表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第2章:学院三年生
53/124

偽りの会談

sideレイア


作戦への準備は着々と進み、遂に炙り出しの日になった。

今、エンヴィは地下の隠れ家に向かっている。

俺は一番隠れ家に近い裏路地の出口で馬車に乗って待っている。

念の為に俺は変装しているから、公爵家の馬車の従者位にしか見えないだろう。


「・・・・来たな」


奥からエンヴィとマリーさん、子供が数人出てきた。


「こっちは上手くいった。追っ手もついてる。そっちの準備はどうだ?」


「こっちも問題ない。それよりも急ぐぞ。

向こうが馬車なんて用意できないくらいの勢いで行って焦らせる必要がある。

焦りは判断力を鈍らせるから作戦の成功率が上がる」


「ドン引きする位徹底的にやるつもりなんだな。わかった、急ごう」


本当にドン引きしながら準備しないでもらいたいな。

それに馬車に乗ってないのはエンヴィだけだ。急ごうとか言ってるけど急ぐのはエンヴィだけだ。


俺は全員乗ったのを確認すると馬車を出した。

いくら焦らせたいと言っても向こうが罠にかかってくれなきゃ意味がない。

一見警戒してるように見せる意味合いも含め、遠回りしながら目的に向かう。


「【念話】、アリシア、準備できてるか?」


『レイア、こっちはもう出来てるわ。

アーケティア副団長と騎士が二人中にいるわ。

外には予定通り四人配置済みよ』


予定通りだな


「了解、こちらはあと数分で到着する。頼んだぞ」


『あら、私は王女よ。演技くらいできて当然じゃない』


それだけ言って【念話】は切れた。

それから5分後、予定通り廃墟に到着し、エンヴィ、マリーさん、子供数人を下ろす。

俺は怪しまれないようにここで待機だが、【鷹の目】と【念話】の併用でここからでも十分廃墟の中を確認できる。


「アリシア、いまそっちに行った。予定通り適当な会話をしてくれ。

こっちは辺りを警戒しておく」


『わかったわ。気をつけてね、レイア』


「どっちかと言うとそっちのが危険だがな。

そっちも十二分に気をつけろ、いくらアティさんが居るといっても油断は出来ない」


『ええ、じゃあ、そっちにもこちらの会話を流しておくわ』


【念話】は念じた内容を相手に伝えるスキルだ。

考えてることと混同しないよう、喋ってやる人が多い。

だけどその性質上、会話を聞き、理解する工程に【念話】を挟めば他人に会話の内容を伝えることができる。


これでアリシアたちの会話を聞きつつ気配と【鷹の目】で周りを探りる。

もしこれでなんの動きも見せずにいれば次に会う時の詳細を仄めかす。

遅くても三回目には来ると踏んでいる。


『はじめましてアリシア王女、わたくしはマリーと言います。

この地区で火事があった教会のシスターをしていました』


『はじめましてシスターマリー、アリシア・フォン・イーストラルです』


お、はじまったな。

俺は会話の内容を楽しみつつ敵を探る。


『この度態々このような場所にご足労いただきましたのは他でもありません、

先程申し上げました教会の件についてです』


『ええ、貴女が放火したと、伯爵からは報告が上がっていますよ』


建物の上に四人、これは騎士だから問題ない。

問題はそれ以外だ。


『表向きにはそうされていますが、実際にはわたくしが放火したわけではございません』


『へぇ、あくまで自分は指示しただけだ、とでも仰るのですか?』


俺が馬車を止めた所から北東に300m、もう一台馬車が止まっている。

【鷹の目】で見える馬車の紋様は、伯爵家の物、王家のものでも騎士団の物でもない。


「見つけた・・・肝心の中身はどうだ?」


【鷹の目】を使い、中を覗き見る。

いくら魔眼であっても【鷹の目】はあくまで視力の強化。

窓がなければ中が見えない。


『まさか、私が自分の家を燃やすだなんて、そんな事をして何の得があるというのですか?』


『さぁ、どうでしょう?なにか、見られたくない物でもあったのでは?』


女の戦いって怖い。

そんな事を思いつつ見た馬車の中身は・・・・


「ちっ、伯爵が1人と護衛が二人ってとこか?

尾行から俺らと同じ方法で中の会話を聞いてるっぽいな」


度々伯爵が頷いたりしているのが見える。

取り敢えず、伯爵を見つけた以上やる事はない。伯爵が手を出さなければ意味がないのだから。

俺はアティさんとアリシア、マリーさんに【念話】で会談をやめるよう伝える。

これを二日おきにやっていけば伯爵も手を出してくるはずだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ