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幕間〜蝉の哭く森で

 うるさいほどの蝉が哭いている。もうどれぐらいこの森を彷徨っているのだろう。長い時間が経った気がするけれど、暗く鬱蒼とした森は行けども行けども果てしなく続いている。もはや自分がどこにいるのか、どの方角へ向かっているのか、今の時刻すらわからない。


 緑色の苔に覆われた大木に寄りかかり、束の間、休息していた彼女は、怯えたようにビクッと震えた。疲れ切った足を引きずり、今にも転びそうになりながら、再び前へ進み始める。大量の蝉が、カナカナ、カナカナと哭き出した。


 同じ場所をぐるぐる回っているだけのような気もした。でも目印がないからわからない。彼女にわかっているのは、立ち止まってはならないということだけだった。


 どれほど疲れていようが、裸足に木の枝が突き刺さろうが、ただただ前へ進むしかない。


 もしも進むのをやめたら、あれに追いつかれてしまうから。


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