いじめを成敗
魔法系実技の授業があるなら、肉体系実技の授業があるのは当然・・・だと思う、多分。
だが残念ながら(?)拳ではなく剣。
魔法の授業では基礎的なものとそれぞれの魔法属性別にやっていたため、キッチリとクラスが分けられていた。
それに対して剣の授業は純粋な実力、剣力でクラス分けをする。
最低が5級、最高が1級だ。
私は5級、つまり最低ラインのクラスに分けられた。
まぁ、私は剣を扱えないので当然と言えば当然。
剣はクッソ重いからラッキー!!
剣の教師は割と優しい。・・・・というか放任主義っぽい?
自分は優雅な姿勢で椅子に座り、生徒責任の自習をさせるほどの放任主義。
剣の扱いを聞きに行けばちゃんと教えてくれるいい先生だ・・・どこぞのババアと違って、ね。
そして私は今、リンチに遭っている。しかも前後左右から。
周りの女子と男子が結託して私に刃を振るってくる。絶対わざと。
刃がつぶれているとは言っても、魔力が込められている剣だから、当たり所を間違えれば大惨事になりかねない。
何がイラつくかって言われたら、ただ包囲してリンチするのではなく、タイミングを見計ってわざとバランスを崩して剣を振るってくることだ。
さらに、「おっと」とか言いながら、体当たりを仕掛けてくる。クズッ!!
だが私個人としては大歓迎。
時間差の包囲攻撃とか、いつもの修行では絶対できないしね。
首謀者と思われる女子生徒と剣を打ち合う、あっちは技でこっちは純粋な力で。
この女子生徒は視線を私に固定して、気味の悪い笑みを浮かべる。
その時、私と首謀者の隣で演技じみた打ち合いをしていた生徒たちが、わざとバランスを崩し、私の腰めがけて剣を振るう。
このパターンが軽く20回を超えたから、こいつは後で絶対ぶっ飛ばす。
私はわざと、首謀者と打ち合わせていた剣を下に、バランスを崩した生徒の方向へズラし、さらに剣を真横にずらす。
あーら不思議、なぜか首謀者生徒の剣が、私の腰めがけて振るわれた剣とかち合う。
「「!?」」
私は剣をできるだけ強く握り、真横に一閃。
私の剣は首謀者生徒の剣とグル生徒の剣とかち合い、勢いそのままなぜか存在していたグル生徒の脳天にぶち当たる。
アー、カワイソウダナァ。
「イ”ッ!!」
短い痛みの声を上げながら、グル生徒がその場に倒れる。
私はそれを見届けることなく、握った剣を空に向かって突き立て、そのまま下に振り下ろす。
首謀者生徒は視線を、ぶっ倒れた仲間から私の剣へと変え、自分の剣で振り下ろされた剣を防ぐ。
顔が面白いくらい崩れている。
「なぜこんなことに!?」と言わんばかりの顔・・・・プププ。
この時、私の周りの生徒たちが纏う空気が一変した気がする・・・・多分。
はっ付けていた微笑が崩れた首謀者生徒は、私の渾身の振り下ろしを防ぎながら、私の後ろにいるナニカを見てアイコンタクトをする。
「やああぁぁぁあああああ!!」
後ろから甲高い声が聞こえる。
地面を駆ける音がする。
なるほど、後ろから奇襲を掛けたいらしい。奇襲と言えるかは別として・・・
私に剣が振り下ろされる直前、私は今出せる最速で横に動く。
「・・・・え?」
私に向かって剣を振りかざした女子生徒が呆けた声を発する
私に振り下ろさるはずだった剣は私ではなく、首謀者を上から、ばっさりと振り下ろされた。
完全に振り下ろされた直後、その場に沈黙が走る。
「キャッ!!!」
数瞬の沈黙の後、首謀者が高い悲鳴を上げる。彼女は自分の服を抑え始めた。
首謀者生徒の服が裂けた。
刃をつぶした剣とはいえ、考えうる最大量の魔力が込められた模擬剣は、首謀者の衣服を真っ二つに裂いたらしい。
避けた服が小さな風によってはらりと揺れ、いと白き肌を露出させ・・・・うん、見えてはいけないところが一部露出してしまった。
ハハハハハ、ナンテカワイソウナンダロウカ・・・・
「「「「「「「「おおお!!」」」」」」」
遠くの男子生徒がこちらを見ている。
どうやら彼らにとっては、ラッキースケベだったみたい。
「大丈夫?」
服を裂いた女子生徒が首謀者女子生徒に近づく。
私をリンチしていた女子生徒と男子生徒が首謀者女子生徒に群がる。
いや、男子が行くんじゃないよ。セクハラだよ。
この後、なぜか授業がいつもより早く終わった。




