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第八話 フェレス王国第一王女 エミル

こんにちは!今けっこう楽しくなってきて、予定よりも話が多くなってきたので八話で終わらせるつもりでしたが第一戦は9話に持ち越しにしました。

戦いを楽しみにしていた方申し訳ありませんで。

ですが、このまま連続で執筆するつもりなので大体二時間後にはがんばればあげれるかもです。お待ちくださいね!では後書きはあえて書かず、前書きだけで失礼します、お気に入りもよろしくお願いします!

 ティアとメイド服を来ている女の人の案内で二人は王座のある広間からしばらく歩きずいぶん奥まで来ている。


 二人が案内された場所は誰か重鎮でもいるのか女兵士が立っており不審人物が近寄ってこないか目を光らせていた。


 王城に忍び込むにも大変なのに、一つの部屋を守るなどそこにはそれほど重要な人物がいるのだろうと思う。そして、自分とティアが呼ばれたということは呼んだ人物に心当たりは一人しかいなかった。


 給仕の人が兵士にお辞儀すると一度ティアとライを見て扉の向こうに話しかける。


 「給仕のものがライ様とティア様をお連れいたしました」


 「中に入ってもらって」


 部屋の中から聞こえる声により部屋は開かれ入出を許可される。


 部屋の中に入るとまず目に入るのが天蓋つきのベッドや飾られている調度品、何かのお香を焚いているのか落ち着く匂いだ。


 二人は中に入ると女兵士は外に出て行き、メイドの人は中にいる人物の傍にそっと立つ。


 そして、ライは視線を部屋の中ほどにあるテーブルに座っている人物に定め挨拶をした。


 「久しぶり、エミル」


 エミルと呼ばれた少女、このフェレス王国第三王女はライに返事を返す。


 「遅い!」


 「……え?」


 しかし、ライが期待しいた返事ではなくいきなりダメだしをされたことで呆気にとられていた。


 一体なぜダメだししていたのかわからずに口をだらしなくあけていると、エミルはもう一度言う。


 「だから遅い!」


 理不尽すぎるだろう。


 「いやいやいや、いきなり遅いってどういうことだよ!」


 「だから遅い!何でさっさと来なかった!」


 「遅いって王都に到着してから考えうる限り最速の再会だと思うけど」


 「あー!もう!」


 でも、エミルには相手に伝わらないことがもどかしいのか地団太を踏んでいる。


 もしこの光景を見ていたら誰が先ほどまで王座の隣に座り、理性と落ち着きを持った王女だろうと思うだろうか。先ほど見たにもかかわらずライは自分自身を信じられなくなり始めていた。


 埒が明かないと判断したのだろう、先ほど案内していくれたメイドが説明してくれる。


 「ライ様、エミル様はどうしてもっと早くゲームを施行された日から発見されなかったのかといわれているのですよ。ライ様からしたらものすごく理不尽なんですけどね」


 メイドの人が説明してくれてようやくエミルが言いたいことが分かる。分かっただけで理不尽だろうという感情が強まっただけだったが。


 エミルは説明をしたメイドの人を睨んで文句を言っていた。


 「ユレイヌ!理不尽とはなんだ理不尽とは!」


 「だってそうではありませんか、エミル様も報告でクレイ将軍が最後に立ち寄った村で発見されて、ティアリス様が発見して一緒に王都に来られたと」


 「そうだけど」

 

 「王都に到着してからすぐに国王に謁見、その後にこちらにお越しいただいたのです。ライ様の言われるとおり一番早い再会だと思われますが?」


 「むー!」


 「むー、ではありません。二人とも呆れておられますよ?」


 そう言われてエミルは視線を扉の方に向けるとティアは苦笑、ライは何か悟ったような笑いを浮かべていた。


 それが気に入らなかったのかエミルはライに視線を向けた。

 

 「一体その目はなんなのだ」


 少しだけ不機嫌になったエミルに臆することなくライは返事を口にする。


 「いや、なんだか懐かしいなと思って。改めて言うよ久しぶりエミル」


 そういうとエミルは一度だけため息をつきながらも返事をしてくれた。


 「久しぶりだなライ、ティアもライを見つけてくれてお礼を言う」


 「ううん!ライを見つけれたのは偶然だったし、それに昔約束した仲だよ。気にしないで!」


 『自分たち三人の誰かに危険ガ迫ったり助けが必要になれば他の二人が必ず助けに向かう』


 今回エミルはティアに助けを求めライの捜索したのだ。この約束がなくても王女であるエミルが部下で兵士に当たるティアに礼を言う必要はないかもしれない。しかし、エミルはティアに昔の孤児院にいた友人として礼を言うのだった。


 三人は再会を喜びながら、メイドのユレイヌが用意してくれたお菓子と紅茶をテーブルにおき二人も机に座った。


 「そうだ。彼女を紹介しておこう。彼女はユレイヌ・エストリア。長い間私付きのメイドをやってもらっている」


 紹介されたユレイヌは頭を下げて自己紹介をする。


 「エミル様にご紹介の通り、私はユレイヌ・エストリアと申しますライ様。今回ライ様に会えることを、エミル様共々とても楽しみにしておりました」


 「楽しみに?」


 「はい、エミル様がとある孤児院に行かれて帰ってきた後に毎回その時のお話をされて、特にライ様のことを何度もお話・・・」


 「ユレイヌ!?それ以上言ってみろ!私も怒るぞ!?」


 ユレイヌは主であるエミルに言われ苦笑しながら頭を下げる。


 「と、エミル様が申しておりますので詳しくは申し上げれませんが、楽しみにしていましたのは本当でございます。今後もお会いする機会はあると思いますのでお見知りおきを」


 「こちらこそよろしく」


 一通り挨拶を終えたライたちはエミルの反対側の椅子に座り、ユレイヌが準備してくれた紅茶を飲みながらライは一息つき、ライはエミルの様子を見計らって質問をする。


 「それでエミルこの部屋に呼んだ理由は?よほどのことがない限り頭が君が疑惑が掛かるのを分かって呼ぶはずないよな」


 エミルを見据えてライは質問をすると、エミルは雰囲気をかえ理知的な炎を瞳に宿す。


 「もちろんそうだ。今回ライを呼んだのは対戦相手であるイウル・ダリアント伯のことについて話そうと思ってな」


 「あの貴族か」


 「ああ、イウル伯のことだが……油断するな。王族でも早々手を出せないほどの大貴族で権力を巨大だ。そして黒い噂も絶えぬ。今回のことも何か裏で操作して優秀者になったのではないかとも聞こえてくるしの」


 「そんなことが可能なのか?もしばれたらただ事じゃすまなくなるとおもうが」


 「だから、権力が大きいのだ。大貴族に従わなかったら自分のみが危ない。王国に忠誠を誓ってくれる騎士、貴族がいることは分かるがどうしても人という生き物は単純でもないからな」


 エミルは忠誠を誓っていたとしても自分かわいさや、弱みを握られて評価を操作する可能性を示唆していた。


 「分かった。エミルの忠告は気をつけるよ。それで本題なんだけど」


 「私がライに助けてほしいということだな?」


 「ああ、ティアの伝言は聞いたけど内容は聞いてない」


 しかし、エミルはここで困った顔をする。


 「本当はここで教えるつもりだったのだが……イウル伯に説明を防がれてしまって答えられないのだ」


 「なら今回このことは副賞と特権が関係してくる?」


 「そうだ。だから今の私に言えることはこれだけ、絶対にイウル伯に勝ってくれ」


 「わかった」


 ライはエミルの言葉に即答で答える。


 エミルはライの返事を聞いてようやく満足したように微笑む。本来ならばもう優勝者はイウル伯に決まっていたのだ。それをぎりぎりでライの登場により防ぐ可能性がでてきて、しかも頼みを伝えることができた。


 胸の不安を少しだけ取り除くことができて次にティアに話しかける。


 「ティア、もしかしたらこれからライにイウル伯が工作をしてくるかも知れない。だからライを守ってくれ。クレイ将軍には私から言っておこう」


 「了解!……でもいいの?昔の約束忘れてないよね?」


 とここでティアは確認を取るようにエミルに言う。その様子をみてライは首をかしげた。


 「なあ、昔の約束って他に何かあったか?」


 すると慌てたようにエミルは手を左右に振っていた。先ほどまでの理知的瞳はもうない。


 「な、なんでもない!ティアも軽々しく言うんじゃない!」


 「あーそうだったね」


 「一人だけ仲間はずれってひどくないか?」


 「これはあれだよ。うん、女どうしの約束だよ」


 「そ、そうだ!女同士の約束だ!だからライは気にするな!」


 「うーん」


 ここまで女同士といわれたら深く聞くこともできないだろう。三人で約束したことは今になってもすごく大事な約束。そんな時期に女同士で約束したのだとしても同じように大切なことだと想像できたからだ。


 すると、いつの間にかユレイヌが傍にやってきて耳元に口元を近づけささやいていた。


 「ライ様も罪なお方ですね」


 「え?ユレイヌさんには約束が分かるんですか?」


 「正確には分かりませんが予想は付きます。それと私のことはユレイヌと呼び捨てでお呼びください」

 

 二人でヒソヒソと話しているとその用紙に気が付いたエミルが矛先をこちらに向ける。


 「ライ!ユレイヌと何を話している!」


 「別に、ただ今後のことを話していたってところかな」


 「むーなんだか怪しいが、今は時が時だ長くここにいることも好ましくない。ライ、ティア、また今度時間を改めて話をしよう。ユレイヌ、二人を案内してやってくれ」


 「かしこまりました」


 そうして二人はユレイヌの後ろを付いていき部屋を出て行く。


 エミルはライの背中を見ながら一言呟く。


 「頼んだぞ、ライ」


 その呟きに返事を返す人物は誰もいなかった。 


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