ルーナハイト・スチール
sideレイア
「ただいま〜、俺が帰ってきたぞ〜‼︎」
どうやって村に入ろうか悩んでいると、エッジが門番相手に叫んだ。
「ん?エッジじゃないか‼︎」
「おーおーおー、久しぶりだな。入っていいか?」
「構わんが、そっちの馬車は?」
「あぁ、俺今は冒険者の仕事でここにいるわけ、あれは仲間が乗ってる馬車だ」
「そうか、そういう事なら構わないぞ。一応名前の登録はさせてくれ」
・・・あれ?もっと警備厳重なんじゃないの?
なんかトントン拍子に進んで行くぞ?
なんか、人間の街より軽い感じがする・・・・
「滞在者はまず俺、あとクラリス、それから学園で同級生のレイア・ドライア・ナイトヴァンス、
ベルゼ・グラ、エンヴィ・インヴィディア、アヴァール・アワリティ
後輩のソフィーナ・ドライア・ナイトヴァンス、アリシア・フォン・イーストラル。
以上8人だ」
「・・・・OK、通っていいぞ」
自己申告の名前だけで通ったぞ⁉︎
王族と貴族がいるのに完全スルーだし!
そもそも犯罪歴とか調べなくていいのか⁉︎
そんな俺の疑問をよそに馬車は進み、里へ入っていく。
俺たちは馬車は里の馬車置き場に置き、エッジの家に向かった
「ただいま〜‼︎」
「エ、エッジ⁉︎今年は帰ってこないんじゃなかったの⁉︎」
中から出てきたのは、明らかに20代程度しか年を取ってないような金髪翠目の女性だった。
「いやさ〜、ギルドで依頼受けたら発注したの姉貴でよ〜、結局来ちまった」
「あー、あの子か。じゃあ仕方ないね。
エッジ、そちらは?」
「あ、はじめまして、エッジの友人のレイアです」
「レイアの妹のソフィーナです」
「同じクラスのエンヴィだ」
「同じくベルゼ」
「友人のアリシアと申します」
「・・・・・アヴァール」
全員簡単な挨拶をする
「うちのエッジが世話になってるわね、母親のサーナ・スチールよ」
「・・・え、母親⁉︎」
思わず叫んでしまった。
てっきりこの人がお姉さんかと思った
「・・・レイア、エルフは、一定以上、年、取らない」
「あー、そう言えばそうだったな。
エッジとかアヴァールが普通に成長してるから気が付かなかった。
すみません、エッジのお母さん」
「ふふふふ、良いわよ別に。
女はみんな若く見られたがるものよ」
そう言うものなのか?
アリシアは大人っぽく見られたいと昔から色々やってたが・・・・
俺たちは居間に移され、本題を切り出す。
「サーナさん、私達はエッジのお姉さんの出したであろう依頼を受けて参りました。
エッジのお姉さんに会いたいのですが、どちらにいらっしゃいますか?」
エンヴィの目的は、依頼の達成じゃなくてルーナハイトさんに会いたいだけだと思う。
「ああ、あの子なら今は狩りに行ってるはずよ」
「親父もか?だとしたら親父、すごい疲れて帰ってくるだろうな・・・・」
エルフは基本的に狩りをする時は魔法か弓を使うらしい。接近戦はやっても短剣での牽制程度だ。
でもルーナハイトさんは剣士、エルフでは珍しい戦闘スタイルだ。おまけにAランク。
連携は苦労しそうだな。連携以前に倒してる可能性も高いけど
「ただいま〜」
「・・・ただいま」
「あらあら、おかえりなさ〜い」
・・・噂をすれば、帰ってきたようだ。
「ルーナちゃん、お客様よ〜」
「客?剣が届いたのか⁉︎だったら急がないとな!」
玄関の方から現れたのは、黒い髪に紅い目をした長身のエルフだった。
そしてアリシアたち女性陣が真っ先に呟いたのが・・・・
「「「・・・・滅びれば良いのに」」」
「おぉ!貴女がルーナハイトさんですか⁉︎
依頼を受けてきたエンヴィ・インヴィディアです!どうぞ、どうぞよろしくお願いします‼︎」
エンヴィ以外は嫉妬で凄い事になってる。
エンヴィが【嫉妬】のカーススキルを使えないのは、こう言う素直な性格が原因なんだろうな・・・・
「ああ、お前が私の剣を持ってきた冒険者か。依頼主のルーナハイト・スチールだ。」
「あー、なんか馬鹿な奴らですみません。
俺はレイアです。エッジの同級生やってます」
「おぉ!来たなレイア!新しい魔眼を手に入れたと聞いてる。ついて来い、模擬戦をするぞ!」
「え、ちょ、ちょっと⁉︎」
俺はなす術もなく引きずられていった。
外のやや広い場所に出た、と言うか出された。
「さあレイア、剣を出せ。加減は要らん、全力で来い!」
「・・・まぁ、俺も嫌いじゃないし、良いけどな」
俺はアイテムウィンドウから聖剣を取り出す。
「よし、準備は良さそうだな。
では・・・・開始‼︎」
俺は開始と同時に【水晶眼】を使い、足元を固める。
「ん?【水晶眼】か!
魔力の反応が全く無かった。面白いな!」
そう言いつつルーナハイトさんは剣で水晶を粉々にした。
だが、それを予想していた俺は足止めしてた隙に接近し、攻撃する。
「剣もそこそこ重く鋭い、良い腕をしてるな!これだから面白いんだ!
今度は私から行くぞ、【スラッシュ】!」
「ーっ、く、ぅ・・・‼︎」
初撃を防がれて威力を利用して、【スラッシュ】の防御をするが、抑えきれずに吹き飛ばされる
「滅茶苦茶な・・・だったらこいつだな。【ドラゴンブレス】!」
新しく覚えた【龍魔法】で攻撃する。【龍魔法】は低コストで強力な魔法が幾つか使える。
俺にもってこいな魔法だ
「ーっ⁉︎【ウォーターシールド】!」
俺の口から出た炎を、ルーナハイトさんの【水魔法】が無効化する。
だが剣士と言うだけあって、そんなに硬い防御ではなく、一応攻撃を通せたはず・・・
「ふふっ、はははははは‼︎‼︎まさか、竜種の【ブレス】を使ってくるとはな!
本当に、本当に面白い奴だ‼︎私も本気で行くぞ!」
なにやらテンションが上がったらしいルーナハイトさんは一歩踏み込むと・・・
「ーっ⁉︎」
その瞬間、俺の視界は真っ暗になった。
いや、おかしいだろ、スキルも魔法も無しでこれかよ・・・




