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第四十三話 「残された居場所」
看板チームの中でも
絵画班
塗装班
設置班
に役割が分かれて準備が行われた。
仕切るのは3年生の
やはり女子たちだ。
女子が仕切るのが
看板チームの定めなのだろう。
俺は特に芸術センスにたけているわけでもなく、
だからといって力仕事ができるわけでもないが、
絵を描いたり塗ったりするのは
「タロちゃん
絵心ゼロだから、設置班にしなね」
と八千草からどストレートに
ありがたい忠告をしてもらったため、
結局設置班になった。
ゼロとまで断言されると
俺の居場所は、看板チーム
だったのだろうかと疑心暗鬼に陥る。
しかし、
いくら疑心暗鬼になろうと
ダンスや応援チームでないことは
確かなのも精神崩壊気味で頷ける。
ミリ単位の希望を持って、
今は看板チームの設置班として
任された仕事に集中するよう自分に言い聞かせた。
男九割の設置班を
取り締まるのは
我が海満誇る
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三大美女の一人、
美名城夏帆である。