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黒の元OLと黒の王族少年  作者: 鶯餡
第一章 ユーフォリア王国
5/5

ユーフォリア城

今後はこの短さでいこうと思います……色々変えちゃってすいません



「___え?」



呆然とするアカリ。キョトンとするルイス。

ポカーンと立ち尽くしているレイス。その三人が同じ空間にいるということは、沈黙が始まる前兆だった。


数秒間お互い立ち尽くしたまま、沈黙を守る。

そしてそれを破ったのが、ルイスだった。



「___アカリも来ないの?」

「___え、いや、ね?私、貴方たちから見れば異世界人よ?そんな人がお城に入っちゃったら、きっと王様も怒るよ」

「___お父さんはすっごく優しいよ?」

「王様が怒らなくても、他の人が怒るの!」


アカリは中々納得していないルイスと、説得力のある理由が考えられない自分に腹が立つ。

どうしてわかってくれないんだ!と頬を膨らませれば、ルイスは首を捻らせて「ご、ごめん?」と曖昧な言葉を紡いだ。



「___アカリには強い魔力も気配も感じませんし……大丈夫なんじゃないですか?」

「それさらっと言わないで!私が何もないってことくらいわかってるから!」



更にはレイスにまで攻められ、アカリは遂に二人に反抗した。

早くお城に帰って欲しい。自分は王子様たちとまともに話せるような人じゃない。そんな責任のようなものを感じていたからだ。


しかし、ルイスもレイスも民には腰が低い。どう足掻いても納得できないとアカリは予想した。それは時にメリットとなり、デメリットになるということも……。



「___僕、アカリに来てほしいの。ダメ……?」

「____ごふっ」



きゅるるんと、まるで捨てられた子犬が道端で通りすぎた人たちに「拾って?」とおねだりしているような顔だ。

身長的も年的にもアカリの方が上なので、必然的にルイスは上目遣いをしているようになる。


その破壊力があまりにもアカリの母性をくすぐったので、アカリは後ろ髪が引かれるような思いを感じながらルイスの言葉にかったと許可を示した。




***************




___そこから先は、とんとん拍子で進んだ。

レイスがタルトにきた馬車にルイスとアカリも乗り、ユーフォリア城に向かっていった。

馬車なんておとぎ話にしか聞いたことがなかったので、西洋文化に感動を受けるアカリ。

それに疑問符を浮かべるレイスとルイス。二人にとっては馬車はそこまで珍しくないものであり、貴族なら必ず使うもの。なのにどうしてアカリはそこまで目を輝かせているのか?遺伝か否か、二人の疑問は一致していた。



馬車を出て、城の中へと入っていくと、そこにはまるで何処かのお姫様が住むような内装が彩られていた。

外装もとても素敵で、先程ルイスと離れたところからみた城とは全く違う。


白をベースにしており、そこには金や赤などの王族の絶対的強さのようなものを現す色が散りばめられている。

また、アカリは感嘆の息をついた。

アカリは生憎仕事が忙しく、海外旅行などいっていない。しかし、この城へ近づき、中に入っていくにつれてアカリの好奇心は煽られ、まるで観光しているような気分がアカリにとどまった。


玄関ホールにはふたてに別れ、レッドカーペットのしかれた階段がずらりと並んでおり、歩くのにも一苦労だ。



「___お手を」

「___あ、ありがとう……ごさまいます」


階段の途中、レイスにエスコートなのか否か、手を差し出される。きっと階段を上るのを苦戦していた私を見かけて気を遣ってくれたのだろう。

そして今改めてこの人は真の王子なんだなとしみじみ思う。差し出された手を受け取って、アカリは慎重に一歩一歩歩みを進めた。


無数にある部屋の数々。このほとんどが客室らしい。

この城のとなりにあるホールで舞踏会などを行うようだ。

(舞踏会なんて……本当におしゃれ)


異世界の魅力にどんどんと惹かれ、どんどんと吸い込まれていく。目を開けばまるで自分がおとぎ話にいるという気分にさせてくれるようだった。

(シンデレラはきっと、こんな気持ちで舞踏会にきたのよ……)

そうふざけ半分で予想していると、大きな扉にたどり着いた。___ここが、王室らしい。いつのまにか長い階段を上り尽くしていたようだ。妄想の力は恐ろしい。


扉の両隣には待女二人がついており、完全にメイド服を着こなしている。__そういえば、なぜ玄関でいなかったのだろうか?玄関先で王子とか迎えるんじゃ……?



そう考えている合間に、キイィィと少し古びたドアが待女の手によって開かれていく。そこから木漏れ日のような光が私たちを照らす。目が眩み、無意識に閉じてしまう。

そして光がおさまった___と思い、目を開いたら。








「____ようこそ、ユーフォリア王国へ」



まさに王様!と言わんばかりの服装で、一番真ん中の王座のようなものに座っているのは、この国の国王。

ユーフォリア・デッド・ノイスと名乗った。

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