ヒント
sideレイア
「うっ、うぅう・・・・ここは・・・?」
目が覚めた時、辺りは真っ白。上も下も右も左もあって無いようなものと言える世界。
俺の精神世界だ
ならば当然
「やー、1年ぶり?結構早かったね、『俺』」
「『ぼく』・・・・」
肩にかかりそうな白銀の髪に俺と左右対称の色のオッドアイ、小さい背に和やかな雰囲気の少年がそこに居た
「『ぼく』、聞きたい事がある」
「なんだい?『ぼく』は正直暇でね、『俺』と言う刺激をもたらす者が大好きだ。協力するよ」
「【色欲】のカーススキル、いや、七つあるカーススキルについて教えてくれ」
「ふぅぅん・・・・断る」
「断るって事は知ってるんだな?」
つまりはそういう事だ。俺は諦めないぞ
「知ってるようで知らないのさ。カーススキルはスキルの種類によって使い方も名前も異なる。
だから『ぼく』が教えても意味が無いのさ」
「どういうことだ、『ぼく』は俺と同一人物だ。色々差異があってもカーススキルや加護は同じじゃないのか?」
普通にこれまでのことも総合して考えるとそうなる
「加護もカーススキルも別なんだよ。『ぼく』の持ってるカーススキルは・・・・まぁ、言ったら面白くないから秘密で。大丈夫、自力で来れたら教えてあげるから。
で、加護も『ぼく』は持ってないから完全に別物さ。体は同じだから鍛えれば魔法系以外は相当高くなる筈さ。
『ぼく』の魔法系ステータスが高いからね。『ぼく』と対になる『俺』なら接近戦最強さ!」
なるほど。本当に正反対なんだな。
そういえば『ぼく』のステータスってどうなってるんだ?ステータス見ちゃえばカーススキルも分かるはず。
俺は無言で【鑑定眼】を発動するが・・・
「ーっ⁉︎」
「ダメだなぁ。そういうの、マナー違反だよ。勝手に人のステータス覗いたらダメだろ?
それに『ぼく』のステータス覗いたらネタバレしちゃうじゃないか。そう言うの良くないよ」
「・・・・まさか・・・無効化したのか?」
「『俺』が剣の天才なら『ぼく』は魔法の天才だぜ。無効果はお手の物さ」
剣のないこの世界では勝ち目が無いわけか
「やれやれ、もう時間か。自力で来れたらここに居られる時間も伸びるんだけどねぇ。
『俺』、そろそろ時間だよ」
「・・・・最後に聞かせてくれ。俺の出生について、知ってる事を教えてくれないか?」
こう質問すると『ぼく』は少し考える仕草をした後
「うーん・・・・・・詳しくは教えられないな。そう言うのは『俺』が自力で知るべきだよ。
でももし自力でここに来れるようになったら全て教えてあげるよ。じゃあ、ヒントをあげるよ。
神聖国に行きなさい。そこで『聖女』に会えば自ずと答えに近づく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筈さ」
「ちょっ、なんだよ今の間は⁉︎」
「あーあーあー、知らないったら知らないもーん!じゃ、おやすみ〜。『ぼく』も眠いのら〜」
そんなふざけた会話を最後に俺の意識は途切れた
sideレイア
「待てよおい⁉︎」
そんな恥ずかしい第一声で起きてしまったことを後悔している。
なぜなら俺の目の前にはジト目でこっちを見てくるアヴァールと心配そうな顔をしたアリシアが居たからだ。
「あー、うん、レイア、頭、だいじょう、ぶ?」
「レイア、やっぱりまだどこか悪いんじゃ・・・?」
「やー‼︎だだだだ大丈夫だって‼︎ただちょっと『ぼく』にしてやられたというかなんと言うか・・・・」
「ーっ‼︎会った、の?全てを、知る、人に」
アヴァールが食いついた
「教えてくれなかったがな」
「あー、私、お父様にレイアが起きたって話してくるわ」
アリシアが雰囲気を察してくれたらしく、部屋から出て行く
「なんで、力づくで、聞かな、かった⁉︎」
だよな、そう思うよな。でも無理なんだよ
「バカ言え。ゴブリンロードを倒したのだって『ぼく』だぞ。
しかもエルスの言ってた時間から考えれば2、3分でゴブリンロードを殺した事になる。
喧嘩挑んでもあっさり返り討ちにされるだけだ。ヒントをくれただけ感謝するさ」
「・・・・・レイア、優しすぎる。
それで、ヒント、は?」
「確か・・・・「神聖国に行きなさい。そこで『聖女』と会えば自ずと答えに近づく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筈さ」って言ってたな」
「なにそれ、曖昧、すぎ・・・・大丈夫、なの?」
「大丈夫な筈だ。『ぼく』は意地悪だけど基本いい奴だしな。少なくとも嘘はつかないだろ。
都合の悪い事は全部答えないだけだからな」
少なくとも今まではそうだ
「・・・・まぁ、私には、知る術が、ない。だから、信じる」
「悪いな。精神世界って言ってもただただ白い空間が続いてるだけだからな。
証拠の欠片もない」
「いい、精神、世界の、特徴、聞けた。貴重」
流石魔法研究者。こういう不思議な事には興味津々か
「それはそうと、なんか話の流れ的に卒業後にパーティー組むみたいになってるんだが、
アヴァールは、その、俺と組んでくれるのか?」
「?今更、なに、聞いてる、の?組むに、決まって、る」
アヴァールは心底訳がわからないと言った顔で言ってくれた。
それ自体は嬉しいんだが、
「それは、悪いな。実は俺、家の都合で卒業してからの一年は冒険者活動出来ないんだ」
「・・・・あ、公爵家、次期、当主だから?」
「そうだが、なんだその「・・・・あ」って。俺ってそんなに貴族らしくないか?」
そこの所疑問なんだが
「全く。普通、もっと、威張る。じゃなくても、もっと、傲慢」
「それは、貴族らしくないって言われてると思うべきなのか?
それとも親しみやすいって思うべきなのか?」
「ご想像、に、お任せ、する」
つまり自虐してろと⁉︎
これから雑談をしつつ、アリシアが帰ってくるのを待った




