↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第2章:学院三年生
36/124

決勝戦

sideレイア


俺はソフィとの壮絶な戦いを制し、なんとか決勝戦にコマを進めた。


「流石お兄様ですね。なんだかんだ言いつつあっさり勝ち進んでいってしまいますから」


「いや、あれは相性が良かっただけだ。

種がバレれば次はもう効かないような手だぞ?」


俺の最後に撃った【斬光波】を性質的には魔法ではない。半魔法半物質の攻撃だ。

魔法同士で相殺しあっても俺の高い攻撃力で補正がかかるから威力も上がる。

魔法攻撃の弱い俺の奥の手だ。


「さて、アリシアと戦ってくるかな〜」


「ちょっ、お兄様⁉︎普通仕組みを教えてくれるんじゃないんですか⁉︎」


「教えないよ。俺の奥の手だからな」

俺は教えて教えてと言ってくるソフィを適当にあしらいながら決勝戦の控え室まで向かった。


控え室に貼ってあった対戦表には、こう書いてあった


ー対戦表ー

決勝戦レイア・ドライア・ナイトヴァンスVSエンヴィ・インヴィディア

試合開始は1時間後です。それまでには控え室に居るように。


「・・・・・・は?」


「・・・・・・え?」


そこには、アリシアの名前は無く、代わりにクラスメイトのエンヴィの名前があった。









「アリシア!」


「・・・・・レイア・・・・なによ?」


俺とソフィはアリシアが居るであろう三位決定戦の控え室に来た。

予想通りアリシアはそこに居たが、予想と違ったのはアリシアの目元が赤かったことだ。


「アリシア、大丈夫か?」


「・・・大丈夫に、見えるの?・・・・全部、無駄だったのよ。私の努力。・・・あんなにあっさり負けて」


「アリシア、負ける時はみんなあっさり負けるものですよ。

私だってそうでしたから。元気出してください」


あっさり負けた?あのアリシアが?

確かにアリシアはステータスこそそう高くないが、技術なら俺と同じかそれより低い位だ。

そのアリシアがあっさり負けたなんて・・・・・いや、


「アリシア、アリシアの戦い方は長期戦になればなるほど有利になる戦い方だ。

だからアリシアの本領が発揮されるのは時間が経ってからだ。

だからアリシアが負ける時はあっさり負けるのは普通なんだ」


「・・・・・でも、あんな棒切れに負けるなんて・・・」


「棒切れですか?」


「棒切れ・・・レイピアか?」


「いいえ、レイピアなら私が気づくわよ」


アリシアの意識を負けた事から引き離せたが、ここにいる全員好奇心でいっぱいだった。


「レイピアじゃないなら・・・エストックか、ナイフか?」


「エストックならありえるわね。ナイフは論外よ」


「エストックですとお兄様と相性悪そうですね」


まぁ、俺はパワーファイターだからな。スピード重視の敵は苦手だ。


「レイア、仇とってよ」


「あぁ、任せとけ!絶対優勝してきてやるよ!

けど不戦敗したらまずいからな、俺はもう行く。

アリシアもソフィも三位決定戦頑張れよ!」


「「勿論、この女には負けないわ!」」


元気にはなったが、元気になりすぎたのか?

なんか怖い・・・・












『さあ!!今年の武道大会もこの試合と同時に行われている三位決定戦とこの試合で最後です!!

それでは決勝戦に出場する選手を紹介しましょう!!

西側にいるのは皆さんご存知、『名誉騎士』に任命された男子生徒!!

【光魔法】と【火魔法】を操る両手剣士、三年冒険科のレイア・ドライア・ナイトヴァンス選手!!

対する東側、四回戦までこれと言った特徴は無かったものの、四回戦でアリシア王女を圧倒した女子生徒!!

その魔法はおろか剣の種類すら不明!!同じく三年冒険科のエンヴィ・インヴィディア選手!!』


俺は何時もの簡単な防具、背中に聖剣、あと最近買ったガントレットを着けて西側から入った。

反対側には騎士のような、けど決して重装備とは言えない程度の丁度良さそうなサイズの鎧を着て、腰にレイピアを着けていた。

そして俺も含めた全員が注目したであろう事がある。エンヴィの背中に一本の、そこそこ長いものの太さはそれほど無く、

包帯か何かで巻かれた片手剣とレイピアの中間のような剣があった。

あれが恐らくアリシアの言っていた武器。長さ的にエストックでは無いな。そこそそこ知識のあるつもりたが、あんなのは知らない。


『両者準備は良いですか?』


流石決勝戦、適当な頃合いに始めることは無いようだ。


「俺は構わない」


「同じく」


『そうですか、それでは・・・・武道大会決勝戦、試合開始!!』


試合開始時のお互いの距離は10m、魔法使いに有利に出来ている。だがお互い剣士だ。

その距離をあっという間に詰めるのがセオリーだ。だが・・・・


「【水弾】!」


「【炎之剣】!」


【水弾】を炎を纏わせた聖剣で切り裂き、俺は接近を試みるが、【水弾】を切った先には誰も居なかった。

こういう場合は、


「【跳躍】」


聖剣を上に向けて跳ぶ。

これなら上からの攻撃も、後ろからの奇襲も防げる。

たがこれは決勝戦だ。念には念を、


「【神聖剣】!【光よろーっ!?」


防御を張ろうとしたが、一歩遅かったようだ。

エンヴィは【風魔法】の、何かは知らないが魔法で俺を上に吹き飛ばした。

そのまま俺は一回転して体勢を整える。一回転したときにエンヴィを見てみると、中級か、もしかしたら上級の魔法を使う気なんだろうな。

詠唱をしていた。距離があるせいでよく見えないが、不味いのは確かだ。


「【光鎧】!【フラッシュ】!」


俺はまず、妨害された防御魔法を張り、何時も通り【フラッシュ】で魔法の妨害をする。


「ーチッ【風の申し子】」


エンヴィも視界を潰されて剣と詠唱中の魔法が潰されたのを知り、結界を張る。

【風の申し子】は防御魔法だった筈。なら俺好みの威力のごり押しでなんとかなる。


俺は着地後、着地の音で居場所がバレるため、エンヴィの周りを走って、エンヴィの利き手とは逆の左側から【縮地突き】を使う。


「オマケだ、【光矢】!」


「ーっ!?【守れ】!!」


エンヴィは魔法も剣も使わなかったが、恐らく鎧が魔道具だったようで、鎧が発光したと思ったら弾かれていた。

今の攻防の間にエンヴィの視力も戻ったようだ。つまり・・・・


「仕切り直しか・・・・」


「・・・・レイア、お前は強いな。あのアリシア王女程では無いだろうと思っていたが、予想外だった」


「はっ、『名誉騎士』が、いくら魔法面にハンデがあるからって王女に負けるようじゃダメだからな。

男としてのプライドもある」


「それもそうか、私は少し楽観的だったのかもしれないな・・・・レイア、仕切り直しだと言っていたが、ここからは違う。

ここからは、私にとって万全のステーしジに、得意な獲物に、得意な接近戦で、挑ませて貰うぞ」


エンヴィはレイピアを場外に投げ捨てると、背中の細い剣を手に取った。

そして・・・・


「闇よ、世界を包み、在るべき姿へ還れ!!【黒之世界《ブラックワールド》】!!」


会場が、闇に包まれた。

いや、闇、と言うより夜に包まれたと言うべきだろう。上には月が浮かび、辺りを照らしているのだから。

エンヴィを見てみると、剣の包帯を取り、さっきまでは蒼かった瞳を真っ赤な緋色に染めてこちらを見ていた。


「さあ、ここからだ」


俺は無言で【鑑定眼】を使う。






名前:エンヴィ・インヴィディア

種族:ヴァンパイア

年齢:(隠蔽中)

性別:女

称号:魔王の血族

レベル:28

HP:846/1230

魔力:720/1160

攻撃:655

魔法攻:580

防御:315

魔法防:270

俊敏:470


スキル:【細剣術LV4】【刀術LV7】【風魔法LV5】【闇魔法LV7】【隠蔽LV8】【念話】


固有スキル:【飛行】【吸血】


カーススキル:【嫉妬】


加護:【*^%<>"*%>王の加護】



「ヴァンパイアに、魔王・・・・?」














「【乱波】!」


「くっ・・・・‼︎」


エンヴィが刀(?)に持ち替えてから、あっという間に戦況は一変した。

LV7もあるだけあって刀は速く、重く、鋭い。おまけに一回一回の溜めが少なく、隙がない。

対するこちらはLV6、剣は小さめの両手剣、技は重く、鋭いが速さがなく、溜めも長い。

聖剣は相当な事がない限りは壊れるどころか刃こぼれもしない。だから耐久性に問題はない。

問題なのはどちらかといえばあちらが有利で、お互い決め手がない、もしくは決め手を使えない事だ。


こちらは剣を振れなくて攻撃できず。

向こうは防御を破れず決め手がない。

だったら・・・・


「仕方ないよな。周りは夜だし、バレないだろ。【水晶眼】!」


【水晶眼】でエンヴィの足元を固め、動きを封じる。


「ーっ⁉︎【闇槍】、【闇ーっぐぅっ・・・・‼︎」


エンヴィはまず足元の水晶を破壊したが、それだけで十分大きな隙だ。

俺はエンヴィを蹴り飛ばし、スキルを発動させる


「【縮地突き】!」


すっかり体が動作に馴染んでる為、通常の【縮地突き】より速く移動し、エンヴィを剣の腹で殴りつける。

殺したらアウトだし、殺すつもりも毛頭無い。人殺しはごめんだ。

エンヴィはこの程度ではやられないだろう、現に空中で体勢を整えている。

飛べるくせに飛ばないのは、自分の受けた勢いを利用して突っ込んでくるつもりだからだろうけど・・・


「その効率重視がお前の弱点だ、エンヴィ・インヴィディア」


「ーっ⁉︎」


エンヴィを飛ばした先は場外、俺の狙いは体重の軽いエンヴィを放り投げ、落とす事だ。

仮に今飛び始めても勢いを殺せないはずだ。俺は全身の力を一旦抜き、体を休める。

勿論目はエンヴィに向けてある。

だからこそ反応できたのだ。


「ーっ!まだダメなのか・・・・‼︎」


エンヴィは飛んでいた。

無理だと思っていたが、エンヴィの固有スキル【飛行】は、

自分の受けている勢いも何も関係無く使える様だ。


「滅茶苦茶なスキルだな・・・・‼︎」


「お前程ではないぞ?」


「ーっ⁉︎」


場外に居たはずのエンヴィが、いつの間にか目の前に居た。


「くっそ・・・‼︎」


「【十字斬り】!」


エンヴィの腕が一瞬ぶれた後、俺の体に十字の斬撃が入った感覚があった。

俺の鎧は本当に簡単な鎧だ。何の効果も付いてない。モロに攻撃を受けた。

突然過ぎて受身もとれず、刀も普通に刃が付いてるから俺の体は簡単に傷つき、鮮血が舞う。


「ーっ⁉︎レ、レイア、お前、その鎧は特殊なものでは無いのか⁉︎」


「カフッ・・・‼︎ゴフェゥッ・・・・俺、は、スピード、を、補って、いるんだよ。

ただの、革鎧だ・・・」


必死に血を吐かない様にしながら、エンヴィの質問に答える。

エンヴィは俺が何か効果の付いた鎧をつけてると思った様だ。

だが俺は魔法関係はダメダメだ。

魔力の消費を抑える為に初級スキルを中心にし、戦闘も自前の剣術がほとんどだ。

だから鎧も同じくただの鎧しか使わない。

詰まる所俺の防御は、少なくともソロで戦っている限りは紙装甲なんだ。


「はっ・・・傷を負わせた、本人が、なんて顔、してんだよ・・・?」


「ーっ‼︎そう、だな。私が被害者ぶってもどうしようも無い。

ルール違反でお前の勝ちだが、詫びさせてくれ」


・・・・言質ゲット


「待ってましたその言葉‼︎【ハイ・ヒール】!」


俺は【光魔法】で治癒し、急展開にポカンとしつつも俺に刀を突きつけていただけある。

俺に刀を突き刺そうとしてくるが、俺も既にそこから離脱済みだ。


「はっはっはっは‼︎

エンヴィ、これは武道大会だ。この程度の傷がルール違反になる訳無いだろ‼︎」


「なっ///だ、騙したな⁉︎」


エンヴィが顔を真っ赤にしながら言ってくる。


「騙してない、勝手に勘違いしただけだろ?

普段はこんな卑怯な真似はしたく無いが、俺だってやりたい事や知りたい事が山ほどある。

エンヴィには悪いが、自分の言葉には責任を持てよ?」


「ううううううう‼︎‼︎」


エンヴィ は すで に なみだめ だ ‼︎


ついで に かお も まっか だ ‼︎


最早ただの口喧嘩になっているが、一応試合中だ。

俺の戦闘をしている間の集中が切れ、周りの音が聞こえてくる。


ーレイアくん、ドSだったんだ・・・


ーエンヴィ先輩可愛いです〜


ーレイア〜‼︎このクソリア充野郎‼︎ぶっ殺すぞお前‼︎


「お前に殺せるのか、ベルゼ‼︎⁉︎」


ーなんで聞こえてんだよ⁉︎


客席と選手の会話という異例の事態に解説もエンヴィもアワアワしている。

エンヴィを落ち着けるための時間稼ぎだったのに、エンヴィまでアワアワするな。

エンヴィの性格が意外だったが、一応猶予はやったんだ。攻撃した方がエンヴィも逆に落ち着くだろ。


「【ホリゾンタル】!」


「ーっ⁉︎【演舞】!」


エンヴィはスキルを使い、刀を振るいつつ体を踊らせ、俺の攻撃を避ける。


「クッ、この卑怯者‼︎」


「わざわざベルゼと会話して時間稼いだのにアワアワしてたのはお前だろ‼︎」


お互いに剣と刀を打ち合いながら、口喧嘩をする。

ハタから見れば仲が悪く見えるだろうが、お互い笑いながら打ち合っている。

こんな俺たちは戦闘狂に見えるだろうが、仕方がない。楽しいのだから。

そうだろう、エンヴィ?

だが、終わりの無いものは無い。終わらせてもらう。


「【スターダストブラスター】!」


「【堕星】!」


【両手剣】上級スキル、【スターダストブラスター】、両手剣とは思えない速度で斬りつける。

その回数8回。

エンヴィのスキルは上から数撃撃ち込む程度のスキルだった。

エンヴィはなんとか対応するが、数撃弾いた時点で刀は飛ばされ、体に残り3連撃を受けて飛ばされる。


『・・・・・し、試合終了‼︎勝者、レイア・ドライア・ナイトヴァンス‼︎』


俺はこの時、一年の時からの目標、武道大会優勝を果たした













『第167回武道大会表彰式、四位二年S組、ソフィーナ・ドライア・ナイトヴァンス‼︎』


「はい!」


『三位二年S組、アリシア・フランシス・イーストラル‼︎』


「はい!」


『準優勝三年冒険科、エンヴィ・インヴィディア‼︎』


「はい」


『そして優勝三年冒険科、レイア・ドライア・ナイトヴァンス‼︎』


「はい‼︎」


一位〜四位までの全ての表彰が終わってこれで終わり、だと思っていたのに・・・・


『ではイーストラル王国王妃として一言、皆さん良く頑張りましたね。

優勝したレイアくんも頑張りましたが、

私の娘であり弟子でもあるアリシアを下したエンヴィさんは良く頑張りました。

残念ながら三位になってしまったアリシアはこれから四位のソフィーナさんと精進しましょう。

残念ながらトップ4に入れなかった皆さんは来年また頑張ってください。

それと、レイアくんとエンヴィさんはこのまま残ってください」


??どうするつもりだ?

まさか、エンヴィをアリシアを下したという理由で(精神的に)ボコボコにし、

優勝した俺を見せしめのように(物理的+精神的に)ボコボコにするつもりか⁉︎


表彰式が終わり、全選手が退場した後、イリス様に連れられて舞台裏に連れてこられた。


「さて、ここなら大丈夫ね。エンヴィ・インヴィディア、何か私に言いたい事があるんじゃないんですか?」


「・・・・・はい。ですがこの話は、レイアよりもアリシアを入れて話したいのですが・・・・」


「えーっと?」


話が見えてこない


「・・・・・あぁ、こっちの話じゃないのね?

あービックリした〜。長に連れて帰ってこいって言われたのかと思ったわ」


「その話は随分前に片付きました。

長は諦めたみたいですよ。死んでなければそれで良いとか言ってました」


「えーっと‼︎?」


「あら、どうしたのレイア」


「一体なんで俺が呼ばれたんですか?話が見えてこ無いんですけど・・・」


勝手に読んでおいて話を進め無いでほしい


「ええいってなかったわね。

でもこの話はレイアくんとエンヴィ、エンドルフにアリシア、あとソフィちゃんを入れてしましょう」


「・・・・・カーススキルについてですか?」


メンバー的にそうとしか思え無いメンバーだ。



「ーっ⁉︎まさか、レイアはカーススキルについて知っているのか⁉︎」


「あれ?」


待て待て待て待て、話がこんがらがってきたぞ


「・・・・・ややこしくなってきたから今日はお開きにしましょう。

エンヴィさんが何を聞きたいのか、わかったし、その上で後日話しましょう。

明日の午後2時に城にいらっしゃい。レイアはいつもの仲間を連れて来なさい」


「??はぁ」


「・・・・わかりました」


結局、話は明日になりそうだ。

そしてイリス様は忘れてる、っていうか知ら無いのか?

三年生、(具体的には冒険科と騎士科のみ)は明日片付けだから休みなんだ。

だから俺たちは明日、本当なら来れない。その事を覚えてるのか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。