なんだこの青年!
「いやぁ〜っ!イベントも残すとこ一日半かぁ〜!」
「案外短いもんだった...いや本当にそうか?むしろ普通の一週間よりも明確に長かったのではないか?」
「超ティラノとの戦いから始まりロールとの無駄な戦闘、廃都市での鬼ごっこ、ブラン達を知らんモンスターハウス的あれから気合で救い出したあと都の方へ進み始めて2つの街を通過、山賊PK軍に狙われたから叩き潰し、プレイヤーと会うとほぼほぼ戦うから通りずらい森林を進んだのにアホが同族の切り身で釣りをするとかいう暴挙かましたせいでクソデカ魚モンスターが発生して森半壊...枚挙にいとまがないの究極系ぐらいに旅の記録が圧縮されてんねェ〜〜ッ!!」
「思い返せば九割地獄ねぇ〜!」
「これが上位プレイヤーの日常なのか...?」
「たぶんバサラさん達が変なだけだと思うよ?」
それは多分事実ッ!!まともの横道を意図して一本逸れ続けてるだけなんだけどね...
ワシは最近「塵も積もれば」を一身に感じているよ...!
っていうか、よくよく思い返すとこの一週間ってたかだか数時間なんだったか。
技術と時代の進歩を感じるね〜ッ!これからは毎日こうしてくれやッ!無理だろうけどッ!!
常に時間引き伸ばしてたら脳味噌焼け焦げて死にそう、マジ南無阿弥〜
さてさて、そんなこんなでそろそろ森も抜けそうだなぁ〜!
予定通りに進めば丁度イベントが終わるタイミングで都に付くはずッ!途中ですれ違ったプレイヤーの情報が正しければだけどッ!!
普通なら「都に隠されたジュエルやら欲しぃ〜」って感じで向かうだろうがそんな余裕ないし興味もないので俺からすればただの都合良いゴール標識なんすわァ〜ッ!
「お、そろそろ平地出るぞ!」
「日光を充分に浴びれる喜びを噛み締めた2日間だったな…」
「出たら出たで気の立ってるプレイヤーに襲われそうだけどねぇ〜」
「最終日ですからね、ジュエル集めに手段も選らばない人も多そう」
「うぇ…ブラン、守ってね…?」
そう言ってリオはブランに抱きつくも「わかったから離れて…」と一蹴というか、ぐいぐいと顔面を押し返されていた。
マジでこの子たちは付き合っていないのだろうか…?交際関係を超望遠で見てみれば実質付き合っていると言えるのでは…?
若年層の貞操観念を心配しつつ進む内────森が開けるッ!
未だ遠方にある都、そこに立つ城すら覗く程に開けた平地には見渡せる限り近くに人の気配や痕跡は感じられない!よしラッキーッ!
「これなら予定通りに行けそうだな」
「そういうこと言うとなんか来るって古事記にも書いてあるぞ」
「古の時代から語り継がれる死亡フラグだぁ〜っ!」
「実際スキンヘッドのリーダーも意味深な事言ってましたし、あまり変な事言うのは…」
ハッハァ〜ッ!気にしすぎだろうブランッ!!
俺たちとてふざけてるだけで実際には「よく聞くやつで草!」ぐらいの気分でしか言ってないからなぁ!
…ん〜?ふと今までを思い返してみるとこういう時事前に立てたフラグが折られた記憶が無いな?
むしろ確定で当たっているような─────
「っ、危ねえ避けろォ────ッ!!」
─────思考と同瞬、深紅の雨が頭上に降り注ぐ。
刹那、俺がブランを抱え前方へ飛び退くとそれに一歩遅れるようにしてモリが単身、オキがリオの手を掴んで予想できる槍群の着弾地から離脱したが…僅かに遠い。
リオと彼女を掴んだ右手が着弾地を抜ける直前、それよりも僅かに速く槍は地面を穿った。
「リオッ!」
「オッサンッ!?」
瞬間に弾けるオキの右腕と、着弾地から逃れそびれたリオとオッサンの体。二人は呻きを上げる間もなくその全身を塵へと変える─────。
「右逝ったかぁ…利き手じゃないからマシだが」
「最近何もなかったからって油断かましすぎたな」
俺とブランがその事態に茫然とする中、二人は「ミスった」吐き捨てつつ失敗を確認するように呟く。
いや待て待て待てっ!急すぎるだろう展開が…ッ!?
森出てフラグ立てて直後に回収とかそのレベルじゃないだろ、立てた瞬間に回収したッ!
伏線作りと回収に萎えた末期の漫画でもここまでの速度は無いだろう!?
「外した…いや避けたか?素晴らしい反応速度だ」
困惑が未だ解けぬ最中、槍の石突きが向く方向から進む巨大な影が近づき男の声がかかる。
ふとそちらを見上げてみれば、そこには二匹の馬が引く鉄戦車と声の主。彼が指を鳴らすと全ての槍は溶けて消え、彼の掌に集まり一つの槍へと結合した。
それを見てようやく、俺はその男が攻撃の主であると察した。遅すぎるとか言うなよ!
そして、それと同時─────
「雑魚は選別できたようだし、問おう。
────君たち、私の側に付く気は無いか?」
俺は自らの額に、青筋が浮いたのを自覚した。
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ダルさに襲われながら書いたのでいずれ修整するかもです。




