カナデノホシ
時系列はあるので、
順番に読んでいただくのを
お勧めしますが、
1話完結型の恋愛小説です。
理緒:
本来の主人公。
京都から関東へ帰ってきて、
就職もしただめ女。
元、だめ女と言い張りたい今日この頃。
奏:
かなで。
残念なイケメン。
理緒の彼氏で1個下。
残念?な理由は2つほど見えてきた。
カナデノホシ
きらきら。
それは優しい白銀の光。
まるでポラリス、
貴方は私を導く星。
奏のことを話そうと思う。
この世界の何十億の中で、
貴方に会えたことが、
どんなに素晴らしいのか。
奏が、どんなに優しいのか。
これってただの惚気…?
まぁ、聞くといいのである!
奏は大手企業の営業。
とはいえ、想像するような営業ではなく、決まった営業先に売込みに行くタイプである。
容姿もさることながら、仕事も大いに出来る奏は、若手の中でも優秀な存在。
まさに期待の星だった。
仕事が嫌いと言いながらかなりの成果を出すところは、上司も舌を巻くところだろうなと思っている。
それから、奏の頑張った基準は、人より遥かに高い。
なので、他人に厳しいところがあった。
あれくらいやれないで何言ってるの?
俺の邪魔しないでくれる?
…というような感じだ。
私を頑張ってると甘やかしてくれるけれど、それは正直、本気で私が頑張ってるからだと思う。
うん。
私はね、元々仕事女だったから、妥協出来ないのだ。
…まぁそんな感じで、奏の求める頑張りは私には標準装備。
そこは断言出来る。
けれど、自分に甘いとこがある奏は、たまに仕事したくなーいとダレることがあって。
それを見守り、やる気にさせ、背中を押せる存在でなくてはならないのも確かなのだった。
私からしたら、そんなとこもかわいくて、普段のかっこよさとのギャップがまた良いわけで。
私にゆるいところは見せられる、それって、私が誇れる部分なのかなーなんて。
いや、私のことはいい。
…それでね。
奏は若手筆頭とまで呼ばれ、実際重要な得意先を1人で持っている。
詳しくは守秘義務の先、私では聞けない部分だけど、そこは大手。
奏の売上金額も億を越えているんだろうと予想出来た。
そんな奏の彼女だから、私も出来る人でありたいと、そう思う。
尊敬出来て、私を引っ張る存在。
それが奏なのだ。
もちろん、私もそんな奏を押し上げていく存在にならないとねって、そう思うんだけどさ。
奏のプロフィールはと言うと。
有名男子高校から6大学へ進学、大学までやってたバンドではドラム担当で、なんとファンクラブまであったらしい。
よりどりみどり、遊んできたのかな…って思うけど、聞いてみたら彼女は私で3人目。
周りは遊んでいたが、紳士たれという校訓のもと、奏はそういう遊びは嫌いだと言い切った。
181cm62kg、股下はびっくりする長さである。
ちなみに脚の長さ…これ、付根が私のくびれ付近にあるような気がする…うう、この差!
長い手足はしなやかで、振る舞いには品がある。
さらさらふわふわの黒髪に、きらきらの黒い瞳。
そのかっこよさは誰もがとりあえずこいつはイケメンだと納得する。
それくらいイケメンである。
くどいが、本当にイケメンなのである。
……が、残念な、という枕詞がついてしまっていた。
残念なイケメン。
いろいろ、見えてはきたけど私は残念には思えなくて。
奏の全てが愛おしかった。
日が経つほどに、独り占めしたくなる。
奏の言葉が、行動が、私を幸せな気持ちにしてくれた。
さて…やっと本題なんだけど…。
実はもうすぐ奏の誕生日。
一個下なので、今年28になる。
私はその次の月が誕生日のため、つかの間の同い年期間!
何をあげよう。
何なら喜ぶかな。
たくさん考えていた。
…奏のお財布はブランドもの。
前の彼女からのプレゼントで、お値段なんと9万…私には到底手が届かない。
そんないいものなのに簡単に、理緒が気になるなら変えるとか断言する奏は眩しすぎる。
ごめん、そんないいものあげれない…と言えば、値段じゃないし、元々ブランドにはこだわりが無いんだよって笑われた。
しかしパスケース、鞄なんてのは、みんな母君からの誕生日プレゼントでブランドものだったりする。
キーホルダーも1万もしていて、奏の家のセレブさを感じるけど…。
っていうか、身に付けるもの、何にもあげれないじゃない!
キーケースは使わないと言うし…。
け、携帯ケースとか?
アクセサリーはつけないし…。
ネクタイやタイピンは仕事のためな気がするし…。
悶々としていた時、ふと思った。
あ、マッサージしてあげたい!
…私は奏がくると、マッサージをしてあげる。
気持ち良さそうにしてくれるので、好きでやってるわけだけど、それがお家で出来ればどうだろう!
私はスマホをポチポチして、マッサージ機器を探した。
かわいくて、充電できて…軽くて。
これ!というのはすぐに見つけた。
あとは色と使い心地と…。
よし、電気屋さんに行こう。
早速足を運び、お目当ての機器を少し試した。
あ、いいかも!気持ちいい!
即、これにしようと決めた。
手続きをして送ってもらう。
あとは隠しておくだけだ。
そうしてあげたマッサージ機。
奏は喜んで、世の中にはこんないいものがあるのかーと言った。
喜んでくれた?なら、私も嬉しいな!
笑えば、奏はマッサージされたままよしよしと私を撫でた。
こんな時に思う。
そばでこうして笑ってたいって。
きらきら。
それは優しい白銀の光。
まるでポラリス、
貴方は私を導く星。
…けどね。
星が覆われて見えなくなる…
そんな日もあるんだと気付く。
恋愛には雨も降るんだ。
奏と理緒は、
恋愛の第二段階に入ります。
少しずつ、変化が訪れていくのです。
読んでくださる方々、
ありがとうございます。
キュン要素はあまり無かった回でした。




