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二度目の私  作者: 川木
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「悠里」

「んっ、おはよう、葉子ちゃん」

「…ん。おはよう」


ちょっとだけぎこちなく、それでも挨拶を返す葉子ちゃんに私は微笑んだ。

これでよかったんだ。


「おいーっす」

「おはよう、るいちゃん」

「ん」

「今日から学校だるいよねー」

「るいちゃん、言いながら笑顔だよね」

「ははっ。だってあんたらいるからねっ」


るいちゃんは今日も元気だ。


「あ、宿題やってるよね。うつさせてよ」

「…やったって、言ってたじゃない」


二回確認したけどるいちゃんの返事は『順調だよ』と『やったよ』だった。なので安心してたのに。


「やったよー。半分」

「…絶対見せない」

「うえ!? よ、葉子! うつさせて!」

「駄目」

「がっ…でむ! この世には神も仏もいないのか!」

「はいはい…見ていてあげるから、今からでも頑張って」

「絶対間に合わないってー…あー…もうやんない。せっかく心入れ替えて半分やったのに!」


机につっぷするいちゃん。あーもう…仕方ないなぁ。


「今回だけだからね」

「だから悠里ってば愛してるぜっ」


笑顔で起き上がるるいちゃん。仕方ないから全部の問題集を渡す。


「ヒャッハー、計算通りだぜ!」

「……」


るいちゃんの計算通りらしい。手の平で転がされたというのかッ。

…やっぱりやめたくなったけど、一度言った以上仕方ない。


「言っとくけど、来年の夏休みは絶対見せないからねっ」

「え? マジで?」

「マジ」

「やったね! 冬休みの宿題は写させてくれんだね!」

「…あ、いや、そう言う意味じゃないから」

「いーや、もう駄目。もう無理。言質とったから!」

「いや、とれてなくない?」


無理矢理すぎでしょ。


「るい」


おお、葉子ちゃん。なんとか言ってやってよ。


「その時は私も見せて」

「いいよー」

「よくないっ。え? 何で急にそんなこと言い出した!?」


今まではいい子だったじゃん! 今年だって私に教わりはしても真面目に自分からやってたじゃん!


「今までのは…悠里がやれって言うから。でももういいから」

「えっ」


私がフッたせいで葉子ちゃんの学力が逆戻りすんの!? いい子なのは私に合わせてたの!?


「……決めた」

「ん?」

「なにが?」

「絶対に二人には勉強させ続けるから。宿題なんて休みが始まる前に終わらせるくらいびっちり仕込むからねっ」

「うわ、悠里がうざ熱血キャラに…」

「うざくて結構です。友達をおバカキャラにするわけにはいかんのです」

「うわー、急激にやる気なくなってきた」

「ん…面倒」

「……」


……葉子ちゃんに反抗されるといきなりやる気削げてくじけそう。

で、でも負けない! 


「まー、しゃーないなあ。どうしてもって言うなら教わってあげるよ」

「どうしても!」

「ん…なら、仕方ない」

「あ、ありがとう。頑張るよっ」


私の熱意になんとか二人も了承してくれた。よかった。これで……


「って、あれ、何かおかしくない?」


何で私が頼みこんで勉強教えるの? 元々最初は教えてって言われたからスパルタが嫌がられても教えてたはずなのに…。


「ぷぷ。今更悠里のうざ教師ぶりに嫌になったりしないって。本当悠里は単純だなぁ」

「ん」


二人はにやりと笑いあった。

くっ、この二人仲よすぎ! 波長合いすぎ! 私いじられキャラか!

……でもまあ、葉子ちゃんも元気出たみたいだしいいか。











次から中3です。

本当は葉子と玉恵視点をいれようと思ってましたが、面倒になったのでやめます。葉子視点難しいですし。

主人公はこれで、恋=ドキドキ。ドキドキする人と付き合おうと心に決めます。


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