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転生

 ぱち、と眼を開けると、視界に飛び込んでくるのは鬱蒼とした緑、緑、緑。


 ここどこ・・・。


 確かに瓦礫と化した街でアレに殺されたはずなのに。夢、にしてはおかしい、だって私の知る限り、こんなに緑がいっぱいの街なんてなかった。それに殺された感触だって・・・。

 額を触ろうとして持ち上げた右手に違和感を感じた。それは気のせいでもなんでもない。


 す、透けてるぅ!?


 なに、どういうことよ!?

 大慌てで自分の体を見下ろすと、やはり全体的に透けている。生前着てたぼろい布切れも一緒に透けている、ということは。

 やっぱり自分は死んでいた・・・しかも幽霊になって。


 幽霊ってどうなのよ・・・別に恨み辛みがない訳じゃないけど、復讐なんて出来ないし。アレ空飛ぶし。だとしても、なんでこんな緑いっぱいの所で幽霊になってるんだろう。よくお話だと死んだ場所で怨念になるって聞くけど。浮遊霊、とかなんだろうか。


【名称:アルマ

 種族:精霊

 使用可能:憑依

 現在位置:森】


 ・・・なんか喋った。周りに誰もいないのに。幽霊なのに鳥肌が立っている腕をさする。幽霊なのに。

 アルマは私だから、私は精霊になったってことなのかな。精霊も幽霊も同じだと思うけど。憑依は多分そのままの意味。何かに取り付ける・・・ってことは。


 私怨霊みたいなもんじゃない!


 精霊って言えばいいって問題でもない!天使って名前のやつがアレだから間違っていないのかもしれないけど。まぁ気分的には悪霊よりかはマシか。

 そういえば現在位置は森って言ってたな。あたり一面緑のここは森って言うのか。本には木がいっぱい生えてる所って書いてあったけど。これだけ生えてれば一生燃料に困らなそう。森には果物って食べ物あるって書いてあったしね。だけど、幽霊・・・精霊だからご飯はいらないか。

 そうだなぁ、なんかに憑依してみようかな。精霊は時間が経つと消えちゃうって昔話があったから。なにか憑依出来て移動出来そうな生き物はいないかな・・・。えっと、ちょっと先でぷるんぷるんしてるの、あれなんだ。クラゲ?陸地に?


【名称:スライム

 種族:精霊

 所持:接食

 憑依:可能

 吸収:可能】


 すらいむ・・・?クラゲ、じゃないのか。種族も私と同じだし。接食ってなんだろう、食べること、でいいのかな。憑依は可能、吸収も可能。接食と吸収がよく分からないけど・・・とりあえず、触ってみよう。憑依できるかもしれないし。

 ぷにょん、ぷにょん、と移動しているスライムにそぉっと忍び寄る。指でつつくとひんやりとした固い寒天のような感触がする。これはなかなか気持ちがいい。さて、いざ、憑依!


 視界が一気に拡大されたかのように低くなり、自分自身が圧縮されるかのような感覚がした。しかしそれも一瞬のことで、私の視界はすっかり地面すれすれになった。上手く憑依出来たみたい。


【取得:接食

 使用可能:憑依・接食】


 あ、なんか接食できるようになった。




プロローグから1年とちょっとを経てようやく開始です。

大変お待たせいたしました。

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