を吐く人間ばかりなのだから!」


確かに神聖国における学院の教育は主に学問と魔法、神学と言う神の教えに関する事だけ。

法学、剣術、技術、それらの何らかの拍子に神学と矛盾しかねない事は省かれている。


そんな国だからこそ、証言とそれを補う最低限の証拠があれば訴えられる。

否定材料があればまたそれも覆されてしまうが・・・・

兎に角マリーさんから見たら今までの経験を覆すとんでもない発言という訳だ。


「ふんっ、まあ良い、おいお前達、このふざけたシスターを結果的に無傷で捕らえろ!

勿論、捕まえる過程である程度傷ついても構わん!」


伯爵の後ろのいる護衛全員が私やアーケディア副団長を警戒しつつ、抜刀した状態でマリーさんに近づく。


「ひっ・・・!や、いや、こ、来ないでください‼︎」


「へっへっへ、そう言われてもなぁ。こっちも仕事な訳だよ。

しかもあんたのお仲間だと思ってた王女サマ方は助ける気もねぇ。

あんたのとこに住んでた銀髪も居ねぇ。

オレらにとっての最大不安要素が全て消えた訳だ」


まぁ、確かに初日に来て以来お姉様はここには居ない。

お姉様は本気出せば、つまり夜中ならレイアよりも強い。確かにあれは最大不安要素でしょう。

私という権力、アーケディア副団長とお姉様という武力、どちらも動く気がない状況だ。


だからと言ってマリーさんが追い詰められた訳じゃない。

私とアーケディア副団長が動かないのはある事故を恐れているからだ。

作戦が崩壊しかねない事故を。

だから手が出せないのです。だからこっちを涙目で見ないでくださいマリーさん。

なんかこう、罪悪感みたいなものが・・・


相変わらずこちらを警戒した状態のままマリーさんに近づいていく護衛さん。

後数ミリと言うところでマリーさん涙目から泣き顔に進化。

・・・・いや、本当にすみません


「うっ、うぅっ・・・・誰か、誰か助けてください‼︎」


そこまで言いますか?

ちゃんと作戦の内容は伝えたのに・・・

マリーさんが叫んだ次の瞬間、漸く罪悪感から解放される瞬間が来た


「へっへっへ、伯爵の話じゃあある程度傷ついても良いらしいしなぁ。

少し俺たちを楽しませてもらぶぅ‼︎⁉︎」


「・・・・うぅ?」


マリーさんが顔を上げた場所にいるのは、例によって作戦通り上から来たレイアだ。


「助けに来たぞ‼︎大丈夫か⁉︎」


その狙ったようなタイミングと顔を赤くするマリーさんが居なければ感動的だったわ。

ついでにその言葉は私にかけて欲しかった・・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。