おびき出し
sideレイア
アリシアがエンヴィに作戦を説明して、ついでに俺がボコボコにされた次の日、俺は外出したエンヴィとアリシアの後を追跡している。
高い所、と言うか家の屋根の上に乗って追っている。
理由は簡単、エンヴィを尾行してる人を見つける為だ。
やり方は至って簡単、幾つかの店に10分程入り、裏路地へ行き、反対側の大通りに出る。
たったこれだけだが、裏路地へ行くときに尾行が引っかからなかったら最初の店の所で見極める。
さすがに10分も、しかも複数の店に共通している人なんてそうは居ない。
エンヴィとアリシアにも店にいる人物の顔を覚えるように言ってある。
「さて、今の所、怪しいのは4、5人か」
まぁ、同じ服着てる人なんて沢山いるから大雑把な数だが・・・
それから数十分後、更に候補の入れ替わりが入り、最終的に三人まで絞り込めた。
「こんなもんかな。【念話】」
俺は裏路地へ行くように指示を出す
『そうか、三人か。一応裏路地を出た後も警戒しておく。
そっちも追跡頼んだぞ』
「任せておけ。こっちは高いしな。裏路地だろうと見失うことはない」
高さの有利は大きいのだ。
その後、エンヴィとアリシアは裏路地へ入って行ったんだが・・・
「いやいやいやいや、増えんなよ」
追ってる連中が、6人に増えた。いや、増えるなよ、マジで。
しかも全員単独で二人を見張ってる。これじゃあ敵が集団なのかさえわからない。
「エンヴィ、アリシア、トラブルが起こった」
『あら、どうしたの?』
『全く、妙なことなら斬るぞ、一刻も早く敵を抑えたいんだ』
「その敵なんだが、なんか、増えてんだけど」
『『は?』』
「六人に増えた。しかも全員単独で行動してる。どれが敵なのかわからない。
取り敢えず、早くそこを抜けて表通りに出てくれ。案内はする」
『よろしく』
『念の為、表通りの方も見ておいてくれ』
「わかった」
俺は裏路地にいる追っ手全員の大体の位置を教えた後、
【鷹目】を使って表通りを確認した所・・・
「おいおい、勘弁してくれよホント」
表通りに二人、待ち伏せしてる。何でこんなに運悪いかなぁ。
俺は二人に大体の方向を教え、待ち伏せの排除に向かう。
「ねえおっさんたち」
おっさん二人がアイコンタクトして、片方が反応した
「あぁ?んだよ坊主」
「いやぁ、ここで何してるのかなぁって思ってさ」
「連れを待ってるだけだから気にすんな」
「そうそう、坊主は家帰って親の手伝いでもしてな。
そっちのが親御さんも喜ぶ」
言ってることは優しいが、体から出る圧力で強引にそうさせようとしてるな。
それに全部知ってる俺からすれば違和感しかない
「そのつもりだよ。所でおっさん、待ち人ってぇのは銀髪の女学生じゃないのか?」
「ーっ⁉︎・・・まぁ、そうだな」
お、動揺したな。この二人ぶっ倒して連行するか。
一応、暴行罪と言うことでしょっ引こう
「いや、実はさぁ、その女学生の協力者でね。あんた達、ちょっと寝ててよ」
俺は言い終わるかどうかのタイミングでおっさんの顔面を殴り飛ばし、裏路地へ飛ばす。
「ーっ⁉︎て、てめぇ‼︎」
ところで、貴族にとってスキャンダルほど怖いものはない。
金銭的損失よりも怖い。だから、こう言う場面でも気をつけないといけないのだ
「う、うわぁ⁉︎な、なんですかおじさん⁉︎
お、俺はちょっとぶつかっただけですよ‼︎そ、それに謝ったじゃないですか!」
つまり、ちょっとした演技をしないといけないのだ
「ちっ、クソガキが、ぶっ潰してやんよ‼︎」
おっさん(二人目)は【体術】か【拳闘】のスキルを使って殴りかかってきた。
これ、この人のステータス次第では死人が出かねないぞ?
「【フラッシュ】!」
昼間だから大した効果はないが、瞬間的な目くらましにはなる。
俺はおっさんの目を潰すと、さっきのおっさんと同じところに殴り飛ばした。
無論、顔面をだ。
「ふぅ・・・皆さんお騒がせしました。お気になさらないでください。
この者達は私、レイア・ドライア・ナイトヴァンスが責任持って処理します」
後は被害者ぶった顔を維持したまま素性を明かすだけで終わりだ。
周りの人だかりも納得したように散っていく。
俺が呼んでおいたナイトヴァンス家の馬車が来たことも影響してるだろうな。
数分後、帰ってきたエンヴィとアリシアを馬車に乗せ、王城へ向かった。
さて、次は尋問だな




