その頃の異常者!
「おっ!かかったァ〜ッ!!」
「クソゲーだっ!乱数腐ってんぞこれッ!」
「そもそもゲームの中で何故こんな苦行をせにゃならんのだッ!」
「おいおい〜自分の腕がカスカスだってのに逃げちゃあダメだぜェッ!!うっしゃ5匹目じゃオラああ────ッ!!」
凄まじい水しぶきと共に巨大魚が釣り上げられるッ!
高性能なレイトレーシングによって飛沫が光を反射して虹がかかると、目前に『Congratulation!レインボー・キング・フィッシュを釣り上げました!【ロイヤルジュエル】を5個獲得!』という表示が現れる。これで25個目だッ!!
「知り合いは『ありえないぐらい釣れない、半日返してほしい』って言ってたんですけど…」
「バサラちゃんは変に運いいからねぇ〜、多分現実では宝くじとか当たらないけど、ゲームだと軽々1等当てるタイプよ」
「確かにそのイメージある」
「むしろそのイメージしか無いな…」
現実でのクジ運はカスの王ぐらいだから否定できないですねェ〜っ!
アニメとかのフィギュア当たるクジは2~3手で一等ツモだけど、馬やらパチスロやらだと一回も勝てなかったので大学以来行ってませんッ!
ちなみにその最初で最後は今釣り竿池に投げ捨てた暗殺者と紳士(笑)に引きずって連れてかれました。そういった小さな悪行が積み重なって自然環境は破壊されているんだぞッ!!
あっ!言い忘れてたけど今は【ロイヤルジュエル】も手に入っちゃう川に来ていま〜すッ!
なんと敢えてこの夏の時期、川に戻って産卵をするシャケっぽい魚『レインボー・キング・フィッシュ』っ!
この子を一匹捕獲するだけで5個ものジュエルが手に入っちゃうんですよ〜ッ!!
本来は5時間待って一匹釣れるかどうからしいが僕には乱数の神が付いてますからねぇ〜っ!さっきから10分に一匹の頻度で釣れてますッ!
逆に恐怖覚えるねっ!コワ〜…
「絶対にお前何らかのバグかチート使ってるッ!」
「【狂化】の為にまともなプレイ捨てた辺り異常者とは思ってたが、まさかそんな事を…っ!」
「犯罪を止めれなかった友達みたいな事言いながら濡れ衣を被せるなッ!あと半年は着ないからなッ!!」
「自然乾燥を待つとは…」
「やはり時間感覚が常人とは一線を画すか」
「別に9時間が短いと思ってる訳じゃないんですけどぉ〜??」
「ん〜5匹もいればもう十分じゃないかしらぁ?」
「一匹でもいいぐらい大きいしね〜っ!」
「それではどう調理しましょうか?」
掛け合う俺たちに対して、オッサンやブラン達の反応は冷たい。くぅ〜ブランのヤツっ!
かつては「この人たちヤベェ…ついてけねぇ…」と困惑や焦燥の表情を見せてくれたというに、スッカリ俺たち慣れやがってッ!
俺は子供の成長を今目前に見ているよ、お母さん…!
「俺刺し身食いたい〜ッ!」
「川魚の刺し身とか正気かな?」
「寄生虫に蝕まれて内部から死ぬぞっ!」
「逆に正気だと思うんか?」
「「まずもってそれは無い」」
そんな口揃えて言わなくてもいいじゃないか…;;
「はいはい、残念ながら調理器具とか無いから巨大魚の串焼きよッ!」
「はいはいはいはいっ!肉厚すぎて焼くのに5年かかると思いますッ!」
「うなぎの焼きにかける時間よかマシだな、ヨシッ!」
「一生焼き続けられるうなぎの気持ちを一度でも考えたことがあるか?」
「可哀想ですよねうなぎ、5年裂かれて3年串打たれて2年ずつ減ってくのかと思ったら急に一生焼き続けられるんですから」
「わたしもううなぎ食べられないかも…」
「みんな適当こいてるだけだから気にしなくていいわよリオちゃんっ!」
リオちゃん純粋でかわいいね、癒しッ!
そんな訳でレインボー・キング・フィッシュを捌きます!動画サイトで見たとおりにやろうねッ!
まずオッサンの用意したナイフで無理やり鱗剥がすでしょ〜っ!そっから腹バーッ!って開けてモツグチャ〜ッ!って取って、首面倒だからダンッ!って落として背骨に合わせてガリガリガリィッ!ってやればハイ完成ッ!
「うおっありえんコイツ!弾き飛ばした鱗が逆流する雨のように天へ────ッ!」
「ん〜レインボー・フィッシュ特有の鱗が光反射して虹を生み出している所は芸術点高いが生臭いので−100点ッ!死ねボケッ!!」
「魚の血が霧のように…」
「くさい〜」
「情景以外マイナス点しか入らないのすごいわねェ〜」
ん〜!三枚おろしの身もガタガタッ!なんでッ!?
やはりヤツらはプロであったか…いやにしても酷いな、確実に知能値の逆補正だわクソボケ。
とはいえ別に食べれないわけじゃないのでヨシッ!
ちゃんと捕まえて調理を施したものだからな!毒とか入ってる訳ないしいいだろっ!
あと何よりもう日が下り始めてるので代替の食物探すのが面倒ですッ!!
ん〜赤裸々ッ!ぁなた以外にはなぃしょだョ…!
「ほらお前らもさっさとやるんだよォ〜ッ!俺を見習え俺をッ!」
「反面教師にして頑張りま〜す!」
「仮にもオッサン製のナイフであんなズタズタにできんだなぁ〜」
「殺意の波動に目覚めそう」
などと言いつつみんなちゃんと魚の捌いてて偉いぞっ!俺がふざけた分まともにやってくれよなあッ!
ちなみに結局飯食ったのは2時間後でした。
理由は途中で切り身を釣り餌にしたら魚が合体して特殊なボスモンスターになって襲ってきたからですッ!クソゲ─────ッ!!
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