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第九話 優秀者決定戦 第一戦目

こんにちは、いきなりですが疲れました!ついに主人公が戦闘で活躍します!お楽しみください。あとお気に入りも増えるとないて喜びますよ!ではまた明日更新すると思いますのでおやすみなさい!

 エミルと密会をして王城の一角である客室を与えられたライはその日用事があるティアと別れ、長くの疲れが出ていたのか寝てしまっていた。


 そして翌日。


 晴天に晴れた空を見上げながら目が早く覚めてしまったので、父親からもらったガントレットを左右に装備して体を動かしていた。



 ライは策略などの頭の良さを武器にしていくつもりだったが孤児院の人たちに言われて武術のほうも少々かじっている。


 孤児院で行っていた戦いでは一番『純粋な』武術に秀でていたのはティア、次にライだった。孤児院がなくなって数年立っているのでティアの場合はもっと力をつけているだろう。


 そう思いつつ鍛錬をしていると、そこに一人見知った人物が話しかけてきた。


 「こんな早くからどうされたのですか?ライ様」


 声がしたほうを見るとそこには、エミルのメイド、ユレイヌがメイド服を着たまま立っていた。


 「なんだか目が早く覚めたんで体を動かそうかなと」


 「そうですか」


 そういって、次に何を言うかユレイヌは迷って提案してきた。


 「ライ様今からすぐに鍛錬をお止めになってください。そして、体を休めるように」


 「え?いきなりどうしてそんなことを?」


 冗談を言っているようではないユレイヌに疑問を吹きかける。


 「今日ライ様は大事な勝負の日なのです。試合前から疲れてしまっていては十分な力を発揮できないでしょう」


 反論をさせぬ何かしらの圧力を感じてライは思わず後ろに後ずさりそうになる。でも、そんな雰囲気をすぐに和らげてユレイヌはやさしく微笑み提案してくる。


 「朝食を持ってくるように給仕のものに私から言っておきます。ですからライ様は部屋で、『ガントレットの整備』などをして時間をつぶされたらどうですか?」


 「え?」



 それはどういう意味と聞こうとしたところでユレイヌは背を向けて


 「エミル様のため勝利を願っております。がんばってください」


 それだけ言うとユレイヌは城の中へと入っていった。


 「……戻るか」


 ユレイヌがなぜあのようなことを言ったのは分からない。しかし、ユレイヌがわざわざ不利なことを自分に忠言するとも思えなかった。ライは素直にユレイヌの言うとおり部屋に戻り、メイドの人が持ってきてくれた朝食を食べ、ガントレットを磨いたりして時間をすごした。


 そして一刻が過ぎたころ、扉を控えめにノックされる。


 「はい」


 返事をすると扉の外から女の人の声が返ってくる。


 「ライ様、国王様から訓練場に来るようにとお達しでございます。準備をしてから私目に仰っていただければご案内しますので」


 そう言われてライはすぐにガントレットを手に扉を開けて案内されるのだった。


 案内された場所は日々は兵士たちが訓練する場所なのだろう、人形に見立てた藁人形やが設置しており、中央を除けば回りには甲冑を来た兵士や上級職をあらわすマントを着るもの、立派な絹を使った文官であろう人物と、様々な役職の人たちがここに集まっていた。


 昨日国の将来を左右するとは聞いていたが現実味を帯びてきた。さすがに民衆ではなく役職を持つ人たちがこうも集まるとただ事ではないだろう。


 ライの反対側にはすでにイウル伯が待機しており取り巻きなのか兵士たちと話しながらこちらをニヤニヤと見ている。


 ライは気にせずに視線をさま寄せていたが、一つの声がその場の空気をざわめきを静かにさせる。


 「皆の者!よくぞここに集まった!」


 ジギル国王が訓練場に姿を現し声を張り上げる。


 「今日は、以前に申していた通り一年前に出したゲームで見事優秀な成績を収めた二人で勝負をしてもらう!それで真の優秀者を決定させる!皆にはこれから行われる二つの御題で二人の人物をしっかりと見てほしい、そして感じてほしい!己の考えで!信念で!」


 すると周りからは歓声が上がる。それほどジギル国王の人気が伺えた。


 歓声が上がり一呼吸分上げてからジギル国王は頷き再び喋る。


 「では、ここからの決まりごとはわが娘であるエミルから伝えるものとする!……エミル」


 「はいお父様」


 そう言われて傍に控えていたエミルが前に出る。エミルはライに視線を一瞬だけ向けるとすぐに戻し声を張り上げた。


 「父上に言われたとおりここからは私から説明する!今回決定戦で行われる一回目の勝負は、貴族側からあがった要望により一対一の武術勝負とする!使う武器は自由!魔法武具、防具、アクセサリーを使うのも自由だ!しかし、禁止事項もある。一つは相手を死に至らしめた場合、そのものを負けとし厳重に処罰する!次に勝敗は私と父上、数人の将軍が判断するものとする!」


 エミルはイウル伯とライを見て問いかける。


 「二人とも以上のことを守り正々堂々と戦うことを誓えるか?」


 「正々堂々と戦うことを誓います。どうか大貴族であり騎士である私、イウル・ダリアンドの華麗なる剣舞をお見せし相手を倒してご覧に入れましょう」


 「ライ殿お主はどうかな?」


 エミルはイウルの言葉を聞いてすぐに視線をライに向け問いかける。


 「分かりました。正々堂々と戦いましょう」


 国王や王女がいるということで丁寧に受け答えるライ、久しぶりにお調子者のときに喋っていたときの癖が出そうになって焦ったが何とか答えることができた。


 「うむ、では二人とも前に!」


 イウル伯とライは前に出てきて両者己の武器を取り構えを取る。


 ライはいつもどおりガントレットを、イウル伯は騎士の標準装備である片手剣を。しかし、その剣は立派な装飾がされておりただの剣ではないようにみえた。ただ、剣が真新しく見え今回のために持ってきたのだろう。


 貴族からこの勝負は要望されたといっていた。手を回して今回の勝負を持ちかけたのは明白であった。


 ライの考えは正しく、イウルは口者をにやけさせていた。あの平民と頭脳勝負をして撒けるつもりもないが、念には念を入れて確実に一勝をとろうとした結果だ。頭脳がよくても毎日騎士として過ごしてきた自分と、平民として普通に過ごしてきた相手、どちらが勝つのか明らかだろう。しかも今回は大枚をはたいて買った武器なのだ。負ける可能性など微塵も考えていなかった。


 ライとしてはそんなイウルの表情を見てため息がでる。本来ゲームで勝ったのだから頭脳勝負になると思っていたのに、いきなり関係ない武術を求められるとは。どうせ目の前のイウルが手を回していたんだろう。


 それでようやくユレイヌが言っていた体を休めてガントレットの整備をしろといっていた理由が分かった。


 「では二人とも準備はいいな?」


 二人は頷きお互い意識を集中させる。


 「では、最優秀者決定戦!第一戦目を開始する。はじめ!」


 訓練場にエミルの声が響き渡ると兵士たちは歓声を上げて二人の行方を見守る。ここに集まった待った人々は九割以上がイウルが勝つと思っている。だが、それでもあの平民は優秀成績者なのだ。どういった行動をするのか注目を集めていた。


 お互い相手の動きを見極めながら見ていると突如イウルが話しかけてきた。


 「君の武器はガントレットのようだがそのようなもので本当に私に勝てると思っているのかい?もし今勝負を辞退して試合自体あきらめるのだったら、私から国王に進言してやめてあげることもできる。褒美が目的なら私から金貨をいくらでも渡そう。どうだ?平民には喉から手が出るほどいい話だと思うが」


 ぺらぺらと周りに聞こえないぎりぎりの声で話しかけるが、ライは一言言い返す。


 「いりません、それに自分の心配をしたらどうですか?騎士様?」


 あえて騎士様といって嫌味を言うとイウルは首を横に振りため息をついた。


 「なるほど、どうやらよほど痛い目にあいたいそうだ。国王とエミル様に感謝するがいい。殺すことは禁じられているからな。ではいくぞ!」


 イウルは自信満々に声をかけると剣でいきなり足を狙ってきた。イウルとしたら殺さなければ良いだけで相手に事故で大怪我させても問題ないと考えていた。そして、相手の武器は腕を振るガントレット、リーチの差で防ぎにくいところを狙ったのだ。


 それをライは軽く後ろに飛ぶことで回避する。


 「!?」


 イウルとしては驚愕するしかなかった。ただの平民だと思っていた相手が自分の渾身の一撃を受けるではなく避けたのだから。



 ライは冷静にイウルを見る。なるほど、確かに騎士として剣術に心得があるようだと。普通の何も武術に心得がなかったらやられていただろう。しかし、ライは心の中で思う。


 (昔槍をもったお転婆少女にしょっちゅう狙われていたから、それに比べればぬるいな)


 イウルは今のはまぐれだと信じ再び剣を振り上げ今度は足だけではなく腕、肩、胸などを攻撃していく。それを難なく体を捻り避け、一度も攻撃を防御することはなかった。


 これでようやくイウルは相手が偶然ではなく見極めて避けていることを悟る。


 「よし、分かった。次はこっちから攻撃する」


 ライが小さく呟くのを耳にして激怒しようとしたが、すぐにその余裕がなくなる。


 ライが拳を振りかぶりイウルを圧倒していたのだ。拳と剣、間合いという意味では剣が有利だが、もし拳の間合いに入ろうものなら有利なのは拳になるのだ。


 拳を相手の手首、肩を狙い突き出すとイウルは剣で弾き、肩を引きどうにか離れて間合いを取ろうとする。しかし、それを許すほど甘くない。今まで上半身を狙っていたライはイウルの右足が後ろに下がろうとしたのを見計らい、左足を足の裏で外側に蹴りこみ相手のバランスを崩すことに成功する。


 これで終ったかなと思ったが嫌な予感がしたライはすぐに後ろに下がり間合いを広げた。そのすぐ後に、ライがいた場所で激しい閃光を放ち地面を焦がす。


 イウルは地面に倒されるという屈辱に卑屈な笑いを浮かべ


 「お前、よくも地面に倒すという屈辱をくれたな。少し痛めつける程度で終ろうと思ったがもう後悔しても遅いぞ」

 

 そういうとイウルは剣を前にして呟く


 「いでよ!紅蓮の龍よ!」


 すると突如イウルの周りに変化が起こり、赤く燃える龍が出現した。


 今回イウルが持ち出した剣は「紅龍の剣」見た目の通り紅に燃える龍を出現させたり炎をある一定の出力を操る力がある。


 その龍を見てライは無言で拳を下ろす。


 それを見たイウルはライが降参したと見たようだ。


 「どうしたんだ?まさかここまで来てあきらめたというのではないな?」


 勝利を確信して喋るイウルだが静かにライは告げる。


 「その龍をこっちに向けて放つと危ないぞ」


 「ああ、だろうな。平民の君が危ないのは間違いない」


 しかし、ライは首を横に振る。


 「あんたに言ったんだ、騎士様?」


 ここまで馬鹿にされてイウルはついに怒りが頂点を超え剣を振りかぶる。


 「いけ!紅蓮の龍よ!相手を消し炭にしろ!」


 そこでイウルは龍をライに向けて飛ばした。いや、飛ばそうとした。


 飛んで行こうとした龍はいきなり爆発を起し近くにいたイウルに炎として襲い掛かっていたのだ。


 「ぐぁ!?」


 近くで爆発と熱気にやられ地面に転ぶと剣は投げ出され、イウルの目の前には拳が突きつけられる。


 しばらく一体何があったのかと回りも分からず静かにしていたが一番最初に声を出しのはエミルだった。


 「そこまで!勝者はライ殿で決定だ!」


 するとようやく状況を読み込めたのだろう。半分以上の兵士たちは歓声をあげまた上級職の兵士たちは一体なぜ龍が爆発したのか原因について考えていた。そんな兵士たちでも唯一分かっているといえばあの平民である青年が、何かしらの行動して爆発させたということだけだ。


 エミルが勝者を告げたあと、変わるようにジギル国王は言葉を告げる。


 「双方正々堂々とすばらしい戦いであった!そのぎりぎりの中でライは勝者となった、皆の者両者をたたえようではないか!」


 すると再び訓練場は歓声に包まれる。ひきりしに歓声を聞いた後ジギル国王は今後の話をし始めた。


 「では、そろそろ解散を告げるが、その前に今後のことを伝えておこうと思う。第一戦目はライの勝者となった。しかし、第二戦目があるのはみなも周知のことであろう。よって第二戦目はこの二人が相応しい戦いを考えておる!」


 先ほどの歓声とは裏腹に、訓練場は王一人の声が響いていた。


 「次の勝負は三日後とする!内容は明日勝負者二人以外のものに伝えるとする。本人たちが知ることができるのは当日のみだ!それまでにもし情報を漏らしたものは誰であろうと厳罰とするゆえ心に留めて置くように。では両者とも三日後に再び正々堂々と思う存分知略を発揮するがよい!」


 その言葉で訓練場での騒ぎは終わり解散となった。


 みなが興味深そうにライを見る中一人の人物が傍にやってくるのに気がつく。


 「やったねライ!おめでとう!」


 そういってティアはライの腕を抱きしめ大喜びをしていた。女性特有の二つの膨らみを押し付けられドキドキとさせられたが表情には出さず、ティアを引き離す。


 「ありがとうと一応言うけどまだ完全に勝ったわけではないよ」


 「それでもとりあえず喜ばなきゃ!」


 なんだか自分以上に喜んでいるティアを見ていたらおかしくなってライは笑ってしまった。それを見て少しだけティアは不機嫌になる。


 「どうして笑うのさー」


 「いやなんだか、ティアのほうが喜んでいるのがおかしくって」


 「可笑しくありませんー!ライが冷静すぎるんだよ!」


 ギャーギャー言ってくるティアをなだめながら時を過ごしていると少しは落ち着いたのかティアは改めて質問してくる。


 「それにしても、皆ほとんど気が付いていないみたいだね」


 「ティアは気が付いたんだ」


 「うん、孤児院でどれだけ見たと思ってるの?」


 自慢げに言うティアは楽しそうであった。


 気が付いているというのはなぜイウル伯が放った龍が自爆をしたことを言っている。


 「そっか」


 「そうだよ、あれにどれだけ苦戦させっれたことか」


 ティアとライ二人が純粋な武力勝負をすればティアのほうが武器の相性もあっていい勝負ができるだろう。


 しかしもしそこに魔法という概念が入ってくると、ティアはライにかなわなくなるのだ。


 「でもあれって敵にしたら厄介だよ。いきなり目の前に壁が現れてしかもほとんど見えないんだから」



 そう、ライは見えない壁を龍の前に置いただけなのだ。あとは龍を飛ばそうとしたら壁に当たり爆発した。でも、目立ったことをしていないライに対して周りにはなぜ爆発をしたのか分からなかっただろう。


 ライはうまくいったなと考えていると、ティアが何かを思い出したように話しかけてくる。


 「そういえば王様が次の戦いは三日後っていってたよね?」


 「確かに言ってたな、でもそれがどうした?」


 「明日私に付き合ってくれない?町案内もかねて」


 そこで考える。よく思えばこの町に着たばかりで何があるか知らないのだ。それに、ずっと客室にいてもすることがないからいいかなと考えた。


 「いいぞ」


 「やった!」


 そう答えてからふと思う。なんだかある意味これはもしかしたら世間一般で言う。


 「明日デートだね!明日昼ぐらいに城門の前で待ってて、楽しみにしてるよ!」


 ライの頭の中に浮かんだ言葉を変わりにティアは口にして走り去ってしまった。走り去る瞬間ティアの耳が少しだけ赤かったように見えたが気のそうだろう。


 「デート・・・ね」


 もう一度言葉を繰り返すがいつまでもここにいるわけにはいけないことに気が付いてライは、自分の客室に戻っていくのだった。

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