第七話の登場人物・語句解説
***用語***
日常生活の一端を描いた今回は、特に説明が必要な用語はありませんでした。
***登場人物***
《ナレーター》
特別企画『イッチョマン・RADIO』を開催できて、しばらくは御満悦のはず。
《パンツイッチョマン》
本作のメインヒーロー。コンビニエンスストアに石鹸を買いに来る、という彼なりの日常を垣間見せてくれた。どうやら固形石鹸派のようだ。……どうでもいいか。
気になるのは、変身のタイミングだが、本人の発言から推測すると、「風呂に入る前に石鹸が切れているのを思い出して、そのままの格好で買いに来た」可能性がある。もしそうなら、ヒーロー行動と関係なく半裸で行動するなんて、もう露出狂呼ばわりされても仕方ないですね。本人的には、変身しすぎて、半裸行動の精神的ハードルが低くなっちゃっているのかもしれない。……当然、痴漢行為の言い訳としては通用しないので「あ、その手があったか!」と感心しないように! というか、一応、パンツイッチョマンも痴漢じゃないですからね!……いや、そう言えるのか果たして……。
《木下 俊樹》
コンビニエンスストアの深夜アルバイト。本業は大学生。そういえば、昔は、アルバイトする人としてアルバイターと呼称されていたようだ。それがいつの間にか、仕事についても、その仕事をしている人についても、アルバイトと呼び方が一緒になってしまった。文脈から区別は可能とは言え、言葉を紡ぐ事を生業とする者にとっては、この単純化は嘆かわしい。……あ、私のことではないですよ。執筆が生業なんかじゃないですから。たぶん、そういう人たちはそう感じるだろうなぁ、という想像です。
え? じゃあ、私がどんな仕事をしているか、ですか? えーと、アルバイトです。
お後がよろしいようで。♪テケテン、テケテケテン……
《独楽米 滝子》
コンビニエンスストアの常連クレーマー。出没する時間帯から、残業続きでストレスが溜まっているんだろうなあ、と想像できますが、だからと言ってクレームで発散するのは褒められた事ではありません。
しかし、ストレス発散方法として知られる愚痴も、吐き出す方はストレス発散になるけれど、聞いている方はストレスが溜まる、と言われているので、クレーム対応と似たような構造なんですね。
聞いている方が実はちゃんと聞いていなかった、とわかると急に話していた方がストレス溜まるあたりも、同じですね。一方的に話すだけで良いなら、お人形なんかに話しておけば、誰も不幸にならないのにね。……え、それじゃあ、お人形さんが可哀想? 優しいんですね、あなたは。
と、まあ、そんな話はどうでも良くて、この独楽米さん、「実はこんな陰湿なクレーマーだった」と、もし職場で知られたら、「え! 意外。あんなにおとなしい人が?」と驚く人もいれば、「ああ、やりそう」と納得する人もいる、という感じで見られています。人によってどこを見てどう感じているのか変わるものなのですね。
《若いコンビニ客》
現代社会の病気とも言われているスマホ依存。その症状の一つである「ながら〇〇」をしていた若者。作中では、ながらコンビニですね。……え、そんな言い方しない? それに、ながらコンビニはそれほど問題ではない? 「シャキシャキレタスないけれど、どうする?」と家族とやりとりするみたいに、むしろ正当に利用する人も多い? ……な、なんですか、ちょっと言っただけで、一斉に返してきて。
ともかく、正式な名前が明かされていない、いわゆるワガネコキャラである。いや、今後登場するかもしれないが名前を付けていない対象がワガネコキャラなので、やっぱりワガネコキャラとはいえない。しかし、職業は判明している。フリーターだ。
そう、フリーターこそがかつてアルバイターと呼ばれていた存在なのだ。似た存在で、フリーランスという言葉もある。こっちは、武器となる技術やセンスや資格などがある、単なるフリーではなく、むしろ「世の中には私の力を必要とする人がいるのです」な立場ですね。
今でこそ、フリーランスという言い方が一般的ですが、一時期「フリーランサーの方が英語的に正しい」と言いたげな風潮がありました。
そもそも、ランスと言えば、ファンタジーマニアであるの私は西洋馬上槍を思い浮かべます。で、それを持った自由騎士がフリーランスなんですよね。だから、たぶん、英語的にも、フリーランサーよりフリーランスなんだと思います。
……え、どうでもいい? お、気が合いますね。実は私もそう思っていたところです。なので、フリーランサー派の方も遠慮せず自説を主張してください。
《ひったくり犯》
ひったくりに必要な能力は逃走力。なので、自転車や原動機付き自転車が利用されることが多い。速度で考えるなら原動機付き自転車が上だが、自転車は消音性が高い。と、それぞれ特徴がある。
おっと。ひったくりレクチャーを始めてしまってはダメなので、このくらいにしておこう。
本編で倒されてしまったひったくり犯はギリギリでワガネコキャラと言えよう。実はまた別の回で登場の機会があるのだ。が……その時もやっぱりチョイ役だ。無理して覚えておく必要はないぞ。
***用語***
まさかの再呼び出しセクション! 『語句説明』コーナーのフォーマットはどうなっている? と苛立っている方もおられるかもしれませんが、かつてあの有名な企業家が「形式にこだわっていては革新など生まれない」と語っていたように、型に嵌まらない――え? そんな事より誰の明言か、ですか? ……えーと、実は今テキトーに考えました。でも、きっと偉大な企業家のどなたかが似たようなことを言っているはずなので、そのへんもテキトーに繋げておいてください。
《ワガネコ》
それっぽくにわかに作った企業家とは違い、今度こそ実在した有名な文豪、あの「石に枕し、流れに漱ぐ」の先生の――あれ? これじゃヘリクツじゃなくて正しい故事になっちゃったな。……あ、別に過去の偉人の名前には権利問題が発生しないから、間接的に示さなくても良かったのか。そういや、二宮金次郎さんもそのまま書いていましたね。
と言うわけで、夏目漱石先生の有名作品『吾輩は猫である』から生まれたこの用語、ワガネコ。意味は、「名前は未だない」です。
じゃあ、ワガネコキャラは、いわゆる名前のないモブキャラと同じ、と考えるのは少し単純化しすぎです。具体例を挙げて説明すると、村人Aは真のモブキャラで成長の余地はありませんが、名前の明かされていない村人、すなわちワガネコキャラなら、今後展開によって名前を与えられて、中心キャラに昇格する余地があるのです! 現に端役に過ぎなかった銀子先生は、もはや立派な主要キャラの一人。特に、ゴツゴウ・ユニバースではワガネコキャラは大出世をする可能性を秘めた存在と言えるのだ。
……あ、はい。「思いつきで展開しているから、どのキャラにスポットが当たるか、コントロールできていないだけでしょ?」ですか?……全く、そのとおりです。
***パンツイッチョマンの技***
《イッチョマン・コイル》
コイルとは、ネジ巻きのことである。一見すると、イッチョマン・スピンのように思えるが、両足が固定されているのが最大の違いだ。それゆえ、パンツイッチョマンの上半身は捻り力が蓄積されることになる。その力を利用して――次の解説に続く。
《イッチョマン・コイル・リリース》
良く考えたら、技については次回予告のおじさんが説明してくれていましたね。
だったら、せっかくなので、より深く考察してみましょう。わざわざパンツイッチョマンがイッチョマン・スピンで躱さずに、イッチョマン・コイルを選んだのはやはり投げ返す気が最初からあったようですね。……いや、そうとも限らないか、避けてしまうと後ろに被害が出るから、まずは受けるためにイッチョマン・コイルを選択。他のヒーロー物のお話なら、ガシッと受け止めるだけで良いのに、それだと手の中で壊れてしまう、厳しい物理のゴツゴウ・ユニバース。回転運動への変換で勢いを殺す必要があったのです。
そこで止まってしまっても良かったのですが、蓄積された捻りエネルギーが一気に解放されます。その際、特定のターゲットを狙ったのは、クレーマーをお仕置き対象として見做したからだろうか? もちろん、勢い余った可能性も十分高いぞ。
《イッチョマン・クロスライン》
プロレス技としてのクロスラインは、日本ではラリアットあるいはラリアートと呼ばれる。突き出した腕で、移動している相手の首を引っかける技だ。見かけとしては、ちょっと地味でウソ臭いが、実行すると危険度が高い。特に本編では、速度が出きっていないとはいえ、単車相手に実行したので、引っかける方も引っかかる方も極めて危険! 良い子だけでなく、みんな真似しちゃダメだよ。
なお、原語のクロスラインだけに注目すると、端から端に渡した洗濯紐、というイメージが浮かびます。
そういえば、映画で追っ手をそうやって倒すシーンはよく見掛けますが、現実には被害者が死にかねない危険行為です。過去に日本でもそういうイタズラ事件が発生しましたが、重ねて真似しちゃダメですよ!
イタズラした人は、フィクションの中でよく見かけるから、とお手軽に考えちゃったのかもしれません。麻酔については、色んな作品でバンバン出てますが、同様に危険な手段です。気を付けよう!
《イッチョマン・スラップ》
今回はメイン会場では使われず、イッチョマン・クロスラインとのコンビネーション、実質リカバリー技として使われた。あのひったくり犯は、イッチョマン・スラップがなければ後頭部を地面に直撃させていた。フルフェイスヘルメットを被っていたから大丈夫じゃん、とはならなかったであろう。まず、ヘルメットは着けていたら安心という無敵装備ではない。もし、無敵装備だったとしても、地面に突入する角度が危なくて、頸椎を痛めかねなかった。あれを大怪我で済ませられるのは、受け身が上手いと称されるプロレスラーくらいである。しかし、そういうプロフェッショナルであっても時折命を落とす悲劇が生じる。バックドロップもまた危険な殺人技なのだ。
しかし、ひったくり犯はイッチョマン・スラップのおかけでバックドロップ状態にはならず、空中で半回転して、顔面から着地。フェイスガードが割れて、流血の事態に陥ったが、命に別状はなかった。しかし、ベクトルを上手い具合に変えて、衝撃は最低限に減じてくれたとはいえ、後ろ向きのエネルギーを前向きに変えた負荷はゼロにできるはずもなく、というかそれを許してくれないゴツゴウ・ユニバース。体幹に掛かった負荷は、ひったくり犯に必ず影響を与えているでしょう。いわゆるムチウチ症状くらいにはなっているかも、ですね。
えーと、実は、このイッチョマン・スラップ。作品上では都合の良い気絶技として良く使われています。改造麻酔銃でキャラクターをバンバン眠らせちゃうのは、ゴツゴウ・ユニバースでは危険行為に相当しますが、お話の展開としては、都合よく相手を無力化させる手段ってのはありがたいですね。ですから、別に私は、麻酔銃を頻繁に使う作品を非難しているわけじゃないですよ。現実とは混同しないでね、と言っているだけですから。
***大門博士による異能分析***
異能者は出ていないので、今回このセクションはN/Aです。
N/Aってなんだろう、と思った方の為に説明しておくと、……えーと、「インターネットで検索!」――は、ダメですか、はい。書けば済む話ですからね。「該当せず」って意味です。




