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オレンジ色の空に誓う  作者: maruko


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32/58

丸投げ⋯ゴメーンね

終業式を終え本日午後から夏期休暇に突入します。


私とマルシェは父の手紙を携えて学園帰りにスノウ伯爵家へと訪う事にしていました。

馬車止めでアルシェ嬢を待っていると何やら変な女に絡まれながら此方に近付いて来ます。


「マリエーヌの取り巻き2号」


マルシェが私の耳元で囁きました。

何を絡んでいるのかと声をかけたらアルシェ嬢はお得意のウルウルで此方に助けを求めているようでした。


「モートル伯爵令嬢、スノウ伯爵令嬢。何やら揉めているようですが」


「あっ「何でもございませんわアシェリー公爵令嬢には関係ございません」の」


アルシェ嬢の言葉を遮り2号は私へきっぱり言い切ります。

ほほぅいい度胸です、あまり使いたくはないですが一応私は準王族ですので弁えて貰おうと思います。


「その物言いでよろしいのかしら?」


心の中でファイナルアンサー?と呟きます。

私の態度で不味いと思ったのか


「あっ、その、用事があるのでした失礼いたします」


2号は何処までも不敬な態度でそそくさと居なくなりました。


「大丈夫?何を絡まれていたの?」


「それが、よく解らなくてマリエーヌの事みたいなんですけど⋯しかも私あの方とは面識がなくて⋯」


またもや変な行動の女が発生しました。


あっ!因みにアルシェ嬢はピンクリボンを着けるのを止めました。

原作ではリボンの描写はなかったそうなんですけどコミックで着けてるのを読んだそうです。

お守り代わりに彼女は着けていたみたい、そのリボンを見て自分以外の転生者がいるのではないかと、声をかけて貰えるのではないかと思って着けてたみたい。

まんまと私とマルシェが釣れたのでもう着けなくてもいいそうです。


気を取り直して三人でスノウ伯爵家へと向かいます。


スノウ伯爵は人の良さそうな普通のおっさんという佇まいでした。

夫人もアルシェ嬢の友人という枠で登場した私達にとても好意的です。


「まぁまぁまぁまぁ公爵家の、しかも王太子様の婚約者様がアルシェを気にかけて下さって⋯」


言いながらハンカチで目元を抑えて涙ぐんでいます。

伯爵も目を抑えながら天を仰いでる?

感動している夫婦は更に続けます。

アルシェ嬢は私達を紹介後に着替えに自室へと行って今はこの場にはいません。


「あの子は私どもが寄付をしていた孤児院に居たんです」


伯爵が言うには孤児院に居られる歳がアルシェ嬢はあと一年だったそうです。

その孤児院は16歳になったら出る事になっていて彼女の行く末をシスターが特に気にしていたみたいです。

曰く突然性格が変わったみたいになった。

それまでは周りの子供を携えて家来の用に扱っていてさっさと追い出そうくらい思っていたけれどある時を境に急に優しい女の子に変わったそうです。

(前世を思い出したな)私はそう思いました。おそらく間違いないでしょう。

それまでは早く貴族と縁組させろと言っていたのに急に言わなくなったどころか貴族は嫌だと言い出したそうで、180度変わった彼女を訝しみ何かの病気じゃないかと疑っていて、どうしたものか扱いに困ってると伯爵に相談してきたそうです。


夫人のほうが以前のアルシェ嬢を知っていたので、以前は媚びるような目だったのに、その話を聞いたあとは一切夫人の前に姿を現さなくなったみたい。


見えなくなると人間気になりますよね。

アルシェ嬢は逆効果の事をしてしまったようで、それでも最初は使用人として引き取ったそうです。


スノウ伯爵家には既に成人した嫡男様と現在留学している次男様だけの男の子だけのお子様事情でした。


アルシェ嬢は使用人と聞いてホッとしたようで意欲的に働き始め伯爵家の使用人達の間で評判がとても良かったそうです。


そんなある日夫人が庭先で倒れてしまってそれを適切に介助したのがアルシェ嬢だったとか(アルシェ嬢の前世は看護師だと聞いております)

夜も寝ずに看病してくれた彼女を気に入った夫人の言葉で養女にしたのが半年前だそうです。


「あの子はきっと貴族になりたくなかったのかもしれませんわ。でも優しいあの子に私はずっと側に居て欲しかったの、使用人だと色々と制限もできてしまうし何より私は娘が長年欲しくて」


まだハンカチを目元に当ててボロボロ泣きながら夫人は話します。


そこへノックの音がして着替えたアルシェ嬢が入ってきました。

泣いてる夫人の側に行き「お母様どうしたの?大丈夫?」そう言って濡れたハンカチを自分のハンカチと取り替えています。


微笑ましい。


伯爵はお父様の手紙を読み終わって


「ご迷惑ではないですか?」


と私達へ聞いてきます、それにはマルシェが答えました。


「大丈夫です、アルシェ嬢がマナーを真剣に学ぶお手伝いもさせて頂く約束をしたのですけど、私が婚約者の元へ行かなければなりませんし、姉は王城に行きます。それならばアルシェ嬢に一緒に来て頂くのが一番手っ取り早いのです」


伯爵と夫人は「良かったなぁ」とアルシェ嬢の頭を撫でながら話しています。


微笑ましい。


この親子がアルシェ嬢の断罪で離れ離れになるのは想像すると、とても心が痛みます。


なんとか彼女を貴族令嬢として手助けしないとね


マルシェ頼んだ!!


マルシェに丸投げさせてもらいます。





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