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11話:三年生の白ギャルと遭遇

 とある日の放課後。


 俺は転校してきたばかりで学校の中がまだ全然把握しきれてなかったので、放課後に一人で学校の中をブラブラと歩き回っていた。


「えぇっと、こっちを歩いて行くと視聴覚室で……あっちに向かうと家庭科室か。やっぱり都内の高校って色々な施設が充実してて凄く広いんだなぁ」


 俺はそう呟きながら廊下を歩いていった。俺が田舎で通ってた小さな男子校とは全然違い、この高校は施設が物凄く充実していて全体的にかなり大きかった。流石は都会の高校だよな。


 という事で俺はただひたすらに高校の中を歩き回ってるだけなんだけど、でも何だか探検をしてるみたいでちょっとワクワクとしていた。


「いやー、これだけ学校の中を歩いてるだけなのに楽しいな。あ、そうだ、せっかくだし学校の屋上とかも見てみたいんだけど……でもやっぱり屋上は鍵とか締まってるのかな?」


 学校の中を一通り見終えた俺は何となく屋上も見てみたいと思ったので、それからすぐに俺は廊下にある階段を上って屋上へ向かってみる事にした。


 階段を上っていくとすぐに屋上前に到着したので、俺は屋上の扉のドアノブを掴んでいってみた。どうやら扉の鍵は締まってないようだった。なので俺はそのままドアノブを回していき屋上の扉を開けていってみた。


―― ガチャッ……


「おぉ、これは良い眺めだなー! って、あれ?」

「……ん?」


 扉を開けてそのまま屋上に入ってみるとそこには既に先客が一人だけ居た。どうやらネクタイの色からして三年の女子生徒のようだ。


 その女子生徒はド派手な明るい色のロングヘアにド派手なピアスをしていた。可愛らしいネイルもしており、さらに制服の上にはド派手な龍の刺繍が入ったスカジャンを羽織っていた。何というか中々にオシャレ上級者な白ギャルだった。


 そしてそんなオシャレ上級者な白ギャル先輩を見つけた俺はというと……。


(お、おぉっ! 凄い凄い! 都会のギャルだ! 本物のギャルだ!)


 そして俺は目の前にいる白ギャル先輩を見てテンションを思いっきり上げていった。だって俺が元々住んでた田舎にはこんなギャルは存在しなかったからな。


 まぁでもそりゃあ俺の住んでた田舎にはギャル向けの服屋さんとかコスメ屋さんみたいなのは一店舗もないんだからギャルになりようがない地域ではあったんだけどさ。


 という事で俺にとってこれが生まれて初めてのギャルとの邂逅だった。今までギャルはテレビとかネットとかでしか見る機会がなかったので、本物の白ギャルを生で見れて俺はテンションが爆上がりしたというわけだ。


(うーん、やっぱりギャルってめっちゃいいなー! って、あ、あれ?)


 俺はテンションが上がりながらその白ギャルを眺めていたんだけど、でもよく見るとその白ギャルの口には細長い棒状の物が咥えられてる事に気が付いた。


(あ、あれ? もしかしてあれってタバコじゃ……)


 都会のオシャレな白ギャルかと思ってテンションが上がってたんだけど……でももしかしたら超ヤンチャなド不良という可能性も出てきて俺はちょっとだけ焦っていった。


(い、いや、ギャルと邂逅出来るのは滅茶苦茶に嬉しいけど、でもド不良との邂逅だったら全然嬉しくないからな……)


 しかしそんな事を思いながら俺はちょっとだけ身構えていると、白ギャルの先輩は俺がいる事に気が付いたようでこっちに顔を向けてきた。そして……。


「んー? ぷはぁっ……君ってあれじゃん? 二年生の転校生でしょ?」

「え?」


 そして白ギャルの先輩は口に咥えてた棒状の物を取り出してから俺にそんな事を言ってきた。そして先輩が口に咥えてた棒状の物はタバコではなくスーパーとかコンビニで売られてる普通の棒キャンディだった。


(よ、よかった。本物の不良かと思ってちょっとビックリしたな)


 という事でこの白ギャルの先輩はとりあえず不良では無さそうなので俺はホッと安堵していった。


 だけど何故か白ギャルの先輩は俺を知ってるような口ぶりだったので、俺はその事に変な違和感を覚えていった。俺とこの白ギャルの先輩は初対面なはずなのに。


「あ、はい、確かに俺は先日この学校に転校してきた者ですけど……えっと、もしかして先輩は俺の事を知ってるんですか?」

「うん、そりゃあね。この学校には男子生徒なんて数えるくらいしかいないし、さらに転校生の男子なんてすっごく珍しいから君の噂はクラスの友達からちょくちょく聞かされてるよ」

「あ、そ、そうか。まぁ確かに男子の数が少ないから転校生が男子だったら話題になるに決まってますよね。でも三年生の先輩達の間で俺の事が噂になってるなんてちょっと気恥ずかしい感じもしますけどね」

「あはは、そりゃあ噂されたら普通は恥ずかしいに決まってるよね。まぁでも今の君って三年生の間でもぶっちぎりで一番有名な男の子になってるんだけどねー」

「えっ? 三年生の間で俺がぶっちぎりで有名って……それは一体何でですか? あ、それとすいません。凄く今更なんですけど……もし良かったら先輩のお名前をお聞きしても大丈夫ですかね?」

「んー? って、あぁ、ごめんごめん。そう言えば自己紹介がまだだったね。私は三年の霧崎舞耶(きりさきまや)って言うの。それじゃあお近づきの印に、はいこれ。棒キャンディ」


 目の前の凄く美人な白ギャル先輩はそう言って、スカジャンのポケットから棒キャンディを取り出して俺に手渡してきてくれた。味はプリン味だった。


「あ、ありがとうございます。俺は二年の上神春樹と言います。改めてよろしくお願いします」

「うん、こちらこそー」

「は、はい。それでさっきの話に戻るんですけど……俺が三年生の間でぶっちぎりで有名ってのはどういう事ですか? 俺はそんな三年生の間で有名になるような事なんて何もしてないと思うんですけど……?」

「あぁ、うん、その事ね。ふふ、君ってあれでしょ? ちょっと前に三年の女の子のノート運びを手伝ってあげたでしょ? それと廊下でうずくまってた一年の女の子を保健室に運んでいってあげたんでしょ?」

「え? あ、あぁ、はい、ちょっと前に先輩のノート運びを手伝ったりとか、後輩を保健室に連れて行ってあげた事もありますね。でもそれが一体……?」

「でしょー? 実はその話が三年生の間で持ち切りになってるのよ。女の子の事を颯爽と助けてくれるイケメン王子が転校してきたってね!」

「え……って、は、はいっ!? イ、イケメン王子!? そ、そんな噂が広がってるんですか!?」


 俺は霧崎先輩からそんな事を聞いて凄くビックリとしていった。確かにちょっと前に女子生徒の手助けをしたけど、その事が噂として三年生の間で広がってるのかよ!?

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