真実への第一歩
sideレイア
俺たちが三年生に上がって一週間、授業は去年までと全く違うものだった。
問題を間違えた分だけ筋トレをやらされ、体育の時間は走り込みながら早口言葉、
食事は豪快な肉料理と野菜の入ったアッサリスープ、午後からはひたすら模擬戦。
まさしく体を動かすためのクラスだ。元々後衛のエッジは毎日筋肉痛、他のクラスメイトも筋肉痛だ。
筋肉痛じゃないのは俺の他に例の三人だ。
銀髪に蒼い目をした人間族の女性はエンヴィ・インヴィディア。【細剣術】を使っている。他人の事を観察してる事が多い。
黒髪に金色の目をした黒い肌の魔族の男はベルゼ・グラ。ナックルを使った【格闘術】を使う。テンションが高く、大食いだ。
金髪に蒼い目をしたエルフの女性・・・少女はアヴァール・アワリティ。少なくとも【水魔法】の上位版の【凍結魔法】使っている。冷めた目が特徴だ。
今あげた三人と俺は全くとは言わないが、授業に耐えている。アヴァールは、痩せ我慢の様だが・・・・
さて、そんな俺の最近の日課は柄にもなく図書室に篭って調べ物だ。
調べてるのは
「心に干渉するスキル」
「【魔法神の呪縛】の解き方」
「カーススキル【色欲】の使い方とその由来」
「大陸の地理」
の四つだ。
最後の一つは書き写しでなんとかなった。問題は前者三つ。
心に干渉するスキルは全く進展なし。
【魔法神の呪縛】は一応加護に分類されている。加護なんてありがたい物を捨てる馬鹿は居ない為、情報が無い。
その為最近はカーススキルの【色欲】について調べている。
スキルに関する本をひたすら読み漁る日々だ。
そんなある日
「・・・・レイア、また、調べもの?」
「ん?アヴァールか。あぁ、ちょっとスキルについてな」
珍しく、他人と会話もしないアヴァールが俺に話しかけてきた。
「スキル・・・・私も、スキル、調べてる。だから、ちょっと詳しい。
スキルについて、教える。だから、一緒に、調べる、手伝って」
・・・・情報交換という訳か
ここで教えて貰う代わりに今後一緒に調べる、という事か。
相手は数百年を生きる賢き森の一族。ならば進展のない今協力しあっても損はない。
「わかった、情報交換しようじゃないか」
「ん・・・・それで、どんなスキル?」
「ああ、ステータス的には加護と固有スキルの間にあるもので、カーススキルと言う。
魔法系なのか、生産系なのか、体術系なのか、それさえもわからないが強力なスキルらしい。
だが使い方すら不明。何時からあったのかも不明。初めてステータスを見たときにはもう載ってた」
流石に魔法の天才に【魔法神の呪縛】について話す勇気はない。
「ーっ⁉︎・・・・スキルの、名前は?」
「スキル名は、【色欲】だ」
「・・・・っ!そ、んな・・・うっ・・・・!」
アヴァールじゃスキル名を聞いた途端、その眠たげな目を見開いて・・・泣いた⁉︎
「え、ちょっ・・・アヴァール⁉︎」
どうしよう、泣いた女の子に対する対処法とか知らないんって言うかなんで泣いてるの⁉︎
それから数十分間、アヴァールは静かに泣き続けた。
「アヴァール、落ち着いたか?」
「ぐすっ・・・・うん」
「それじゃあ、ええと、情報交換したい所だけど、もう閉館時間だし俺の部屋に来るか?」
外を見れば既に日は沈みかけ、司書さんが戸締りをし始めた
「・・・うん」
決まりだな。
俺はアヴァールを連れて自分の部屋に移動した。
「それじゃあアヴァール、情報交換しよう。カーススキルについて、知ってる事は?
あんな過剰な反応しておいて知らないは無しだぞ」
「詳しい事は、わからない。でも、これを、見てくれれば、理解は、してくれる」
アヴァールはステータスを俺に見せてくれた
名前:アヴァール・アワリティ
種族:(隠蔽中)
年齢:15
性別:女
称号:(隠蔽中)
レベル:21
HP:(隠蔽中)
魔力:(隠蔽中)
攻撃:(隠蔽中)
魔法攻:(隠蔽中)
防御:(隠蔽中)
魔法防:(隠蔽中)
俊敏:(隠蔽中)
スキル:【凍結魔法LV2】【土魔法LV6】【念話】【分析】【杖術LV1】
固有スキル:【魔導砲】
カーススキル:【強欲】
魔法系スキルに偏っているが、十分強力なスキルを持っている。そして・・・
「カーススキル【強欲】・・・」
「そう、レイアと、同じ。スキルも、知ってる、事も。
私も、わからない。だから、ここに、来た。
わかってる、ことは、【色欲】、【強欲】、【傲慢】、【怠惰】、【嫉妬】、【悪食】、【憤怒】
の七つがある事、だけ」
合計七つか、十分な成果だな。これ以上の情報となると・・・・
「・・・・アヴァール、カーススキルについて知ってそうな人を知っている」
「ーっ⁉︎・・・・だれ?」
俺は、『ぼく』のことを話した。
全て、正直に、「【色欲】があれば大抵の事はどうにかなる」と言ってた事も
「その人、どうやれば、会える⁉︎」
「お、落ち着いてアヴァール。『ぼく』は俺が死にかけたときに現れる。だが、毎回じゃないらしい。
俺のもう一つの人格らしいから、心に干渉するスキルがあれば良いんだが・・・」
全く見つからない。あるかどうかもわからない
「あるよ」
「え⁉︎」
今迄必死で探したのに、アヴァール知ってたのかよ‼︎
「どんなスキルだ⁉︎」
「・・・仮説だけど、人は、脳で、考える。だから、脳に、干渉すれば、良い。でも、出来ない。
だから、脳に、直接情報を、送ってるらしい、目に、干渉する。
目に、干渉するなら、同じ、目のが、良い。
つまり・・・・」
「魔眼スキルか・・・」
驚きだな
「でも、ただでさえ、珍しい魔眼。そんなの、あるか、わからない。
見つける、のは、困難」
「いや、方法はある」
俺は固有スキル【魔眼王】がある事と、俺のレベルが上がる毎に魔眼が増えていくことを説明した
「ーっ‼︎それなら・・・・」
「ああ、少なくとも、俺のレベルが100になればそれに近いスキルも手に入る筈だ。
だからまずは俺のレベル上げと、カーススキルの使い方だな」
これで方針が決まった




