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第七十六話 「図書室の異変」
「あれ?」
図書室に月嶌葵らしき人物が見当たらない・・・
どころかいつもいる司書の先生も留守なようだ。
「誰もいないなんてなんか変ね。
図書室全然来ないから分らないけど
いつもこんな感じなの?」
菊池の問いに
八千草が
「ううん、私は時々来るけど、
誰もいないのは初めて。
何かあったのかな?」
駿と孝也も
何か違和感を感じながら
図書室の様子を観察していると、
突然、図書室の扉の開く音がした。
四人は急いで図書室の本棚に身を潜めた。
誰かが入って来るやいなや
話し声がする。
「各班の進行具合はこれを見る限り順調そうだな」
「ええ、とても頼もしい限りだわ」
この時、孝也の聴覚センサーが何かを察知した。