勇者に助けてもらった
「おいおい、また死んじまったじゃねぇかよ。どうなってんだこれ」
俺は確かに誰かにナイフらしき物で刺されて死んだはずだ。
一瞬の出来事で後ろを振り向いて確認する間もなく死んじまったから詳細はわからねぇ。
つーか「また死んじまった」ってなんだよ。
普通なら一生言わねぇセリフだろ。
てか俺さっきまで今場所と同じとこにいる。
つまりあの何もないただ白い景色の空間にいるって事だ。
ったく、本当に何もねぇとこだな。
「また死んでしまったのですか。すぐ死ぬってダサすぎます」
「!?」
頭上に聞き慣れた声が聞こえた。
だが俺は安心してない。
寧ろその声を聞いて不快感を覚えた。
「おい、死んだ人に向かってその言い草はねぇだろ。ふざけるな」
「おや、初めて喋りましたね」
「おめぇが一方的にずっと喋ってたからだろうが」
と、女神に文句垂れ流していたら、
「仕方ありません、また生き返らせてあげましょう。では」
「!? …って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
とまたしても女神に風に飛ばされてしまった。
―――そして時が経ち
「また戻ったのか」
そう、ついさっきまでいたあの異世界に戻ったのだ。
懐かしい、また来れて嬉しいとかの感情は一切ない。
なんせ滞在時間ほぼ一瞬だったしな。
と、思っていたら、
「おい、殺されたくなければ金を出せ」
と、ナイフを持っている黒くて長いローブを着ている不審者の男が叫んでいた。
それを聞いた周りの住民が喚いたり慌てふためいている。
「死ねぇぇぇぇ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
不審者は俺に向かってナイフを突き出し俺の腹部を誘
うとした。
俺はなんとか回避したが、尻もちを突き恐怖で動けなくなる。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
不審者はナイフで倒れた俺の腹部を刺そうとした。
あぁ、今度こそ死んだな。
短い人生だったと嘆いていたら、
「やめるんだ。お前の悪事はここで終わりだ」
突如鎧を着ていて右手に剣を持っていて左手に盾を持っている男が叫ぶ。
見た目からしてこれってアニメやゲームでよく見る勇者に見える。
「あぁ? なんだてめぇ」
と、不審者は勇者らしき男に向かってナイフを突き出しながら走って突き刺そうとする。
だが、
「おーと、そいつは俺には効かないぜ。とおっ」
「え?」
勇者らしき男は軽々と突き出されたナイフを剣で振り払った。
不審者はナイフがなくなった事に絶望している。
「俺の勝ちだな」
「あっあっああああああああああああああ」
勇者らしき男が勝ち誇った表情を見せると不審者はビビりその場から全速力で逃げ出した。
「大丈夫だったか君?」
「あっはい」
勇者らしき男は倒れた俺に手を差し伸ばしてくれた。
正直俺は嬉しかった。
だってこんなにも勇敢に立ち向かって助けてくれたら 誰だって嬉しくなるはず。
そう思っていたら、
「俺の名前はリタだ。勇者だ。君の名前は?」
「俺は佐藤 勝だ」
やはり見た目通り勇者だった様だ。
しかしこいつ中々馴れ馴れしい奴だな。
「そうか、よろしくな勝。じゃあ今から俺達のギルドに行こうぜ」
「うおっ」
と、リタという勇者に手を引っ張られてしまい、否応なくギルドに誘導されてしまったのであった。




