ターニングポイント
sideレイア
ルーナさんの鬼訓練を見事生き残り、現在馬車で移動している。
俺、エッジ、ベルゼはルーナさんの鬼訓練がなくなったことで安堵している
何故かエンヴィは残念そうな顔をしているが・・・・
まあ、そんな事はいいとして、そろそろ戦女神様のお願いについて話すべきだろう。
「みんな、特にアヴァール、べルゼ、エンヴィはよく聞いてくれ」
俺の改まった声に反応して、寝ているクラリス以外が真面目な表情を作る。
俺は戦女神様のお願い、カーススキル、古代龍『ナイト』との契約について、
それから今後、特に卒業後の行動についての提案をした。
「そうか、俺には全くわからんが、兎に角『雷魔』のクソ野郎をぶっ倒せば良いんだな?」
「そう言う事になる。今現在カーススキルを使えるのがべルゼしかいない。
俺は個人的事情によりカーススキルの発言が遅くなる。
だからこれからはアヴァールの【強欲】、エンヴィの【嫉妬】を発現させる事になる」
正直言って難しいと思う。エンヴィは一人で大抵のことをこなしてしまう。
カーススキルを使うにはその渇望が強くなければならない。
だからエンヴィがただただ誰かに嫉妬するにではなく、気が狂うほどの嫉妬が必要になる。
アヴァールの場合はエンヴィよりは簡単だが、やはり難しいことに変わりはない。
アヴァールは余り感情を表に出さない分余計難しいだろう。
「ふむ・・・私だって一応は嫉妬しているのだぞ?
例えばアリシアのその優しい美しさは私には無いものだし、ソフィのその純粋な仲間を思う心も私には無い。
べルゼのようにカーススキルが使えるわけでもなく、アヴァールのように博識なわけでもない。
レイアのように強く、優しく、逞しいわけでもない。お母様のようにヴァンパイアとしての圧倒的力も洞察力も無い。
ふむ・・・・こうしてあげてみると案外多いものだな。だから私のカーススキルは【嫉妬】なのか?」
いや、俺に聞かれても困るし・・・・
「・・・・私、も、エンヴィと同じ・・・いいえ、それ以上。
余り、言いたくないけれど・・・・私は、多分、無意識のうちに・・・少なくとも、一回、【強欲】を使っている」
「-っ!?本当か!?いつ、どんな時に!?」
「・・・あまり、話したくない。
でも、結果だけなら・・・相当なものだった。全ての人が、それを、自然だと捉えていた
・・・・本当の私は、そんなんじゃないのに・・・・」
なにやら訳ありのようだ。
アヴァールにだって辛いことはある。あまり、触れないでおこう。
「・・・・え?じゃあ、この中で発現の目途が立ってないのって、俺だけ?」
・・・・これは、マズいんじゃないのか?
「大丈夫だろ、戦女神様が言ってたんだろ?「普通に恋愛してれば良い」って、
だったらその辺でイチャイチャてれば良いじゃんか。幸いお前は家柄も顔も成績も強さも申し分ない。
他クラスの奴ら相手に恋愛やってればいいじゃんか」
「いやいやいやいやいや、確かに冒険科は女子生徒少ないし、やるなら他クラスなんだろうけど、
俺みたいなのがモテる訳無いって‼そもそも女子とそんな軽い気持ちで付き合うなんて論外だ!
それに、俺は一応公爵家の跡取りだ。気軽に恋愛なんて出来ないんだよ」
ちょっとした、抵抗をしてみる。
「なるほど、確かにそれじゃあ軽々しく恋愛なんて無理だな。
でももし、その相手がこの国の王女だったらどうだ?」
「-っ!?お、俺にアリシアと付き合えって言ってるのか?
いや、別にそれは構わないんだが、そうなったら公爵家が危ないし、俺が国王って事になるんだぞ?
そんな事、出来る訳無いだろ!」
「確かにそうだ、戦いばっかで未だに財政云々に関する勉強をしていないお前が国王じゃ不安だ。
だがな?そんな事は勉強すればいい。公爵家が危ない?ソフィが居るし、お前の両親もいる。
お前が国王になっちまえばナイトヴァンス家に手を出す奴なんて消える。
それにお前、「アリシアと付き合うのは構わない」って言ったよな?
なら、お前がそうするのに何の障害もないわけだ。
お前の両親も国王夫妻も別に文句はなさそうだしな?」
「-っ!\\\そ、それは、そうだが・・・」
マズいな、いざそういう話になると顔が赤くなるな。
なんか、アリシアもこっち見て若干赤くなってるし・・・この流れはまずい!
「っと、話が脱線してきたな。兎に角、みんなカーススキルを使えるように頑張ろう。
と言う訳で、俺は寝る!!」
「あ、おい!逃げるなよ!!」
俺はそのまま眠った。
だが、この時俺はもう少し周りに気を配っておくべきだったんだ。
こちらを見ながら、その作られた表情の内に秘められた激情を、見逃しさえしなければ、
もう少し位は、変わった結果になっていたかもしれなかったのに・・・・




