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異世界でも強いだけでリア充出来る訳じゃない  作者: 脱力呼吸法
第2章 赤の迷宮と骸骨達の騒乱
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ギルド登録

お気に入りが増えていました。登録してくれた人。ありがとうございます。

また、ポイント入れていただいて・・・もう、反応が返ってくるというのは嬉しい事ですね。

感謝感激。

 初夏の太陽が地上の矮小な生き物たちを見下ろしていた。手加減を知らない熱波が万物を苛む中で、我関せずと一人桁違いに大きな建造物が太陽に反旗をひるがえしている。

「でかい城壁だナ・・・」

何せ、二十メートル先の商用馬車を影に収めることが出来るのだというのから。

もちろん霧崎は高さとか、横幅でこれを超える建造物を目にしたことが在る。しかし、威圧感。建造物が持つ覇気という点ではお目にかかったことが無い。そんな霧崎の反応がお気に召したのか、ここまでの道中で黙していた巨漢が口を開いた。

「そうだろう。あれは大城壁つって、竜と戦うために古の魔法使いが造ったものだからな。オリハルコンで造られた城壁だから千年前から錆びたりもしないということだ」

「スごいな・・・」

巨漢の言葉を噛み締めたで、改めて霧崎は城壁を見上げる。道中、セレナの説明から想起された霧崎のイメージを良い意味で超越している。

「ちなみに、円状の城壁の半径は約五キロ。エーベタフト市内を二分するアズール川は海に通じていて魚釣りにも最適だよ」

暢気なセレナの声に霧崎は曖昧な表情で頷いておく。

「オレは、手掴ミの方が得意ダがな」

「流石は野人」

え、俺も手掴みの方が得意だよというトーレルの名乗り上げがつづき、ここに野人(バーバリアン)同盟が結成された。

「そら、城門をくぐるぞ」

御者の声とともに馬車が門を通り抜ける。驚くべきことに、城門の長さから推測するに、大城壁の厚さは10メートルほどもあった。

「ソういえば、他の、商人とかノ姿を見なかっタが・・・」

「ああ、それは・・・お昼時だからだろう、それに大方の商人たちは川を使うからな・・・と、そろそろ降りるぞ」

馬車が止まる慣性で霧崎の視界が揺れた。

「到着っと!・・・おっちゃんありがとな」「おう、店に顔出してくれよ」「ありがとう」「美人の姉ちゃんもな」「アリがトうござイましタ」「なんだ、お前が一番礼儀正しいなぁ」

そんなやり取りの後、霧崎は石畳の上で辺りを見回す。降りたところは住宅街なのだろうか、昼にはほとんど人通りが無く。煉瓦造りの赤い家が熱せられた石畳の陽炎に揺らいで見える。今しがた通り抜けた門を振り返れば黄銅色の城壁が正午の日差しを反射して、直立する夕暮れの湖面のように煌めいていた。

「・・・ほら、さっさとギルドに行くぞ。今日中に面倒なことを終えてしまおう」

ダークエルフが放心するう霧崎をながさなければ、きっと日が沈むまで見ていたと断言できる。

「・・・アあ」

迷いの無い足取りで進む二人の冒険者の背を霧崎は慌てて追いかけた。




 「ここが冒険者ギルドだ。しかもこの街のギルドは首都にあるものよりも立派だぞ、・・・ここのやつは」

ギルドの前に着くなり開口一番セレナがそんな説明をしてくるが、首都にあるギルドというやつを見たことの無い霧崎には反応のしようが無い。

「・・・隣の建物ハ?」としょうもない反応を返すだけだ。

「左隣は市役所だ。右は銀行。ここら辺の通りは街の核となる建物を集めている」

まあ、後はお役人の住宅だな。嫌な思い出でもあるのかセレナが吐き捨てる様に言った。

「ちなみに、冒険者たちがここによるのは依頼と報酬金のためだけだな。俺達が集まるのは、食いもの屋と酒屋、武器屋や、道具屋のある南の通りだ」

うーん、なるほどと霧崎は神妙な顔でうなずいた。

意外なことに文明の程度はかなり高いようだ。あの村とゴブリンの生活から中世に毛が生えた程度などと油断していた。

「そうイえば、案外静カなンだな」霧崎のイメージでは外からでも酒を飲んで酔っ払った声とか、殴り合いとかそんな凄まじいものを期待していたのだが。

「ああ、ここら辺で騒ぐのは法律で禁止されているからな。・・・それにしても今日はやけに静かじゃねえか」

おかしい、トーレルは首を捻る。依頼の相談をする声、報酬金を弾く音、戦果を自慢し合い武器をガチャつかせる。南の通りには及ばないとはいえ、冒険者らしい雑音が通りに聞こえてきてもいいはずなのに。

「まあ、中に入ってみよう」

そういって、セレナは胸でスイングドアをおし建物内に入る。その際のあばらの上の素晴らしい表面張力の変形をもちろん霧崎が見逃すはずが無かった。


 ぎい、と年季の入った木張りの床が来訪者の重さに悲鳴を上げる。室内には休憩用の椅子とテーブルが十二組並べられていた。

「・・・案外、静かナんだナ」

というよりも、霧崎達以外の人影は奥のバーでグラスを磨く老人以外見当たらない。

横を見ればトーレルもセレナも違和感に表情を曇らせていた。

「私達は二階に行くから、お前は少しここで待っていてくれ」

「了解」

霧崎の返答も待たずに巨漢とダークエルフは階段を駆け上がっていく。こうなると、一人残された霧崎は手もちぶた差と言うもので、二胡を引こうにも騒音禁止で引けず、剣の練習をしようにも規則のため出来ない。

「とりアえず飯にスるか」

これから先に備えて食事を取ることにする。腹が減っては何とやらと言うやつだ。それにどうも今の空気は、キメラと戦う前のゴブリン達に感じたものと近い。

「アー・・・どうも」

ピクリ、と話しかけたバーのマスターは霧崎の声に片方の眉を震わせる。今日はあまり機嫌がよく無いのか、それとも終始こんな感じなのか常連で無い霧崎には判別できないが、出来るだけ丁寧な声で、話しかけることを心がける事にした。

「今日はイイ天気でスネ?」

「・・・・・・・・・・」

無言の返答。この話題は通じそうにない。

「モシよロしければ、何か食べ物を出しテ下さいマせんか、三人前」

「・・・・・・」

老人はやはり無言。その代わり霧崎を値踏みするように睨みつけてから奥にひっこみ、野菜と肉のスープとスプーンを持って現れた。

 コトリ、コトリ、コトリと陶器特有の鋭利な音を立てて丁寧に皿が置かれる。野菜のとろける甘い匂いと肉のとろける豪快な匂いをまずは鼻で味わう。

上にいる二人には悪い気がしたが仕方ない。これは緊急事態だ。礼儀作法はひとまず引っこんでおいてもらおう。

右手に匙を持ちまずは一杯。瞬間、霧崎の顔が至福に崩れた。急いで次を口に運び、そんな動作を繰り返すうちに瞬く間にスープが消えている。

「・・・パンは必要かね?」

しわがれた老人の問いに後のことを考えて肯く。

コトンと霧崎の前に置かれたのは拳二つほどの大きさのパンだった。

手で千切り皿に残ったスープを拭って口に持っていく。穏やかな幸福がそこにはあった。


 


 あ、トーレルさん、セレナさん。大変です。大変なんです。え、なにが?ですか。今日午前十時ごろに武装したオークの群れが赤の迷宮に現れたんですよ。幸い市外に出る前に迷宮の出入り口で押し止められましたけど。ならいい?いえ、悪いんです。ぞくぞくと敵の増援がやってきて・・・、あ。少々お待ち下さい。ええ!?かrっりゅう!?火竜が西区に、はい、はい、了解しました。

すいません。セレナさん、トーレルさんには西の入り口付近に現れた火竜をお願いしたいのですが。はい、はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。・・・・・・あと、十五分持ちこたえて下さい。

なんですか?野人?オークの方には野人を連れて行け?まあ、お二人が薦めるなら腕は確かなのでしょうけど、わかりました。冒険者登録の方はこちらで何とかします。

 それでは、御武運を。

書きかけの文章が一度飛びました。怒りを神〇火織のフィギュアで鎮め、書き直した次第であります。つまり後半の変な文章がその名残です。

ところで、結局主人公はギルド登録出来ませんでしたね。

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