新しい仲間③
その言葉の意味が、私にはよく分からなかった。新聞、というのが何に役立つのか、ぴんとこない。
「よくわからないですけど、心強いです! 皆さん、どうかよろしくお願いします!」
深々と頭を下げると、ルビトール様が満足そうに頷いた。
「良かった。これで人も揃いましたね。あとは大公家からも、少し土地を借りる算段をつけましょう」
「おいおい、俺の出番はまだかよ」
拗ねたようにソルディオさんがぼやくのに、皆で顔を見合わせて笑った。
「君は、言うまでもなく、働いてもらうよ。
君にしかできないことは多いからね。」
「ああ、何でも揃えてみせるよ。
それで予算は?」
「任せてくれ、近々王宮に新部門が立ち上げられる。土壌改良による豊作計画だ。それで潤沢に予算が出る予定だよ」
王家の新設部門や計画に予算。国が動き出したことにその場にいた誰もが息を呑む。だが私たちは遂に動き出した。もう止まれない止まりたくもない。
だがそこで、少し控えめに不安をにじませた口調で、ソルディオさんが私達に声をかけた。
「……、なんで突然そこまで話が動くんだ?早すぎじゃないか?うまい話過ぎて少し怖いんだけど」
「それには理由があるんだ。アン……あれを皆に」
促されたので私は力強くうなずき、服の隠しポケットから、ローゼリンデ様のノートを取り出し、適当にページを捲った。
そのページを見た全員の視線が集中する。
「それはなんですの?」
「これが国王陛下の許可をいただいたキッカケ、行方不明、もしくは消失したとされるローゼリンデ様の手記だ。」
「そんな、本当にそんなものが見つかったのか!
まさかこれがあの、国家予算級とも呼ばれたローゼリンデの研究成果なのか……」
誰も何も言えない様子だった。何気なく開かれたページに釘付けとなる。
その日、客間には、私の知らないところで交わされる思惑や打算がいくつも渦巻いていたのだろう。けれど、興奮に胸がいっぱいだった私は、そんなことに気づく余裕もなかった。




