くだらない?
「で・ん・かおはようございますぅ」
「⋯⋯あぁおはようございますコルシェ侯爵令嬢」
マリエーヌがそう言って私の席に座ります。
毎朝の風物詩になりました。
マリエーヌが何時に来てるのかわからないほどの早朝に登校して授業が始まるまで私の席から退きません。
どんな人が意見してもどんなにひっぺがそうとしても退きません。
学校内でリスキャリー様に危害を加えるわけでもない、それ以外はただ座ってリスキャリー様に話しかけているだけ。
そしてそうさせていると大人しい。
被害を被っているのが私だけという状況。
これ我慢しないといけないの?
皆、口には出さないけど空気読め感が半端ない。
かれこれ2週間この状態。
朝私は早く行っても席に座れないので最近は結構ギリギリに行くようになった。
何故なら⋯朝から立ってるのキツイもん!
文句言うのも疲れたけど、マリエーヌの金切り声に辟易してる皆は注意するのに飽きたのか面倒くなったのか誰も何も言わなくなった。
リスキャリー様だけが言ってるしマリエーヌに話しかけられても無視してる。
ギリギリに行く私に付き合って最近はマルシェもギリギリだからアンディ様と話すのを放課後に変更してくれてた。
勿論マルシェもマリエーヌに注意はしてくれたけどマルシェが言うと異常な反応を示して飛びかかろうとするから(何故?)マルシェには何も言わなくていいと言った。
でもね⋯⋯側近衆
君達は注意する義務あるんでないかい?
あくまでも我々は殿下の側近ですから~残念!的な感じでマリエーヌを放置してるのが腹が立つ!
リスキャリー様も労ってはくれるけど⋯⋯。
朝のちょっとした時間だから私の心が狭いの?
そんなある日でした。
教室に行くと相変わらずで、ただ変わったことが一つ。
教壇の壁に一時限目が自習となっていた。
「えっ?教師が来ないの?じゃあ席は?」
マリエーヌはいつも教師が来て注意されてから席を立つ。
その教師が来ない⋯まさか?
そう思っていたらリスキャリー様の側近で騎士団長の息子のアライア・ミンティ伯爵子息が、どこからか椅子を持ってきた。
そしてリスキャリー様の通路側にその椅子を置いて私に向かって「どうぞ」と言う。
「⋯⋯⋯⋯」
私はそのまま踵を返して教室を出た。
出てから廊下を走って走って運痴のくせに走って馬車止めまで行ったけど、公爵家の馬車は帰ってたからそのまま学園外に出て、乗合馬車で公爵邸に帰った。
それから一週間登校拒否。
というか部屋に籠城。
こんなことしてもなんにもならないし何拗ねてんのって話だけど⋯⋯。
なんか我慢できなかった!
腸煮えくり返るってこういうこと?
くだらないと解っていても引き籠もっている私です。